花巻市長選18日告示 人口減でも「変化の芽」、新リーダーに託す
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花巻市長選が18日、告示(25日投開票)される。2006年1月に1市3町が合併し、新たな花巻市が誕生してから今年で20年を迎える中、3期12年を担った上田東一市長(71)は勇退する。新しいリーダーに市民は何を求めるか。市の現状を探った。(藤吉恭子)
駅の橋上化着工へ
今月の3連休初日のJR花巻駅。列車が到着すると、スーツケースを押す観光客が次々に改札口を出て、タクシーやバスに向かった。

昨年12月、市はJR東日本との間で工事実施に関する協定を締結し、長年の課題だった駅の橋上化が新年度の着工に向けて本格化した。市負担分の事業費は約42億円。2028年秋には、宮沢賢治の「羅須地人協会」をイメージした屋根の駅舎が完成し、東口と西口が自由通路で行き来できるようになる。
もう一つの懸案だった新花巻図書館の整備も基本・実施設計の優先交渉権者が決まり、30年度の開館を目指し、動き出した。
市の人口は20年前の約10万6000人から、現在は約8万9000人に減少した。市は16年、全国でも3番目の早さで立地適正化計画を策定。「居住誘導区域」と「都市機能誘導区域」を設定し、全体の人口は減っても一定の人口密度を保ったまちなかの維持を図っている。
空き店舗を活用
空き店舗を活用して民間活力による新たなビジネスを集積する「リノベーションまちづくり」では、中心部だけで個性的なカフェや美容サロンなど約50の店や事業所が誕生した。
24年に駅近くにオープンした古本屋「港」もその一つだ。元理髪店だった店内には約4000冊が並び、店主の村上巨樹さん(43)は「リノベーションは、創意工夫が試されるのが魅力。立地も良かった」とうなずく。店内にはミャンマー音楽研究家の顔を持つ店主の個性が垣間見え、ミャンマー関連の本や食品も置かれる。
市によると、中心部の1ヘクタールあたりの人口密度は15年の36・8人から21年は37人へ微増。24年の年代別人口動態では「14歳以下」と「30~39歳」の転入が転出を上回る社会増となるなど、子育て世帯で転入超過の傾向が確認された。
閉店依然続く
ただ、こうした変化も市民の間には実感が乏しいという。市役所に近い上町商店街では新店舗も点在するが、シャッターが目立ち歩く人の姿は少ない。商店街振興組合の岩舘伸次理事長(73)は「イベント時は人が集まるが、日常には続かない。後継者がいないなどで閉店もあって、店の数は減っている」とし、市政にはより一層の地域との連携を望む。
芽吹き始めた変化を今後どう育んでいくか。市民の選択にかかっている。
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市長選にはいずれも新人で、前県文化スポーツ部長の小原勝氏(61)、前市議の高橋修氏(55)、NPO法人代表理事の葛巻徹氏(48)の3人が無所属で立候補を表明している。立候補の届け出は午前8時半~午後5時、市役所本庁舎で受け付ける。昨年12月1日現在の選挙人名簿登録者数は7万7063人。




























