消費税減税、海外メディアから批判相次ぐ…財政悪化や国債・株・通貨のトリプル安懸念

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 【ロンドン=市川大輔、ブリュッセル=秋山洋成】8日投開票の衆院選で主要政党が公約に掲げる消費税減税を巡り、海外メディアが相次いで批判的に報じている。日本の社会保障費が膨らむ中で、巨額の税収を失って財政が悪化すると問題視する。英国で大規模減税を打ち出し、国債・株・通貨のトリプル安を招いた「トラスショック」になぞらえる論評も目立つ。

高市首相
高市首相

 「高市首相が食料品の消費税を一時的にゼロにする計画は間違いなく悪い考えで、露骨に政治的だ」

 米ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストは、自民党と日本維新の会が2年間限定で食料品を消費税の対象としないことについて検討を加速すると公約したのに対し、率直に非難した。食料品の消費税をゼロにすると、税収は年間約5兆円減るためだ。報道では「選挙対策」の意味合いを示唆した。

海外メディアの消費税減税に対する主張
海外メディアの消費税減税に対する主張

 同コラムニストは、日本が人工知能(AI)や半導体、防衛費に投資する必要性に迫られていると指摘し、「もし日本が5兆円もの余裕資金を持っているなら、一時的な政治的利益よりはるかに効果的に活用できる」と論じた。

 野党では、中道改革連合が「恒久的」に食料品の消費税ゼロを掲げる。国民民主党も条件付きで一律で10%から5%に引き下げると公約した。

 仏紙レゼコーは、日本の債務残高が国内総生産(GDP)の230%に膨らんでいることから、安定財源の一つとして消費税を維持する必要があると報じた。自民の公約通りに減税しても「GDPの押し上げは2年目にはおそらくゼロになる」と言及した。

 自民と維新は消費税の減税を「2年間限定」とするが、元に戻すときに実質的な増税だとして世論から反発されることが予想され、実際に戻せるかが危惧されている。レゼコーは「どの政権も食品への消費税を復活させる勇気はないだろう」との観測を伝えた。

 財政悪化への懸念から、長期金利の上昇を招いている。英紙フィナンシャル・タイムズは「金融市場は公約が国家財政を圧迫する可能性を懸念し、政府の長期借り入れコストの急騰を引き起こした」と指摘した。

 英国では2022年、当時のトラス首相が財源の裏付けがない大規模減税を打ち出し、国債・株・通貨のトリプル安「トラスショック」を招いた。ベルギー紙スタンダルトは「高市氏は『トラス氏の瞬間』を迎えている」との見方を示した。

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