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2013年8月31日

小山修司さんに関する情報について

【調査会NEWS1399】(25.8.31)

 平成16(2004)年6月に新潟西港を漁船で出港して行方不明になっていた小山修司さんについて、以下のような情報が入っています。

小山さんの乗っていた漁船に積まれていた漁網を巻くドラムは3年前に千葉県の中古船舶販売会社が購入して保管していたが、このドラムから長さ約40メートルの漁網を外そうとしたとこ ろ、白骨化した遺体を発見して警察に通報した。 遺体はグレー系の作業着を着て、オレンジ色の手袋と、左足だけ紺色の長靴を履いていた。

 まだ最終的な確認はできていませんが、この御遺体は小山さんである可能性があるとのこと。確かに船には長靴の片方が残されていました。もしそうであればなぜ失踪当時にかなりの捜索をしたにもかかわらず分からなかったのかという疑問が起きますが、確かに船の中に遺体があったとすると周辺の海をいくら調べても分からなかったはずです。

 現在私自身がソウルにおり、詳しい状況の確認ができていませんが、とりあえずこのような情報が出たということでお知らせします。御遺体が誰であるかにかかわらず、一人の人が漁網に巻き込まれた状態で長い間放置されていたという痛ましい事件があったことは事実であり、謹んでご冥福をお祈りする次第です。

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情報収集に関するお願い

【調査会NEWS1398】(25.8.31)

 来週は鹿児島の特別現地調査が行われます。現在森山理事が地元での情報収集を行っていますが、別途に次のような情報も入手しました。

 昭和36年前後の夏休み中、阿多中学(現在は金峰中学に統合)の男子生徒が高橋浜(吹上浜の南)で失踪している。海難事故として片付けられているそうですが、遺留品などは見つからなかったそうです。

 時期的には市川さん・増元さん拉致の20年近く前になりますが、昭和46年に南に下った頴娃海岸の北朝鮮工作員侵入事件があり、その直後に園田夫妻の失踪がある等、薩摩半島に長く拠点があったとすれば理屈は成り立ちます。本件について情報をお持ちの方がおられましたらお知らせ下さい。

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 火曜からソウルに来ていました。明日というか今日土曜に帰国します。金曜は西海岸、全羅北道の群山に行きました。いつもソウルかその近くばかりで、地方に出るのは久方ぶりです。
 群山に来るのはかつては長項線で終点の長項まで来て錦江の河口を船で渡りました。20年前にはそうしたのですが、今は湖南線の益山(昔の裡里)から出る群山線と繋がっており、ソウルから行くときは龍山から在来線の直通を使うか、天安牙山までKTXで来て長項線に乗り換えます。途中かなり路線改良されており、旧線跡も見えますが、群山駅は全く別のところに移されていたため驚きました。
 群山は日本時代米の積み出しなどで栄えた町ですが、今は「近代文化中心都市」を売り物にしており、日本家屋などが復元されて展示されています。写真は近代歴史博物館で、「1930年9月、群山の街で私に会う」というキャッチコピーの「近代生活館」の写真です。
 説明には「日帝の収奪」というのがあちこち書かれてはいるのですが、展示自体は日本時代へのノスタルジアで、私が行ったときは若い観光客が結構来ていました。聞いてみたわけではありませんが、どう考えても「日帝がけしからん」という顔はしていませんでした。
 この博物館の周辺には昔の朝鮮銀行とか十八銀行とかが復元されており、畳敷きのカフェもあります。要は反日は魔除けのおまじないみたいなもので、そうしておかないとマスコミに叩かれたり左翼からクレームをつけられるためにやっているという感じでした。
 まあ、こっちも慈善事業で日韓併合したわけでもなし、別に誉めてもらおうとは思いませんが、ともかくそういう時代にコリアンが普通に暮らしていたということくらいは認めてもらいたいものです。こういう日本時代の史跡で売り出しているところは木浦とか、他にもあるそうで、表面的な反日と異なった情緒も韓国にはあるのかなと思いました。

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2013年8月29日

COI公聴会

【調査会NEWS1397】(25.8.29)
                         専務理事 村尾建兒

 8月29、北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)が拉致問題を含む北朝鮮人権状況の調査のため、日本では初めてとなる公聴会を都内で開催し特定失踪者家族らが証言しました。

 聴取者として参加したのはマイケル・カービーCOI委員長(元豪州最高裁判事)、マルズキ・ダルスマン委員(国連北朝鮮人権状況特別報告者)、ソーニャ・ビセルコ委員(セルビア・ヘルシンキ人権委員会代表)の3人。

 29日は午前中から北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の飯塚代表、有本嘉代子さん、横田滋・早紀江夫妻が証言者として参加しました。午後からは特定失踪者古川了子さんの姉・竹下珠路さん、藤田進さんの弟・藤田隆司さん、特定失踪者問題調査会から専務理事村尾が証言に立ち約1時間の聴取が行われました。

 証言では最初に村尾から特定失踪者リストについて、調査方法の一例として各失踪事案の分析及び分類、マッピングリストについて、また、日本弁護士連合会による第一次人権救済申立の結論内容や、短波放送「しおかぜ」に対する北朝鮮の妨害電波状況についてなどを報告、続いて藤田隆司さんから2004年に北朝鮮から流出した写真の鑑定結果やその後の目撃証言、竹下珠路さんから失踪状況と北朝鮮元工作員安明進氏による目撃証言や拉致認定訴訟について報告を行いました。

 カービー委員長はこちらの証言中にも疑問点などを質問する積極的なスタイルで進行し、藤田さんの写真については、自分も流出した写真を見る限り非常に特徴が一致していると話し、これ以上(拉致認定?)何が必要ですかと問いかける場面もあり、ダルスマン委員
からは一体北朝鮮はどのくらい拉致をしているのか?という質問が出るなど、かなり数字にもこだわっている印象を持ちました。証拠物件として、拉致疑惑失踪者ポスター、解説用パワーポイントデータ、藤田さん作成の冊子「北朝鮮よ、兄を返せ!」、竹下さん作成の古川了子さんの失踪状況及び救出活動資料が採用されています。

 非常に短い時間の中で行われた公聴会なだけに、全てを伝える事はできませんが、拉致の全体像を明らかにするのは、拉致を認めた北朝鮮側です。日本政府に認定されない、拉致の可能性がある失踪者が多数存在している以上、その安否確認を北朝鮮にさせるために、国連のご尽力をお願いしたいと訴えました。我々の後は、石丸次郎氏による北朝鮮の食料問題等にテーマは移りましたが、今回の公聴会が拉致を含む北朝鮮による人権侵害を、世界に広めるための一躍を担う事を期待する次第です。

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2013年8月27日

太平洋岸

【調査会NEWS1397】(25.8.27)

 ニュース1395号で千葉(南房総)の現地調査についてお知らせしましたが、「何で北朝鮮から遠い太平洋側に工作活動が関係するのか」と思われた方もおられると思います。そういう方には逆に考えていただきたいのですが、北朝鮮の工作船が太平洋側に来ていないことを証明できるでしょうか。

 かつて北朝鮮に密輸出された日本の中古漁船が東京湾に入った事件がありました。一定の大きさの船なら当然北朝鮮を出て給油なしに太平洋岸に来ることが可能です。また、北朝鮮の貨物船は必ず労働党の関係者が乗り、必要があれば工作活動にも使います。逆に工作機関の運用する貨物船もあるそうです。貨物船を使って工作船に給油することも勘案すれば、太平洋側での行動範囲はさらに広がります。

 また、協力者や日本に住む固定工作員がプレジャーボートを所有していればどこに行ってもほとんど疑われることはありません。そして南房総では鵜沢幹雄さんの失踪があり、北朝鮮関連の施設があり、館山には海自の航空基地があり、もちろんここから見ていれば東京湾に入る米軍艦船や護衛艦を監視することができます。南房総が工作活動に使われていないと考える方が不自然です。

 地図を見ていただけば分かりますが、館山から伊豆下田と伊豆七島の神津島までそれぞれ直線距離で約100キロ、下田と神津島の間が約50キロです。プレジャーボートで十分行き来できる距離で、神津島では昭和51年に当時大学生だった高野清文さんが失踪、その数年後に非公開の男性が下田で失踪しています。また、時期は昭和36年10月から12月にかけ、鎌倉・横須賀で4名が失踪しています。

 このうち2名(高松康晴さん・Nさん)については、当時の「週刊読売」に記事が書かれています。その内容は「昭和36年10月に、2人の若者が突然不思議な失踪をした。失踪した日は新月で、時間は満潮の時間」「昭和36年の始め、Nさんの恩師が釣りをしていたところ、月の無い暗い夜9時ごろ、漁船ほどの小船が由比ヶ浜に入ってくるのを見た。崖近くにまでやってくると1人の人間が海に飛び込み浜辺に上がった。船はそのまま沖に引き返していった」というものです。

 もともと太平洋側の県警は海上からの工作員浸透については無関心なところが多いので、分からなかったのかも知れません(それも問題ではありますが)。しかし、上記週刊読売の記事は内容からすると警察のリークと思われます。工作船が動いていれば電波情報もキャッチされていたはずで、全く分からなかったとは思えません。そう推測していけば太平洋側の北朝鮮の工作活動にも上の方で隠蔽したケースがあるはずです。
 
 前号でお知らせした吹上浜の特別調査については、5月に発表した情報をきっかけに様々な情報が出てきています。太平洋側での北朝鮮の工作活動も気付いていないこと、隠されていることが多数あるのではないかと思います。現地調査で行く南房総に限らず、情報をお持ちの方はぜひお寄せ下さい。

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2013年8月26日

特別現地調査(吹上浜)について

【調査会NEWS1396】(25.8.26)

 昭和53(1973)年8月12日に起きた市川修一さん・増元るみ子さん拉致にかかわり、本年に入ってから当時の吹上浜周辺に関連する様々な情報が寄せられています。この情報を検証し、他の拉致及び失踪との関連を調査するため、関係者が現地を訪れることになりました。各位におかれましてはご協力賜りますよう何卒よろしくお願い申しあげます。

日程 平成25年9月4日(水)
9:00 鹿児島県労働者福祉会館(鹿児島市鴨池新町5-7)駐車場集合 吹上浜へ
10:30 吹上浜駐車場(市川さんの車のあった場所)集合、現地で証言の検証、修了後鹿児島市内へ
14:00 記者会見(労働者福祉会館7F)

◎参加者
市川修一さん・市川龍子さん(市川修一さんの兄夫婦)
増元照明さん(増元るみ子さんの弟・家族会事務局長)
前山利恵子さん・光秋さん(園田一さん・敏子さんの長女夫婦)
村岡育世さん(田中正道さんの妹)
証言者(8月25日現在お2人確定)
救う会鹿児島 花牟礼薫会長・假屋達郎事務局長
調査会 荒木和博(代表)・杉野正治(常務理事)・森山博行(理事)

※ 日程及び参加者等の変更もありますので予めご了承下さい。
お問い合わせ 森山博行理事(090-1087-9408)
   

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2013年8月24日

1万キロ現地調査(千葉)

【調査会NEWS1395】(25.8.24)

 次回の1万キロ現地調査(第17回)は千葉県南部(南房総)で行います。

9月15日(日)
0900 御宿町集合。鵜沢幹雄さん失踪関連地点調査

 その後北朝鮮の工作活動にかかわる地点を調査しながら館山市に移動し、同日夕刻解散。館山では海岸で予備役ブルーリボンの会の工作員侵入・拉致にかかわるビデオ撮影に合流します。詳細は後日お知らせします。

 日本海側ではなく、太平洋側、しかも千葉県ということで「なぜ?」と思う方もおられると思いますが、北朝鮮の工作船ないし工作員の乗った船舶は間違いなく太平洋側にも来ており、千葉も間違いなく何らかの形で使われています。政府は長年それを知っていながらあえて隠蔽していたものと思われます。今回の調査はそれを検証することも目的の一つです。報道関係の皆さんもぜひ取材して下さいますようお願い申しあげます。

 そういえば、太平洋側ではありませんが、昨日古屋圭司・拉致問題担当大臣が大澤孝司さんの失踪関連現場である佐渡市新穂地区を視察しました。同市内の曽我ひとみさん・ミヨシさんの拉致現場と新潟市の横田めぐみさん拉致現場視察と合わせてですが、拉致問題担当大臣が特定失踪者の現場を視察したのは初めてです。多忙とは思いますが、今後さらに他の特定失踪者の関連現場にも足を運んでいただきたいと期待しています。

 とにかく、現場です。「踊る大捜査線」でも「事件は現場で起きてるんだ!」という青島刑事の言葉がたびたび出てきました(警察の某幹部は「事件は調査会で起きてるんだ!」と言ってましたが)。 

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2013年8月19日

都道府県警「拉致の可能性を排除できない失踪者」HP一覧

【調査会NEWS1393】(25.8.19)

 以下はこちらで調べた各都道府県警の「拉致の可能性を排除できない失踪者」にかかわるホームページの一覧です。ご参考まで。これは警察庁の指示により各県警が設置したものですが、県警によって見やすさには相当の差があります。分かりやすく掲示されているところもあれば、非常に見つけにくいところもあり、秋田県警など「見つけられたら賞品を贈呈」というような感じです。

 なお、アドレスの記載がないのは調査時点で設置されていなかった県警です。

北海道 http://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/incident/fumei-rachi/fumei-rachi.html
青森 http://www.police.pref.aomori.jp/keibibu/gaiji/ratiyougi.html
岩手 http://www.pref.iwate.jp/~hp0802/sousakyouryoku/informer.html
宮城 http://www.police.pref.miyagi.jp/hp/gaiji/index.html
秋田 http://www.police.pref.akita.jp/kenkei/index.html
山形 http://www.pref.yamagata.jp/ou/keisatsu/800021/
福島 http://www.police.pref.fukushima.jp
東京 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/jiken/rati/rati_list.htm
茨城 http://www.pref.ibaraki.jp/kenkei/a04_jiken/rachi/index.html
栃木 http://www.pref.tochigi.lg.jp/keisatu/hanzaisousa/rachi.html
群馬 http://www.police.pref.gunma.jp/keibibu/gaiji/rachi.html
埼玉 http://www.police.pref.saitama.lg.jp/kenkei/hanzai-bouhan/kyouryoku/joho-rati(3).html
千葉 http://www.police.pref.chiba.jp/trouble/cooperate_investigation/north_korea.php
神奈川 http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mese2004.htm#no1
新潟 http://www.police.pref.niigata.jp/onegai/rati2506.html
山梨 http://www.pref.yamanashi.jp/police/p_keibi1/rachinoutagai.html
長野 http://www.pref.nagano.lg.jp/police/keibi/abduction/abduction.htm
静岡 http://www.police.pref.shizuoka.jp/onegai/ratihigai/index.htm
富山 http://www.toyama-police.jp/rati/itiran.html
石川 http://www2.police.pref.ishikawa.lg.jp/sub.html?mnucode=292301
福井 http://www.pref.fukui.jp/kenkei/kebibu/kouank/ratinokanousei/toppage.html
岐阜 http://www.pref.gifu.lg.jp/police/sosakyoryoku/rachi/
愛知 https://www.pref.aichi.jp/police/jiken/jiken_rati.html
三重 http://www.police.pref.mie.jp/news/%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E3%81%AB%E6%8B%89%E8%87%B4%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7%E3%82%92%E6%8E%92%E9%99%A4%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E3%81%84%E8%A1%8C%E6%96%B9%E4%B8%8D/
滋賀
京都 http://www.pref.kyoto.jp/fukei/gaiji_kita/index.html
大阪 http://www.police.pref.osaka.jp/02jyoho/rachi/index.html
兵庫 http://www.police.pref.hyogo.jp/rachi/index.htm
奈良 http://www.police.pref.nara.jp/onegai/fumei_rachi.html
和歌山 http://www.police.pref.wakayama.lg.jp/disappearance/disappearance.html
鳥取 http://www.pref.tottori.lg.jp/221287.htm
島根 http://www.pref.shimane.lg.jp/police/keibi/rachi/
岡山
広島 http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/police12/rachi.html
山口 http://www.police.pref.yamaguchi.jp/0530/rachi/rachi.htm
香川 http://www.pref.kagawa.jp/police///////otazune/rati/index.html
愛媛 http://www.police.pref.ehime.jp/kokusaitaisaku/rati.htm
徳島 http://www.police.pref.tokushima.jp/03jyouho/ratikanousei.html
高知 http://www.police.pref.kochi.lg.jp/keibi/terrorist.html#rati
福岡
佐賀 http://www.police.pref.saga.jp/keiji_keibi/_2747.html
長崎 http://www.police.pref.nagasaki.jp/a53gaigi/ratihigaisya25.html
熊本 http://www.police.pref.kumamoto.jp/index.jsp
大分 http://www.pref.oita.jp/site/keisatu/fumei.html
宮崎 http://www.pref.miyazaki.lg.jp/police/
鹿児島 https://www.pref.kagoshima.jp/ja26/police/onegai/rati_mikkou/rati_kanousei_hitei_dekinai.html
沖縄

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2013年8月17日

「隼CHANNEL」現地調査報告三重・愛知編

【調査会NEWS1392】(25.8.17)

 戦略情報研究所が制作する情報発信番組「隼CHANNEL」では、調査会が本年3月に実施した1万キロ現地調査第14回(三重・愛知)の報告番組をインターネット配信しています。

 この調査では三重県伊勢市、津市、鈴鹿市、桑名市と愛知県名古屋市で調査を実施。辻出紀子さん、大政由美さん、辻興一さん、加藤鈴勝さん、布施範行さん、安西正博さん、佐藤正行さん及び非公開失踪者の調査検証を行いました。

 辻出紀子さんの車が駐車してあった現場や津市に於ける辻出さん、大政さんとの奇妙な接点、辻興一さんが手帳に書き残した謎の地図現場などについてもご覧頂けます。また、辻出さんのご両親、大政さんのお母さん、辻さんのお兄さん、加藤さんの娘さんがしおかぜメッセージ収録に臨んで下さいました。是非ご覧ください。

 http://www.netlive.ne.jp/archive/SII/index.html

 「隼CHANNEL」は(株)NetLiveのご協力で配信されています。        

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2013年8月16日

「調査会を支援する会」について

【調査会NEWS1391】(25.8.16)

 特定失踪者問題調査会の財政は一般からのカンパ、グッズ等の売り上げ、そして「しおかぜ」の中で拉致問題対策本部の広報を行うことによる事業委託費で成り立っています。残念ながらカンパは少しずつ減少しており、足りなくなってはあちこちご協力をお願いし、一息つくとまた足りなくなってお願いして、という状況の繰り返しです。

 それに対処するため、現在各方面に「特定失踪者問題調査会を支援する会」への入会を呼びかけております。これは下記のお願い文の通りで、企業・団体を中心に年間一口5万円のご支援をいただこうというものです。ご協力いただける方、またご紹介等いただける方がおられましたら何卒よろしくお願い申しあげる次第です。

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「特定失踪者問題調査会を支援する会」ご協力のお願い

 「特定失踪者の方々について、これは例えば小泉総理が訪朝をした際にも曽我ひとみさんの名前が出てきた、その段階では我々は認識をしていなかったわけでございます。(中略)我々、基本的には、こういう方々も含めて全て拉致問題を解決をということであれば、全ての拉致被害者の日本への帰国ということであります」(平成25年5月21日、参議院決算委員会での安倍総理答弁)

 今、政府認定以外の拉致被害者についての関心が高まり、政府も「拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くす」(1月25日に安倍総理を本部長とする拉致問題対策本部の会合での決定)としています。しかし、このようなことは本来半世紀以上前に行われていなければならなかったことです。政府の取り組みは余りに遅きに失しており、しかもまだ十分とは言えません。

 特定失踪者(政府は拉致認定していないが拉致の可能性の排除できない失踪者)の問題は民間での動きを政府が追っているという状態です。しかし被害者本人も家族もすでに高齢の人が多く、ゆっくり待っていることはできません。

 特定失踪者問題調査会はこの現状の中で、「1万キロ現地調査」や北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」をはじめ情報の収集と発信を中心にしながら、ともかく可能なことはすべてやるという方針で活動を続けてきました。しかし調査会は設立以来10年間、度々資金的な危機を経験し、そのたびに活動に支障をきたしてきました。拉致被害者も家族も高齢化している今、猶予はできず、この活動の一層の強化がどうしても必要です。各位におかれましては団体等を主な対象とする「特定失踪者問題調査会を支援する会」にご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

特定失踪者問題調査会を支援する会 事務局長(救う会秋田代表) 松村譲裕
       同      監査(国際教養大学教授・元仙台市長) 梅原克彦
特定失踪者問題調査会 代表  荒木和博

目的 北朝鮮による拉致被害者全員の救出を実現する為に、特定失踪者問題調査会を資金的に支援することを目的とする

会員 個人、法人、任意団体を問わない

会員資格 年間1口5万円以上のカンパ等による支援

※通常のカンパも行っています。「支援する会」入会はできないがカンパは可能という方はそちらでお願いします。

連絡先  東京都北区中里2-4-8 松村ビル5F TEL090-3368-3155・FAX03-3915-0737
    [email protected]

●発起人(アイウエオ順)

飯塚繁雄(家族会代表)・稲川和男(映像教育研究会代表)・川合孝典(参議院議員)・櫻井よしこ(ジャーナリスト)・砂川昌順・田久保忠衛(杏林大学名誉教授)・津田弥太郎(参議院議員)・西村眞悟(前衆議院議員)・福井義高(青山学院大学教授)・増元照明(家族会事務局長)・松村譲裕(救う会秋田代表)・三浦小太郎(評論家)・横田滋

●国会議員賛同人(アイウエオ順)

稲田朋美(衆)・漆原良夫(衆)・衛藤晟一(参)・金子洋一(参)・佐藤正久(参)・高木毅(衆)・塚田一郎(参)・中山恭子(参)・原口一博(衆)・平沼赳夫(衆)・古屋圭司(衆)・山谷えり子(参)・笠浩史(衆)・ 鷲尾英一郎(衆)

●都道府県知事賛同人(賛同人了承当時の名簿です)

高橋はるみ(北海道)・三村申吾(青森県)・佐竹敬久(秋田県)・達増拓也(岩手県)・村井嘉浩(宮城県)・佐藤雄平(福島県)・泉田裕彦(新潟県)・石原慎太郎(東京都)・大澤正明(群馬県)・福田富一(栃木県)・橋本昌(茨城県)・上田清司(埼玉県)・森田健作(千葉県)・黒岩祐治(神奈川県)・横内正明(山梨県)・古田肇(岐阜県)・大村秀章(愛知県)・鈴木英敬(三重県)・西川一誠(福井県)・嘉田由紀子(滋賀県)・山田啓二(京都府)・松井一郎(大阪府)・荒井正吾(奈良県)・井戸敏三(兵庫県)・平井伸治(鳥取県)・石井正弘(岡山県)・溝口善兵衛(島根県)・二井関成(山口県)・浜田恵造(香川県)・飯泉嘉門(徳島県)・中村時広(愛媛県)・尾﨑正直(高知県)・古川康(佐賀県)・蒲島郁夫(熊本県)・河野俊嗣(宮崎県)

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チャンネル桜でお話ししました

お時間のある方はご覧いただけると幸いです。


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2013年8月15日

終戦

【調査会NEWS1390】(25.8.15)

 「終戦」、ある意味便利な言葉です。戦争に負けた悔しさとか絶望とか悲しみとか、そんな感情をいくばくかは誤魔化してくれます。

 そしてまた、自分の意志で戦争は避けられる、終わらせられるという幻想をも感じさせる言葉です。それは戦争に勝った側、日本中をそれこそ火の海にした上で2発の原爆まで落とし非戦闘員、要は女性も子供も年寄りも焼き殺した勝者の側にも都合の良いものだったかも知れません。

 以後私たちは思考を停止させてきました。占領軍がいつの間にか「進駐軍」になり、今は「日米同盟」と言われています。しかし、「同盟国」であるはずの米国が日本を守ることにはなっていても日本は米国を守る必要はありません。米軍の若者が日本を守るために命を落としかけていても自衛隊は助けてはいけないことになっています(まあ、「自衛」隊というくらいですからそんなものなのかも知れませんが)。

 そしてその「同盟国」に国の安全を委ね、「平和憲法があるから」と言い、またある人は「占領憲法が変わらない限りは」と言い、どちらにしても何もせず、され放題拉致をされて、その上に多数の拉致被害者を放置し続けてきたのです。

 発想が飛躍していると思われるかも知れませんが、私は東日本大震災の津波で大きな建物がいとも簡単に流され、倒壊したのを見て、結局人間のできることはこんなものなのかと痛感しました。人間の作る憲法とか法律というものもこんなもので、何でもないときならそれなりに機能しても、いざとなったら紙切れに過ぎなくなるのではないかということです。

 私たちはもっと本質的なもの、簡単に言えば常識とか素朴な感情とか、そんなものに忠実になる必要があるのではないかと思います。「終戦」の日に同胞を拉致された悔しさ、絶望、悲しみ、そんな感情にひたってみるのも意味のあることかと思います。

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2013年8月12日

3箇所同時

【調査会NEWS1389】(25.8.12)

 35年前の今日は鹿児島で市川修一さん・増元るみ子さん、佐渡で曽我ミヨシさん・ひとみさんの拉致が行われた日です。都内での署名活動など、各地で催しも予定されていますが、この3日後には富山県高岡市での拉致未遂も起きており、少なくとも同時期3箇所で拉致を実行できる状態にあったということです。このことはもう少し深刻に考えられても良いものと思います。

 市川さん・増元さんの拉致についてはこのところ新たな証言がいくつも寄せられています。現在情報の整理を行っていますが、もう一度拉致の仕方などについて見直しを行う必要があるかも知れません。私たちは拉致を行うにあたって周到な準備が行われてきたと考えています。その基本は変わらないのですが、新証言から推測されるのはより突発的な、暴力的な拉致、かつて「マグチャビ」(手当たり次第に捕まえること)と言われたやり方です。

 そうだったとすればなぜこんな拉致が防げなかったのかということになります。乱暴にやれば当然失敗もしやすいはずで(実際いくつも未遂や目撃証言が出ているわけですから)、初動の段階でもっと対処ができたのではないかと思います。

 この当時関係機関で担当していた人は大部分現役を退いているわけですし、今更責任が問えるわけでもありませんが、あのとき何があったのかはもう一度検証してみる必要があると思います。いずれにしてもこんなにやり放題やられていたということを思い起こす必要があることは間違いありません。

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2013年8月 8日

倍返し

【調査会NEWS1388】(25.8.8)

 最近銀行を舞台にしたドラマ「半沢直樹」が話題になっています。決めゼリフの「倍返し」が流行語にもなっているようです。「調査会ニュース」でテレビ番組の評論をしても仕方ありませんが、このドラマが受けるのは理不尽な上司と闘う主人公に爽快感を覚えるという点があるのかも知れません

 ところで、考えて見れば「倍返し」というのは私たちが長い間封じてきた感覚だったようにも思います。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と憲法にあるように他国の意図を疑ったりしてはならないと思い続けてきたのではないでしょうか。

 しかし現実には周りを見渡すとあまり平和を愛してはいない国ばかりです。そもそも今の憲法を作ったアメリカ自身が、およそ「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」しているとは思えません。社会全体が何十年もそんな建前と現実のギャップに鬱屈してきたものが、ドラマを通じて発散されているのではないかと思います。多少うがち過ぎかも知れませんが。

 さて、北朝鮮からの侵入や日本国内での不法行為は、もちろん「公正と信義に信頼して」いては抑止できません。ここはやはり「倍返し」で行くべきではないでしょうか。別に北朝鮮の一般国民に報復するというのではなく、自国民の大部分にも世界に類を見ない長期的かつ深刻な人権侵害を行ってきたあの体制に対して、行動をもって意思表示することは、同じ憲法前文にある「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う」というのにも反しないと思います。あの独裁体制を「地上から永遠に除去」してしまえばもちろん拉致被害者も救出できます。北朝鮮の人々にも感謝されるでしょう。

 北朝鮮だけでなく長期にわたって拉致問題を放置・隠蔽してきたこれまでの日本政府・政府機関関係者への「倍返し」もあってしかるべきですが、いずれにしても半沢直樹のような怒りの感覚はもう少し国民全体が取り返しても良いと思います。 

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2013年8月 6日

アントニオ猪木

【調査会NEWS1386】(25.8.6)

 参議院議員になったアントニオ猪木氏の外国人特派員協会での発言が報道されていました。

 先日の麻生副総理の発言のように憲法改正への動きを牽制した発言が、いつの間にかナチス張りに憲法を変えようといった話になってしまい真逆の報道をされたこともありますから、内容を詳しく確認しないで批判をするのは控えますが、次のようなくだりは非常に興味があります。

「日本の拉致(被害者)名簿の中にある、何百人か分かりませんが、数字がどんどん変わっていた中で、日本の中で死んでいる人もいる。そういうような拉致名簿を(北朝鮮側に)提出して解決しようとしても、これは向こう側からした時に『そんないい加減なこと言ってくるなよ』(となる)」

 これが特定失踪者リストと警察の昨年発表した868人のことを言っているのは明らかです。そして「日本の中で死んでいる人」とは、特定失踪者リストにあった女性で別件殺人事件の被害者だった石川千佳子さんのことでしょう。平成16年、犯人が自首して(とは言え時効なので刑事では裁けませんでした)事件が明らかになったケースです。

 この事件は当時北朝鮮が「それ見たことか」と残りの拉致を否定するのに使われました。石川さんの事件を猪木氏が知っているはずもなく、要は北朝鮮の言い分をそのまま聞いてきたのでしょう。

 ということは、逆に言うと北朝鮮がこの問題で非常に悩んでいるとも言えます。拉致は様々な機関が行っており、おそらく金正恩も含めて北朝鮮で全体像の分かる人間はいないでしょう。やった当事者の北朝鮮が分からなければこちらで被害者全員の正確なリストなど出せるはずはありません。誰をやったか明らかにする責任は北朝鮮にあります。

 しかし、警察まで人数を出したことは北朝鮮側にかなりのプレッシャーになっているでしょう。相当数の拉致被害者が(殺害された人も含め)おり、北朝鮮当局が収拾に苦慮しているのだと思います。残りが数人であれば、その人たちを返せば拉致問題は山を越え日朝交渉に入れると判断するはずだからです。ここはもっと突いていって良いと思います。

 それにしても猪木氏は北朝鮮の言っていることを伝えるだけで「外交チャンネルを私以上に持っている政治家は、多分いない」などと自慢せず、金正恩に卍固めでもかけて拉致被害者を返すように言わせた方が評価されるように思います。

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2013年8月 5日

情報収集

【調査会NEWS1385】(25.8.5)

 国会の拉致特でも陳述しましたが、都道府県警のホームページに掲載された失踪者情報は県警によって相当見やすさに差があります。「情報を寄せてもらいたくなくて見にくくしているのではないか」とすら思える県警もあり、また、失踪者とは関係のないと思われる県警のホームページにあって(現在ご家族が居住しているため、そこでの届出になっている)本人の失踪した県警のホームページにないケースもあるなど非常にちぐはぐです。

 また、高齢でインターネットを見ることのできないご家族のために画面をプリントして持って行こうとしたら県警の担当者から印刷はできないと言われたという話も聞きました。どの県警のホームページも情報の最後には判で押したように「○○さんに関する情報をご存じの方は、どんな小さなことでも結構ですから、情報をお寄せ下さい」の書かれているのとうらはらに、本気で情報収集をしようとしているのかとすら思えます。

 今日、私たちは古屋圭司・拉致問題担当大臣(国家公安委員長兼務)に要請に行ってきましたが、この点は大臣も同じ認識を持っており、改善されるものと思います。

 関係者には釈迦に説法でしょうが、情報収集は目的が明確でなければ単なる「物知り」をつくるだけのことで、何の意味もありません。拉致問題の場合最終目的は拉致被害者の救出であり、そのための真相究明に情報収集が必要だということです。警察も、海保もぜひあらためて認識をしてもらいたいと思いますし、国民の側もおかしいと思ったことは積極的に意思表示をすることが必要です。

 4日の「報道特集」では圭運丸事件について新たな証言などを詳しく報道していました(地元ではその前に7月25日の北海道放送でも報道しています)。事件から46年経った今でも新たな重要情報が出てきているのです。これは他の事件でも同様で、いくつかの新しい情報が何十年の時を経て最近明らかになっており、やがて公開できると思います。決して昔の話だからと思わず、各機関の担当者の皆さんには積極的に情報収集をしていただきたくお願いする次第です。もちろん私たちもできるだけのことはするつもりですが。

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2013年8月 3日

海上での拉致

【調査会NEWS1384】(25.8.3) 

 5月に産経新聞が報じてから大きな関心を呼んでいる海上での拉致ですが、それに端を発した圭運丸事件(昭和42年11月7日、紙谷慶五郎さん、圭剛さん、礼人さん、速水さんが北海道雄武沖で失踪)の調査で拉致の全体像にもかかわる様々なことが浮き彫りになっています。

 産経の報道は最近脱北した元朝鮮人民軍幹部の証言によるものでした。

 「対日漁民作戦」と名付けられた日本の漁船を狙った拉致が1962〜85年まで繰り返し実行され、漁船を襲って乗組員のうち1人を拉致、残りを殺害したという内容で、拉致被害者は証言者の分かる範囲で30人を越すとのこと。これが事実なら殺害された人は100人以上になる可能性もあります。

 しかし、調べていく過程で圭運丸事件は「対日漁民作戦」と別のケースである可能性が高くなっています。「対日漁民作戦」は海上でランダムに日本漁船を狙ったものであり、地上との連携は考えられていなかったそうですが、圭運丸事件は事前に対象を選定していたと推定され、偽装工作と思われるようなことも行われています。手口からして明らかに別種のものです(これら圭運丸事件の問題について、本日3日夕方のTBS系「報道特集」で放送されるとのこと)。

 圭運丸事件は昭和63年(1988)の宮崎における林田幸男さん・水居明さんの共擁丸事件、同年の鳥取における矢倉富康さんの一世丸事件と同様陸上で目を付けられた人の拉致が海上で行われたケースだと推測されます。

 現在調査会では海上での拉致について事件の見直しを行っており、遅くとも来年には1万キロ現地調査の対象にもなると思います。海上保安庁も積極的に捜査を行う方針のようで、ぜひ結果を国民の前に明らかにしてもらうよう期待しています。

 それにしても「対日漁民作戦」の情報が事実であればこれだけで調査会リストに(そしておそらくは警察のリストにも)ない多数の被害者がいることになります。しかも最初から殺害された人がいたということで、いったいどこまで広がるのかと頭を抱えたくなります。

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