レビ・チビタ(Levi-Civita)のイプシロンの別表現

レビ・チビタのイプシロンは次式で定義される。

【レビ・チビタのイプシロン】 整数$i,j,k$を$1 \le i, j, k \le 3$として、
$$\begin{aligned} \epsilon_{ i j k } := \begin{cases} 1 &( i , j , k) = (1,2,3), (2,3,1), (3,1,2) \\ -1 &( i , j , k) = (3,2,1), (2,1,3), (1,3,2) \\ 0 & \text{その他} \end{cases} \end{aligned}$$

この定義は場合分けが使われており若干扱いにくい。 場合分けを使わず、外積・内積も使用せず、より直接的な表現を模索したところ簡潔な式が得られた。

【レビ・チビタのイプシロンの別表現】 整数$i,j,k$を$1 \le i, j, k \le 3$として、
$$\begin{aligned} \epsilon_{ i j k } = \frac{(i-j)(j-k)(k-i)}{2} \end{aligned}$$

【検証】 全ての$i,j,k$について式が成立するかプログラムで検証する。プログラムはjavascriptでコードは以下の通り。

for (var i = 1; i <= 3; i++) {
  for (var j = 1; j <= 3; j++) {
    for (var k = 1; k <= 3; k++) {
      console.log(`ε_{${i}${j}${k}}=${epsilon(i, j, k)}`);
    }
  }
}

function epsilon(i, j, k) {
  return ((i - j) * (j - k) * (k - i)) / 2;
}

実行結果は

ε_{111}=0
ε_{112}=0
ε_{113}=0
ε_{121}=0
ε_{122}=0
ε_{123}=1
ε_{131}=0
ε_{132}=-1
ε_{133}=0
ε_{211}=0
ε_{212}=0
ε_{213}=-1
ε_{221}=0
ε_{222}=0
ε_{223}=0
ε_{231}=1
ε_{232}=0
ε_{233}=0
ε_{311}=0
ε_{312}=1
ε_{313}=0
ε_{321}=-1
ε_{322}=0
ε_{323}=0
ε_{331}=0
ε_{332}=0
ε_{333}=0

となり、別表現が正しいことが示された。