連載41回で紹介した軽量クライアントOS「Splashtop OS」。41回の時点ではSplashtop OS自体がβ版だったこともあり、対応機種だったはずのノートパソコンでも動作しなかったので、十分な検証ができなかった。Splashtopの情報提供によると、日本ヒューレット・パッカード(以下HP)の製品はBIOSなどが米国で提供している機種と差があるため、動作しないということだった。
しかし先日、Splashtop OSの正式バージョンがリリースされて、より多くのパソコンに対応した。そこで今回は、Splashtop OSを実際に動かしてテストしてみた。
Splashtop OSについてのおさらい
41回のおさらいをしておこう。Splashtop OSとは、Googleがオープンソースとして開発しているウェブブラウザー「Chromium」を使った、LinuxベースのOSだ。ウェブブラウザーを動かすことがメインのOSなので、OS自体も非常にコンパクトに設計されていて、パソコンの電源を入れれば瞬時に起動する。Googleが開発しているパソコン用軽量OS「Chrome OS」と似たようなものだ。
パソコン用OSとはいえ、現状のSplashtop OSはWindowsやLinuxのように、幅広いパソコンでの動作をサポートしているわけではない。動作保証されたパソコンとしては、HPのノートパソコン「Pavillion」シリーズなどが挙げられている(関連リンク)。ただし、関連リンクで挙がっている機種は米国で販売されている製品が対象であり、日本で販売されているノートパソコンで動作するかは不明だ。
最新版である「Splashtop OS V1.0」では、多くのパソコンで動作するように改良されている。実際に今回のテストでは、動作保証機種ではなく自作パソコン(Core i5-660、Intel Q57チップセット、CPU内蔵GPU)にインストールしたが、問題なく動作した。
ただし、ネットワークコントローラーには注意が必要だ。Splashtop OSには、一般的なパソコンで利用されている有線/無線ネットワークコントローラーのドライバーが内蔵されている。しかしWindowsほど幅広く網羅しているわけではない。ネットワークコントローラーによっては、動作しない可能性もある。対応するネットワークコントローラーについては、以下の表かSplashtop OSのサイトを参照のこと。
GPUについては、大抵のCPU/チップセット内蔵GPUで問題ないようだ。CPUに関しても、低スペックで問題なく動作する。CPUスペックに関する制限は、Splashtopのウェブサイトにも記載がないくらいなので、ほとんどのCPUで動作すると思われる。メモリーは1GBあれば十分。HDDにSplashtop OSをインストールするには、1.2GBの空き容量が必要になる。
対応するネットワークコントローラー Splashtop OSの動作環境より引用 |
|
---|---|
Atheros | L1/L2 |
Broadcom | Tigon3 |
Intel | 1000/1000E |
JMicron | JMC150 |
Marvell SysKonnect | Yukon/Yukon2 |
NVIDIA | nForce |
Realtek | 8101/8102/8103/8129/8130/8139/8168/8169 |
SiS | 900/190/191 |
対応する無線LANコントローラー | |
---|---|
Atheros | ath5k(AR5xxxx)/ath9k(AR9001、AR9002 family) |
Broadcom | 4311/4312/4313/4321/4322/43224/43225 |
Intel | 1000/2100/2200/3945/4965/5x00/5x50/6x00/6x50 |
Ralink | 3090/5390 |
Realtek | 8192SE |
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