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気がついたら2週間ほどたっていて、その間どうやって生活していたかあまり覚えていないなどといったら、... 気がついたら2週間ほどたっていて、その間どうやって生活していたかあまり覚えていないなどといったら、家族や同僚にきっと心配されるだろう。しかもその間、約150年にわたる時空の旅に出ていたなどと言ったら、いよいよみんなを慌てさせるかもしれない。でもこれは紛れもない事実、ホントの話なのだ。 ぼくはいま、その旅の話がしたくてたまらない。こんなエキサイティングな旅は生まれて初めてだ。案内人はぼくと同い年のインド系アメリカ人。それは遺伝子の謎をめぐる贅沢な時間旅行だった。 『遺伝子 親密なる人類史』上・下(早川書房)は、この時点で気が早すぎると笑われてしまいそうだが、間違いなく今年の一般向け科学書のナンバーワンだと思う。この本とともに過ごした2週間はなんと豊かな時間だったことか。 本書の著者、シッダールタ・ムカジーはコロンビア大学に籍を置く腫瘍内科医である一方、サイエンス・ノンフィクションの書き手とし
2020/02/18 リンク