宮城県産イチゴ輸出好調 香港など向け 今季最多50トン予定
完了しました
県産イチゴの今季(来年6月まで)の輸出が始まった。東南アジアや香港を中心に需要は堅調で、今季は輸出の時期を前倒しし昨季の1・5倍となる、過去最多の20万パック(50トン)を送り出す予定だ。県は、25万パックで1億円を目標におき、主力の輸出産品として育成する方針だ。
石巻市のイチゴ農園「トライベリーファーム」で9日午後、香港向けの「とちおとめ」のパック詰め作業が行われていた。250グラム入りで640パックを用意し、出荷に向けて大型の冷蔵庫に保管された。成田空港まで陸送され、検疫の後に空輸。収穫から2、3日後に店頭に並ぶ。輸送時は温度を10度以下に維持し、新鮮な状態を保つという。

同農園では売り上げの約4分の1が海外向け。高瀬卓弥社長(48)は「出荷価格が安定しており、見通しが立てやすい」と輸出のメリットを話す。
県がイチゴの輸出に乗り出したのは2023年1月。国内市場が人口減少で縮小すると見込まれることや、産地間競争の激化で市場価格が変動しやすいことを受け、生産者の販路拡大や収入の安定化を図るのが目的だった。
対象は当初、タイ、シンガポール、香港、マレーシアの4か国・地域だったが、24年産からは台湾と米・グアムも加わった。ディスカウント店「ドン・キホーテ」の海外店舗での販売が中心だが、今季はタイでネット通販にも取り組む。
出荷量は、試験的に出荷した23年産が2・7万パックだったが、25年産は13・4万パックまで拡大し、輸出する生産者も5事業者から9事業者に増えた。

海外の県産イチゴの引き合いは強く、供給が需要に追いついていないといい、事業を県から受託する商社「アライドコーポレーション」(横浜市)の担当者は「甘くて粒が大きく、果汁が多い国産イチゴの人気は高い。量を確保することが課題だ」と話す。
県は昨季も20万パックの輸出を目指したが、春に気温が上昇した影響でイチゴの収量や質が確保できず、目標に届かなかった。今季は出荷を1か月早い12月7日に開始して実現を目指す。県国際ビジネス推進室は「技術的な支援や先行事例の紹介を通じて参画する生産者を増やし、需要の高い地域を中心に売り込んでいく」としている。
■県イチゴ新品種来年本格生産へ
ころろんベリー
県は17日、独自で開発したイチゴの新品種「ころろんベリー」を発表した。「もういっこ」、「にこにこベリー」に続く3品種目で、県は県品種のシェア拡大を狙う。来年から本格生産が始まる。

ころろんベリーは、県農業・園芸総合研究所(名取市)が2016年に開発に着手。大粒の「おおきみ」と果肉感のある「もういっこ」を掛け合わせ、大粒で食べごたえがある一方、みずみずしく糖度が高い。
名称は、生成AIを活用して70の案を生成。果実の特徴や作り手の
県は1月に生産者向けの栽培研修会を実施する。来年は県内各地で約30人の生産者が、計1ヘクタールの作付面積で約50トンを生産予定。生産量が少ないため、まずは県内の直売所や観光いちご園などで来年12月から限定的に販売される見込みだ。
県内のイチゴの作付面積は135ヘクタール、出荷量は4760トン(24年産)で東北一の産地。品種別では、「もういっこ」が45%、「にこにこベリー」が25%、残り3割を「とちおとめ」などが占めるという。




























