菅首相が号令、期限ありきの標準化 いらだつ自治体、最初から無理筋

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東谷晃平 編集委員・若江雅子
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 費用は減るどころかむしろ増え、国民のデータは米国企業へ――。一見、長所のわかりにくい「システム標準化」と「ガバメントクラウド(ガバクラ)」の活用を国が進めている。なぜこんなことになったのか。

 札幌市から北東に約100キロ離れた北海道沼田町。人口2700人ほどのこの町が編成した2025年度の一般会計予算案は、過去20年で最大規模の65億円にふくらんだ。標準化システムへの移行経費として、約3億円を計上したためだ。

 移行後は、国が経費の3割減につながるとして推奨するガバクラでシステムを動かすことにした。すると、毎年の運用経費は数千万円、自前でやっていたときの倍以上かかることがわかった。横山茂町長は「この先ずっとかかる経費が大きいのは行政としては大変なこと。一般財源で運用経費を捻出するのは難しく、国の支援が前提だ」と話した。

 標準化によって、それまで自治体ごとにばらばらだった20業務のシステムの仕様が統一される。システムは約8割の自治体がガバクラ上で稼働させる。その費用が高いとの不満が渦巻く。

 北海道の別の自治体の担当者は「ガバクラで不要な機能がついて運用経費が4倍になった。うちのような自治体にはオーバースペックだ」と話す。小規模な自治体では使うことがない、データの大量処理能力などが余計だという。

ガバクラを使わない自治体も

 岩手県久慈市など4市町村から成る「久慈広域連合」は、介護保険システムの5年間の総コストが、ガバクラだと以前の倍近い約6千万円。別のクラウドと契約した。「北海道自治体情報システム協議会」も、コスト増に耐えられないとして、近隣の28自治体といっしょにデータセンターを共同利用する自治体クラウドを選択した。

 ある自治体の担当者は「経済合理性の観点から、中長期的にはガバクラを使わない自治体が増えるのでは」とみる。

 さらにここにきて自治体関係者をいらだたせるのが、衆院選の存在だ。

 関東のある自治体は、年末年…

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