U18が決勝進出した。オランダ戦で1敗したが、チームワークがよく、打線もつながった。これを聞いた徳光和夫はラジオで「メジャー、メジャーで伝えずに日本の野球をもっと伝えろよ」と言ったと言う。
徳光はトレバー・バウアーが日本野球を学ぼうと言う姿勢を示していることに対しても、
「つまり世界一の野球は日本ですから。世界第2位の国から来たバウアーとしましては、日本のプロ野球選手になったということだと思います」
と語った。
要するに、WBCで日本がアメリカを破ったから、日本野球は世界1位だ、もはやアメリカ、メジャーを抜いたと言いたいわけだ。

今U18を戦っている選手も、バウアーも、そしてWBCで活躍した侍ジャパンの選手も、さらには監督、コーチも「日本の方がアメリカよりも上だ」と思っている人は一人もいないだろう。

U18を戦っている高校生は、ほぼすべて「NPB入団」はステップであり、できることならMLBで活躍したいと言う夢を持っている。今年のU18が決勝まで行ったのは、「全員バントができるように」と言った馬淵監督の手腕というより、バット対策、相手投手対策などをしっかりやった「進化した高校生」によるところが大きいだろう。

MLBとNPBの総合力は、むしろここ20年で大きく開いている。経済格差が広がっただけでなく、セイバー系を端緒とするデータ野球の導入で、野球のレベルでも差がついている。NPBは、資質に富意識が高い一部の選手がMLBで通用しているだけで、全体のレベルアップのスピードはアメリカよりも遅いとみるべきだ。

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「精神の老化」とは、新しいことを知ること、学ぶことをやめることだと思う。自分が若いうちに見聞きしたことが「最高だった」と思い込み、それをまき散らすのは、言論人として最悪だ。

徳光は「今、自分が気持ちよくなるために」無責任で失礼なことを言っているわけだ。NPBの現役野球選手の多くは徳光が「日本がアメリカを抜いた」と吹聴するのを聞いて、不愉快に思っているだろう。自分たちがあこがれ、目標にしている「さらに大きなステージ」を貶められているわけだから。

徳光が尊敬してやまない長嶋茂雄も、そうは思っていない。

徳光に拍手を送る人は一定数いるだろうが、彼は間違ったことを言っている。「MLBの野球を真摯に学ぶ」今の野球人にとって、最も残念な発言だ。

街中を軍歌を流して駆け回る「右翼」が、世の中のためにならないのと同様、82歳の徳光和夫は野球界のためにはマイナスでしかない。


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先発全員奪三振達成投手/1994~2023