中国のお隣のベトナムでは、特に首都ハノイなど北部において中国っぽさがあるが、ネット規制においても今年さらに中国っぽく強化している感がある。
実際に西側の言論の自由にナーバスな団体は、ベトナムの状況にたびたび警鐘を鳴らしている。
以前のベトナムのネット規制については、昨年の1月の記事「Facebookが使えない!? ベトナムネット検閲事情」で書いている。
当時はFacebookを時々アクセスできないようにし、代替としてベトナム産SNSの「Zing me」も多数派ではないが使われていた。
一方で、ベトナム人の間でFacebookへのニーズが高いため、誰もが口コミで「8.8.8.8」が合言葉の「Google Public DNS」を使い、Facebookを利用する人が多かった。今もベトナム人がGoogle Public DNSでFacebookを利用する状況は変わらないが、利用者数においてはFacebookよりZing meのほうが多いという状況になった。
さらに、ベトナムではGoogleの対抗馬となっているロシア製検索サイト「coccoc」が人気になってきた。今のところcoccoc自体がFacebookアクセスツールを提供するなど、政府べったりのポジションではない。ただ今後は、中国がそうだったように、またZing meがFacebookを上回ったように、何かしらの手段でcoccocがGoogleを上回るかもしれない。
さまざまなルールが盛り込まれた新ネット規制
さてベトナム政府は7月に「第72-2013-ND-CP号法令」(ベトナム語でnghi dinh 72、英語でdecree 72)を発布し、9月1日より施行した。
この略称72号法令は、従来通り反政府的な扇動の書き込みを禁止する上に、「ブログやソーシャルメディアでのニュースのシェア、リツイートを禁止」したり、「外国のネットサービスは、審査を受けた上でベトナム国内にサーバーを置くこと」を取り決めたり、「ベトナム国外の情報を提供する個人や組織や企業においても、ベトナムからアクセスされる限り、ベトナムの法律に遵守すること(ベトナムからアクセスできる限りASCII.jpだろうが2ちゃんねるだろうがベトナムのルールを守れ)」といった点が最大の注目ポイントだ。
この連載の記事
-
第211回
トピックス
日本のSNSでブレイクの「格付けミーム」は中国発 中国のコンテンツが日本で二次創作に使われる例が生まれる -
第210回
スマホ
中国で中古スマホ市場が真っ当化 中華スマホが安く買えるようになった -
第209回
トピックス
海外旅行でAIアシスタントを活用したら、見知らぬ場所にも行けて旅が楽しくなった! -
第208回
トピックス
中国のゲーマーが20数年待ち望んだ国産AAAタイトル『黒神話・悟空』の人気で勝手にビジネスを始める中国の人々 -
第207回
スマホ
折りたたみスマホが次々と登場する中国 カワイイニーズ&成金ニーズがキーワードか -
第206回
トピックス
AI時代に入り、中国独自の半導体による脱米国の可能性は少し出てきた!? -
第205回
トピックス
中国のガジェットレビューがメッチャまとも&有用になっていたのにはワケがあった -
第204回
トピックス
必死に隠して学校にスマホ持ち込み!? 中国で人気のスマホ隠蔽グッズは水筒に鏡に弁当箱 -
第203回
トピックス
死んだ人をAIを動かすデジタル蘇生が中国で話題! 誰もが「死せる孔明生ける仲達を走らす」時代に!? -
第202回
トピックス
停滞感があった中華スマホだが、生成AIが盛り返しのきっかけになるかも -
第201回
トピックス
ようやく高齢者にスマホが普及し始めた中国 ECで爆買い、そして詐欺のカモにされることも - この連載の一覧へ