2025-08-22

さるお屋敷デイジーという美しい娘がおり、屋敷の主からはそれはもう猫のように可愛がられておりました。

どんなところにも妬み嫉みはあるものでして

デイジーを快く思わない女中たちが、主が大切にしている宝物をひとつ隠してしまます

10枚一揃えでこそ価値のある、螺鈿細工のひとつ

女中たちはデイジー粗相したのだと口々に叫びます

主の逆鱗に触れ、うちひしがれたデイジーはその夜井戸に身を投げててしまます

それからというもの、日が沈むたびお屋敷井戸からはなにかを数える声がこだまするといわれています

「1枚、2枚、3枚…」

しくしくと咽び泣くデイジーの声。

「6枚、7枚…」

「ところでデっつぁん今何刻だい?」

「8時を回ったところでさぁ」

「9枚、10枚…あぁこれでご主人様に顔向けできるわ…」

デイジーの魂は光に包まれ天に昇っていきました。

そのなかで9枚の宝物が白虹色の光を反射しています

赤赤とした左下の乳首だけは、いつまでもいつまでもそこにあり続けましたとさ…。

エピソードNo.6『ニプレス屋敷

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