料理家・長谷川あかりが提案「今までになかった新しい献立」とは
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手軽で体にやさしいレシピをSNSで発信し、働く女性を中心に人気を集める料理家・管理栄養士の長谷川あかりさん。先ごろ、栄養バランスや見栄えなどを考えて迷いがちな「献立」をテーマにした料理本「シンプルだから悩まない! ワンパターン献立」(ダイヤモンド社)を出版し、話題を呼びました。長谷川さんに、SNSで支持される理由や本書に込めた思いについて聞きました。
最小限の型があれば、献立に悩む時間を減らせる

――本書のテーマを「献立」にしたのはなぜですか?
料理家として日々たくさんの方と接していて、料理についての悩みを聞くと、半分くらいの方が「献立」と答えます。理想とされる「一汁三菜」のような献立は、食材数や工程の面からみて負担が大きく、私には現代の生活スタイルにマッチしていると思えなくて。それで、今までになかった新しい献立を伝えたいと思ったのです。
――本書のタイトルになっている「ワンパターン献立」とはどんな献立ですか?
使う食材や調理法に一定のルールを設けながら、2品で献立を作ることです。たんぱく質がと取れる精肉や鮮魚を一つと、ビタミンやミネラルが取れる野菜を二つ使って、1食分の献立にします。最小限の型を身に付けると、料理のハードルがぐっと下がり、献立に悩む時間が激減します。
――2品でいいとは驚きました。
最低限2品を自分で作れたら100点満点です。料理は「0」から「1」へのハードルが高いので、「2品作れたなら上出来!」とハードルを下げておくことが大事。食材は多ければ多いほど下ごしらえが大変になるので、シンプルにした方が、その素材をどうやっておいしく食べるかに注力できるはずです。
――食材はたくさん使った方が、バランスよく栄養が取れそうですが……。
食品は薬ではないので、1日に31品目食べたとしても、その栄養が今日、明日の体に速攻で効果効能を発揮するわけではありません。1か月間、1日にたくさんの食材を食べ続けるのと、今日はニンジン、明日は長ネギ、あさってはピーマンというように、日々異なる食材を少しずつ食べていくことは、長い目で見ると結果的に同じこと。「いろんな食材をちょっとずつ食べよう」というのは、「偏食せずにいろいろな栄養素を取りましょう」という意味なのです。

――本書で紹介している料理には、「時短」「簡単」「おいしい」のほかに、どんな魅力がありますか?
紹介しているレシピは、どれもシンプルで、いろいろ応用できます。特に「酒蒸し」は、7通りを紹介していますが、材料を変えているだけで作り方は同じなので、別の種類の魚や調味料に変えてもらってもいいです。私のレシピを見なくても、すぐに自分のレシピとして作れるようになるかと(笑)。それは、ワンパターンだからこそ生み出せるのであり、ご自身のクリエイティブな面を楽しんでもらえると思います。
レシピを自分の言葉にして投稿している
――長谷川さんのSNSはたくさんの人にフォローされていますが、どんな投稿が人気だと感じますか?
「自分のために作ると、こんな気持ちになる」といったような、私自身の気持ちを明確に表して投稿した料理は、受け入れてもらいやすいのかなと思っています。自分の言葉と一緒にレシピを投稿して、そこに共感してもらえたら「作りたい」って思ってもらえるのかもしれません。
――どんなふうに投稿していますか?
例えば、つくねと玉ねぎとピーマンを混ぜたごはんを、「自分による自分のための完全栄養まぜごはん」として投稿しました。「作るとこういう気持ちになれる」「こういう体験ができる」といったように共感してもらっている気がします。
――発信するレシピを、どんな人に作ってもらいたいですか?
料理に対して、「作らなきゃ」という息苦しさや疲れを感じている方に、「この味の組み合わせ、おもしろそう」「このぐらいだったら作ってみたい」と思ってもらえる、ちょっとしたヒントになれば。料理の「こうしなきゃいけない」を、どんどん外してもらえたらうれしいです。
◇
「シンプルだから悩まない! ワンパターン献立」の中から、長谷川さんが特におすすめする2献立4品を教えてもらいました。
【かんたんプルコギ風献立】
1「牛肉とニンジンの酒蒸し プルコギ風」

「人気の韓国料理・プルコギを酒蒸しで、野菜を多めにして作ります。うまみの強い牛肉と甘いニンジンにコチュジャンの辛みがぴったりです」(長谷川さん)
<材料 2人分>
◇牛こま切れ肉…200g
◇ニンジン…2本(300g)
◇にんにく(すりおろす)…小さじ2分の1
◇塩…適量
◇料理酒…50ml
◇水…50ml
A
◇コチュジャン…大さじ2と2分の1(35g~)
◇ごま油…小さじ1
<作り方>
(1)ニンジンは縦半分に切り、包丁を70度に傾けて5mmの薄切りにする。
(2)深めのフライパンに(1)のニンジンを敷き、塩(小さじ4分の1)をふる。牛肉ににんにくと塩をひとつまみ絡め、ニンジンの上にのせる。料理酒と水を入れる。
(3)中火にかけ、しっかり煮立ったらふたをし、弱めの中火で10分間蒸し煮にする。
(4)Aを加え、炒めるように混ぜながら汁けをとばす。塩で味を調える。
2「ツナと大根おろしのごまスープ」

「大根おろしにツナがよく絡み、香ばしいすりごまとのメリハリが生まれます」(長谷川さん)
<材料 2人分>
◇ツナ缶(水煮)…1缶(70g)
◇大根(100g程度、すりおろして軽く絞る)…6分の1本(150~200g)
◇水…200ml
◇すりごま(黒)…大さじ2
◇塩…小さじ3分の1
<作り方>
(1)小鍋にツナを汁ごと入れ、水を加える。
(2)(1)を中火にかけ、煮立ったら大根おろしとすりごまを加える。30秒ほど温めてから火を止め、塩で味を調える。
【秋冬のグラタン献立】
1「なんでもグラタン ぶりローズマリー大根」

「ぶり大根にローズマリーという意外な組み合わせも、グラタンの包容力で一気に味がまとまります」(長谷川さん)
<材料2人分>
◇ぶり…2切れ(200g)
◇大根…6分の1本(200g)
◇小麦粉…大さじ2
◇片栗粉…小さじ2
◇牛乳…300ml
◇ローズマリー…1本
◇塩…適量
◇オリーブオイル…大さじ1
◇カマンベールチーズ…50g
<作り方>
(1)ぶりは目立つ骨を取って、食べやすい大きさに切る。塩(ひとつまみ)をふって水けをふき、片栗粉をまぶす。大根は厚さ2mmのいちょう切りにする。
(2)フライパンにオリーブオイルを熱し、(1)のぶりを並べて火が通るまで焼く。焼けたら端に寄せて大根を加え、塩(ひとつまみ)をふり、しっかり炒める。
(3)大根が透き通ったら、一度火を止めて小麦粉を全体にふり、粉っぽさがなくなるまでなじませる。
(4)再度中火にかけ、牛乳を少しずつ加えながらその都度よく混ぜる。ローズマリーを加え、弱火にしてさらに加熱し、とろみがついたら塩(小さじ3分の1~2分の1)で味を調える。
(5)耐熱容器に移し、カマンベールチーズを手でちぎってのせる。トースターまたは180度のオーブンで焼き色がつくまで焼く。
2「さつまいもとゆずこしょうの白みそ汁」

「甘さがクセになる白みそ汁は、ゆずこしょうと相性抜群!」(長谷川さん)
<材料2人分>
◇さつまいも…150g
◇水…500ml
◇白みそ…大さじ2
◇ゆずこしょう…小さじ3分の1~2分の1
◇バター…2g
<作り方>
(1)さつまいもは、厚さ1.5cmの半月切りにする。
(2)鍋に水と(1)を入れて、強めの中火にかけ、煮立ったらふたをして弱火で15分間煮る。
(3)さつまいもがやわらかくなったら、軽くつぶしてとろみをつける。火を止めて白みそを溶き入れ、バターとゆずこしょう(好みの量)を加えて混ぜる。
(読売新聞メディア局 長縄由実)
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