飲酒やタバコなどがんの原因。今回はそのガンに対して細菌が何らかの良し悪しの影響を与えている可能性があるというものです。アメリカのクリーブランドクリニック・タウシグがんセンターの研究チームは、大腸がん患者を対象に腸内細菌の調査を実施しました。

若年層の大腸がんに関連する腸内細菌の種類が特定される、内視鏡検査をしなくても大腸がんの兆候を検出できる可能性も - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20240316-gut-bacteria-linked-young-colorectal-cancer/

研究チームは患者から採取した大腸がん腫瘍とその周辺の非がん組織を分析しました。結果大腸がんの種類によって腫瘍に生息する腸内細菌が見つかり、その種類が異なることや若年層と中高年層では生息する腸内細菌の傾向が違うこともわかりました。

例えばアッケルマンシア属という腸内細菌のグループは若い患者に多く見られ、小さい腫瘍のまわりに生息していることがわかりました。この腸内細菌はそのがん腫瘍の成長を妨げている結果が得られているとのことが動物実験で明らかになっています。

今回の研究では50歳未満と50歳以上の患者にわけ調査を行っています。大きな違いは腫瘍組織は周辺組織よりも腸内細菌の種類が少ないこと、腸内細菌の多様性については年齢が高いほど激しく低くなっていることもわかりました。

現在特定の腸内細菌が大腸がんに良い影響・悪い影響を与えているのかはよく分かっていません。ただ、アルコールの摂取や高脂肪で食物繊維の不足した食事などが特に若年層の大腸がん発症している可能性が高いことは既に知られており、日頃からの腸内細菌との良い関わりが私達の健康をよくすることが伺える研究となりました。