第2のふるさと 帰郷編 ~酪農家を訪ねてin帯広~
次に向かった先は
今回の旅のもう一つの大きな目的でもあった帯広。
以前からお菓子に使用する乳製品は
北海道産を使用したいと思っていました。
しかし現地の生産者の生の声を聞かずに
その製品の良さや、その製品にまつわる大変な部分などを
お菓子できちんと表現できるだろうか…?と
考えていました。
そこで今回の旅では、
酪農家の生の声を直接聞き、
少しでも乳製品についての理解を深めようと
この旅の一か月ほど前から
牧場にアポをとるため、必死に動いていました。
が、しかし!!
皆さんもご存じのように、今、口蹄疫の関係で
北海道は厳戒態勢。
道外から牧場等の施設内への立ち入りは
厳しく制限されている状態でした。
いくつもの牧場から断られる中、
「酪農の仕事を子供たちに伝えることに尽力している人がいる」
という情報を得て、
その方に連絡したところ、
私の想いを理解して頂き、特別に
お話していただける運びになったのです。
今回お邪魔したのが、帯広市にある廣瀬牧場さん。
こちらが代表の廣瀬文彦さん。
この時期は、一番牧草の収穫で、
酪農家にとって非常に大変な時期であるのに、
私のために時間を取って
牧場を丁寧に案内して下さいました。
まずは牛舎に案内して頂いたのですが、
牛がおいしい牛乳を出すために一番重要な事は
やはり「餌」だそうです。
牛は牧草を食べますが、
ひとえに牧草といっても
稲の仲間のチモシーやオーチャード、豆の仲間のクローバー葉、
時にはトウモロコシの葉や茎など、
季節や、気温、牛の体調などを考慮したうえで、
その時の配合を決めるそうです。
収穫した牧草は異なった形で保管し、
乾草とサイレージという二種類の餌を作ります。
こちらは乾草。その名の通り牧草を刈った後、
天日に2日間干し、保管しやすく丸めたもの。
天気予報との勝負です。
こちらはバンカーサイロといって、
収穫した牧草を、ビニールシートの下で乳酸発酵させる所です。
この発酵させた牧草をサイレージといいます。
この餌の良し悪しで
美味しい牛乳が出るか否かが
決まる、神経を使う大事な仕事だそうです。
現在は一番牧草を収穫していますが、
別の畑では
餌にするトウモロコシを育てています。
そんな畑が、牧場の周りに10か所ぐらい(?)あるそうです。
そしてこちらが搾乳の様子。
このように朝4時半と夕方5時に
365日搾乳をします。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、
一年中、牛に合わせて生活するという事は
牛のことを家族のように想っていないと出来ない事だと、
改めて大変さを実感しました。
搾られ終わった牛たち。
お行儀よく整列して退場します。
廣瀬さんはご覧のように、北海道指導農業士の免許を持ち、
酪農教育ファーム北海道推進委員会の委員長も務められている方です。
農場の二階には子供たちが肌で酪農を体験できるように、
搾乳を間近で見られるスペースが設けられ、
酪農の楽しさや大変さを伝えるために、
定期的に酪農教室を開かれています。
今回のブログでは、廣瀬さんから伝え聞いた
酪農への想いのすべてを書ききる事は出来ませんでしたが、
生の声を聞き、見ることで、
酪農の大変さや奥深さを少しだけ理解することが出来ました。
そして、またさらに、北海道の大自然の中で育った餌を食べ、
深い愛情を受けて作りだされる乳製品を
使いたいと強く思いました。
最後に廣瀬牧場の牛乳で作った
出来たてのアイスクリームを頂きました。
今までに味わったことのないフレッシュ感で
「美味し~いっ!!」と思わずばくり。
生まれて一週間の牛さんに再会を約束し
帯広を後にしたのでした。
廣瀬牧場のHPはこちら↓
廣瀬牧場
~次号に続く~
北海道絶景ポイント その③ オンネトー
湖の後ろに見えるのは雌阿寒岳と阿寒富士です。
陽が暮れ始めた湖は静まり返り、
夕陽を受けた湖面がまるで鏡のように
まぶしいほどの輝きを放っていました。