ここ数年ずっと気になっている記憶がある。
もう20数年前のことで、詳細は覚えていないが、少し道を外れた藪の中、木の根元か何かで窪んだ凹みに頭蓋骨があった。
今となっては自分でも驚くが、そのときの私は「あぁ、人間の骨か」としか思わなかった。
当時小学校低学年。いわゆる限界集落と呼ばれる森の中の集落で暮らしていた私は、動物の死骸や骨なんて見飽きていたし、藪の中だし当然骨くらいあるよな、位にしか思っていなかった。
だから、その時のことは誰にも言わなかった。自分としては、いつもの出来事と地続きの何かでしかなかったから。
ただ、大人になって思い返せば、あんなところにポンと人骨があっていいはずはない。
あの集落で誰かが居なくなったなんて話は聞いたことがないから、おそらく外部の人なのだろうと思う。
あれは誰だったのか、1人事故にでもあったのか。はたまた何か事件に巻き込まれていたのか。
なにより、家族や友人に探されていたのか。
今更、真実はわからないが、あの時、大人に言っていれば、という悔いはある。