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ブラックモンブラン「発祥の地」で5代目社長は感じ取った…「アイスの最高峰を目指す」という祖父の気持ちを

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竹下製菓社長 竹下真由さん<1>

 九州を代表する棒アイス「ブラックモンブラン」で知られる竹下製菓(佐賀県小城市)。5代目社長、竹下真由さん(44)は事業拡大に取り組み、女手一つで3人の子を育てる母でもある。ブラックモンブランは「そこに山があるから登りたい」高い目標。親しまれた味を届けながら、いつかは越えたいと願う。

本社工場前に立つ竹下さん。アイスとは「日常にちょっとした幸せを与えてくれるもの」と語る(1日、佐賀県小城市で)=若杉和希撮影
本社工場前に立つ竹下さん。アイスとは「日常にちょっとした幸せを与えてくれるもの」と語る(1日、佐賀県小城市で)=若杉和希撮影

 欧州アルプス最高峰・モンブラン(標高約4800メートル)は真っ白な雪をいただき、そびえていた。3月末、フランス南東部の町シャモニー。ブラックモンブラン発祥ともいえる地で、55年以上前、3代目の祖父小太郎さん(故人)が見たであろう景色に、体が自然と震えた。

 「チョコレートをかけて食べたらさぞおいしいだろう」。祖父がこの山から着想し、商品を開発したのは知る人ぞ知るエピソードだ。誕生55周年記念の企画で訪れ、「『アイスクリームの最高峰を目指す』という祖父の気持ちを感じ取った」。

竹下製菓のヒット商品「ブラックモンブラン」
竹下製菓のヒット商品「ブラックモンブラン」

 竹下製菓は1894年(明治27年)創業とされる。一度会社をたたんだ後、1927年に再建された。69年にブラックモンブランは誕生した。

 菓子作りは小学生の時から好きだった。自宅で新商品を試作する祖父を見て育った。機械いじりが好きな4代目の父敏昭さんの影響で、工作にも関心を持った。テレビで見たロボットコンテストに憧れ、出場していた東京工業大(現東京科学大)に進学。米国で行われたコンテスト出場を果たした。

 家業を継ぐにも、すぐに帰郷しては「井の中の かわず になってしまう」。大学院を経て、東京の外資系コンサルティング会社に入り、4年間働いた。会社の同期だった雅崇さんとの結婚を機に佐賀に戻った。

 2011年に竹下製菓入社後は出産、育児をしながら、16年、社長に就任した。雅崇さんが副社長に就き、20年に埼玉県のアイスメーカー、22年には岡山市のパン製造会社を買収。売り上げは就任前の倍になった。

 経営を軌道に乗せ、販路拡大を目指そうとした矢先だった。24年1月、41歳だった雅崇さんがくも膜下出血で亡くなった。3か月後には闘病中だった会長の敏昭さんも86歳でこの世を去った。2人の仕事を引き継ぎ、悲しみが紛れるほど忙しく働いた。企画した人気アニメや有名菓子とのコラボ商品も完成させた。「うちから登場する商品は、きっと楽しくておいしい」。期待する人たちの思いを原動力に、歩みを続ける。

竹下真由(たけした・まゆ)
 1981年9月、佐賀市生まれ。佐賀県小城市に工場を構え、主力のブラックモンブランなどを1日15万本製造する。工場では「すぐに入れるように」と白衣姿で働き、グループ企業ではホテル経営も手がける。子どもは小中学生3人で、休日には一緒にケーキも作る。

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