馬鹿な実験と飢えと脱水の苦しみ
時々、親しくしている有機無農薬農家の農場に行って農作業(教えてもらいながら手伝う。)をしています。しかし、梅雨が明けてからは猛暑でしばらく行っていませんでした。
先日、午前中は曇りの予報でしたし、実際に朝は曇っていたので、久しぶりに行ってみました。次いでに、午前中だけの半日で、汗などでどれだけ体重が減るのかも調べてみようと思いました。
夏場の午前中、知人の農場に自転車で往復して、農作業をして、どれだけ体重が減るかを、興味本位で調べてみようと思ったのです。
昨夜から何も食べていませんでしたが、そのまま飲まず食わずで、体重を測って出かけました。
15kmほどの道のりを自転車で農場に向かっているうちに、空の雲が引いて、太陽が照ってきました。天気予報って本当によく外れます。到着すると汗びっしょりになりました。

知人宅に到着する頃には、残念ながら、晴れて太陽が照りつけていました。早速、作業内容を指示して頂いて始めたら、直射日光が強くて日差しが痛く、空腹感と渇きで、2時間もしないうちに、辛くて作業を止めました。

もう止めて帰る旨を伝えましたら、当然のことながら「危険だから家に入って休んで水分を飲んで行って。」と言われました。しかし実験中なので、断って帰ってきました。馬鹿な事をしたものです。道は何箇所もアップダウンのある道で、長い坂は1kmくらい続きます。帰りは腹ペコな上に脱水症状も自覚して、直ぐにマズイと感じました。
暑さと飢えと脱水の苦しみが襲ってきました。自ら好きで試みた事でしたし、家に着いたら即、飲み食い出来るという希望があったので耐えられましたが、直ぐに飲み食い出来るという見通しがなかったら、本当に地獄だろうな・・・と自転車を漕ぎながら実感しました。
「人はパンのみで生きているのではない」と言われますが、自転車を漕ぎながら、飲み食いさえできれば、それだけで十分に幸せだ・・と痛感しました。
「パンのみで生きていない」人々が環境を破壊して、ドーピングのように化学肥料を使わせて、一時的に食料の生産性を上げて、無責任に人口爆発を助長しています。そして飢餓に苦しむ人が増えているという悪循環です。
世界中で飢えに苦しむ人は数億人もいて、どんどん増えているというやるせない事実があります。そして、食料自給率の極端に低い日本でも、遠くない将来に食糧不足が襲ってくる可能性はかなり高いでしょう。
この日の朝は、飲まず食わずで家を出たので、初めから体の水分は少なめだったのにも関わらず、体重が2kg以上も減っていました。十分に脱水症状になるなと思いました。馬鹿な試みでした。
私のように自ら断食・断水実験した場合や、ボクサーのように、自分の意思で激しいダイエットをしている人などは、その無謀な試みを止めれば済むことです。勝手にすれば良いでしょう。
しかし、食糧不足で飢餓に苦しむ多くの人々は、望まなくてもこの状態が続くのです。本当に辛いものだと実感しました。
世界の約十人に一人が飢餓で苦しんでいると言う事実を知らずに、若しくは無視して、飽食で、食べ物を粗末に扱って、平気で廃棄している多くの人々には、しっぺ返しが来るであろうと思いました。 そんな人々には、一時でも飢えの苦しみを体験して実感して欲しいものです。自国の、そして世界の逼迫した食糧事情をしっかり把握すべきですし、パン以外の贅沢を望み過ぎてはいけないことも痛感した体験でした。
余談です。東京オリンピックの国立競技場は、無観客にしてボランティアの人数が減ったのにも関わらず、注文のキャンセルもせずに大量の弁当を廃棄したということです。(キャンセル料を払えば済んだ話でしょう。・・TV 番組の『報道特集』でやったそうです。)今回のオリンピック組織委員会は本当に無責任で、まともに機能していない組織のようです。東京オリンピックでは、「食品ロスを減らすこと」も大切なテーマだったとの事です。自分のお金でなく、税金だから良いのでしょうか?大量の食品を無駄に廃棄しただけでも、オリンピックをやるべきでは無かったでしょう。こんな酷い事をしている日本には、近い将来食糧不足の飢餓がやってくることでしょう。



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