「Evernote」といえば、テキストや画像といったメモをオンラインに保存して、iPhone/パソコンの間でそのデータを手軽にシェアできるオンラインメモツールだ(iTunes Storeで見る)。
そのEvernoteでは現在、ほかのiPhoneアプリとの連携を進めている。これから対応するものも含めて連携できるアプリの一覧を入手したので、いち早く紹介したい。
3種類ある連携方法
iPhone版EvernoteとほかのiPhoneアプリとの連携方法は具体的に3種類あるようだ。
1つ目は、Evernoteが公開しているAPIの利用だ。このAPIを使えば、ほかのiPhoneアプリからEvernoteサーバーに直接、データを登録できる。
2つ目は、新たに用意した「EvernoteBridge」というアプリ連携の技術を利用する方法。あらかじめiPhoneにEvernoteをインストールしておけば、ほかのiPhoneアプリでメモ情報を選んで「Evernoteに保存」を指示すると、Evernote側に表示してくれる。
そして3つ目は、上の2つを組み合わせた方法だ。各iPhoneアプリがどのような連携を行うかも表を参照して欲しい。
連携するiPhoneアプリ
アプリ名 | 概要 |
---|---|
AP Mobile | Associated Pressのニュース記事をEvernoteBridgeを使って記録 |
Paint for Evernote | APIを使って手描きの図形をEvernoteサーバーに直接保存 |
Pixelpipe | ユーザーの写真をEvernoteや他のさまざまな写真共有サービスに保存。API対応 |
reQall | 音声認識を使って作業リストを作成、それに関連するノートを一覧表示する。APIを使って検索を行い、検索結果はEvernoteBridgeを使ってEvernoteアプリで表示 |
DocScanner | iPhoneのカメラで撮影した書類を鮮明にするアプリ。文字などのエッジをシャープにして、EvernoteBridge経由でEvernoteに保存 |
Scanner Pro | iPhoneのカメラで撮影した書類を鮮明にするアプリ。複数ページの書類をひとつのPDFに変換してAPI経由でEvernoteに登録 |
JotNot Scanner | iPhoneのカメラで撮影した書類を鮮明にするアプリ。こちらはAPIを使用 |
White | こちらも書類鮮明化アプリだが、ホワイトボード(白板)のメモに特化している。手順を簡略化しているのが特徴。API対応 |
mDigger Reader | RSSリーダー。記事をAPIで登録 |
BibleReader | 聖書の気に入った部分を、API経由でEvernoteに登録。同アプリはいくつかエディションがあるがそのすべてで対応する |
iNews | RSSリーダー。気になった記事をEvernoteBridgeで登録 |
AwesomeNote | 多機能メモ帳アプリ。メモをEvernoteにAPI書き出し |
Nozbe | GTD(Getting Things Done)系アプリ/サービス。Evernoteのメモの情報をAPI経由で、同サービスのウェブと同期する |
Shoeboxed | iPhoneカメラで撮ったレシートや名刺を、API経由でEvernote登録するスキャナーアプリ |
TimeBridge for iPhone | ミーティング管理アプリ。ミーティングの詳細をAPI経由でEvernote登録 |
FastFinga | 手描きメモを手描き形式のまま残すアプリ。メモをAPI経由でEvernote登録 |
フル機能の日本語版リリースは2010年夏が目標
なお、Evernoteの日本語文字認識対応についても、より詳しい情報が分かった。
Evernoteは、例えば名刺の写真やレストランのメニューを撮ってEvernoteに登録すると、サーバー側で文字を認識して検索が可能になる。この機能は元々、英語で提供しており、英語であれば活字はもちろん、手書き文字でも別の認識エンジンを使ってかなりの精度で認識していた。
昨年末、一部のブログではEvernoteが突如、日本語の文字認識も行うようになったと話題になった。これは確かにその通りだが、どうやらまだ正式対応ではないようだ。
現状の機能は米Evernoteが目指す水準には達しておらず、当初の予定通り、2010年夏のフル機能リリースを目指して、少しずつ対応を進めている段階だという。
これまでのEvernoteは、パソコン上で情報をどんどんメモを登録しておき、外出先ではiPhoneで検索するという使い方が便利だった。しかし、今回、紹介したアプリ間連携や日本語文字認識が実現すれば、パソコン版Evernoteの役割は減って、iPhoneの便利さや活用範囲をさらに広げるきっかけになるかもしれない。
また、今後はEvernote Bridgeのようなアプリ間連携が、ほかのiPhoneアプリ同士でもどんどん広がっていくことになるはずだ。