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2013年8月 8日

倍返し

【調査会NEWS1388】(25.8.8)

 最近銀行を舞台にしたドラマ「半沢直樹」が話題になっています。決めゼリフの「倍返し」が流行語にもなっているようです。「調査会ニュース」でテレビ番組の評論をしても仕方ありませんが、このドラマが受けるのは理不尽な上司と闘う主人公に爽快感を覚えるという点があるのかも知れません

 ところで、考えて見れば「倍返し」というのは私たちが長い間封じてきた感覚だったようにも思います。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と憲法にあるように他国の意図を疑ったりしてはならないと思い続けてきたのではないでしょうか。

 しかし現実には周りを見渡すとあまり平和を愛してはいない国ばかりです。そもそも今の憲法を作ったアメリカ自身が、およそ「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」しているとは思えません。社会全体が何十年もそんな建前と現実のギャップに鬱屈してきたものが、ドラマを通じて発散されているのではないかと思います。多少うがち過ぎかも知れませんが。

 さて、北朝鮮からの侵入や日本国内での不法行為は、もちろん「公正と信義に信頼して」いては抑止できません。ここはやはり「倍返し」で行くべきではないでしょうか。別に北朝鮮の一般国民に報復するというのではなく、自国民の大部分にも世界に類を見ない長期的かつ深刻な人権侵害を行ってきたあの体制に対して、行動をもって意思表示することは、同じ憲法前文にある「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う」というのにも反しないと思います。あの独裁体制を「地上から永遠に除去」してしまえばもちろん拉致被害者も救出できます。北朝鮮の人々にも感謝されるでしょう。

 北朝鮮だけでなく長期にわたって拉致問題を放置・隠蔽してきたこれまでの日本政府・政府機関関係者への「倍返し」もあってしかるべきですが、いずれにしても半沢直樹のような怒りの感覚はもう少し国民全体が取り返しても良いと思います。 

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