どれだけスタイラスペンのデザインや性能が良くなっても、どれだけ液晶表面のガラスの質が変化しても、インクの出ないペンで、ガラスの表面を擦ることに抵抗がある人は多いのではないかと考えている。
筆者はこれまで、ありとあらゆるタブレットを購入したが、残念ながら3ヵ月以上使い続けたモノは皆無だ。そんな中でも、しばらく使ったといえるのは、米クロスと米IBMが協業して開発した歴史的な「CrossPad」、北欧Anoto(アノト)が開発した特殊専用紙を使う「アノトペン」、Windowsと連携するぺんてるの「airpen」くらいだった。
結局、”愛用”といえるほど長続きしたのは、紙製のノートと、インクの出る一般的なリフィルの入ったボールペンで、いつしかこの組み合わせに戻ってしまっていた。
iPhone/iPad対応デジタルペン「MVPen EN301i」
昨今は、クラウド大流行でパソコンを持ち歩く機会が極めて少なくなり、Android/iPhone/iPadなどのケータイやタブレットと多くの時間を過ごすようになった。また人々が持ち歩くこれらクライアント機器の変化に合わせて、周辺機器も急激な変化を遂げつつある。
秋葉原の店頭で一目見て衝動買いした、MVPenテクノロジーズの「MVPen EN301i iOS対応バージョン」(以下、MVPen)もそんな周辺機器のひとつだ。MVPenは、専用デジタルペンと、その筆記軌跡を無線技術で読み取って蓄積するハードウェア「ユニット」から構成されている。ユニットは、Windows PCやMacに接続することで、手書きイメージデータの転送などといった連携が可能だ。筆者にとってより大きな魅力は、iPhone/iPod touch/iPadでも同様のことが行なえる点だ。
筆者は、最近はほとんど使い道がなくなり、遊休資産の仲間入りをしていたiPadとMVPenを一緒に連携活用している。
専用デジタルペンでiPadにお絵かきできる
「オンライン・モード」
MVPenは、2つの大きな機能を実現している。そのひとつ目が「オンライン・モード」という機能で、専用ケーブルでユニットとiPhone/iPadを接続して使う。そうすることで専用デジタルペンが認識されて、後述する専用iPhone/iPadアプリ「iPenNote」上でリアルタイムで追尾させられるようになる。
ユニットと専用デジタルペンだけを持ち歩く
「オフライン・モード」
ふたつ目は、ユニットと専用デジタルペンを外出先などに持ち出して使う「オフライン・モード」という機能だ。ごく一般的な紙の上部にユニットを固定したうえで文字や絵を手書きすると、その軌跡データがユニットに蓄積される。もしメモの持ち合わせがなくても、レストランのペーパーナプキンなどで代用できる。
そして、必要に応じてユニットとiPadを接続して、イメージデータを送り込めるようになっている。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。
(次ページへ続く)
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