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ぼくの故郷は打ち棄てられたコロニー群にあった。 正確にいえば、今もあるし、まさに今ぼくはそこに帰ろ... ぼくの故郷は打ち棄てられたコロニー群にあった。 正確にいえば、今もあるし、まさに今ぼくはそこに帰ろうとしている。 古びたドッキング・アームがシャトルを固定する。すこし船が揺れる。乗客はぼく一人だった。ここは気密空間なのに、まったくの無音のようだ。シートベルトを外すと、手提げかばん一つでぼくはコロニーへの隔壁に向かった。いまや最後の有人コロニー、ジャスト・ジョーイへ。 ぼくが生まれたころには、コロニー群の廃棄がとっくに決まったあとで、ほかのコロニーはすでに無人化され、ナノマシーンがメンテナンスを行うのみになっていた。ただ、ジャスト・ジョーイのみは有人管理が細々と続けられていて、管理ブロック周辺に小さな村のようなものができていた。ナノマシンが叛乱を起こすこともないだろうが、なにかのときに人がいた方がいいということだった。あるいは、新旧の他のコロニーになにか大事故でも起きたときに、受け入れる体制
2014/05/15 リンク