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孤独な天才の行く先は?~森博嗣『χの悲劇』

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森博嗣、Gシリーズ10作目『χ(カイ)の悲劇』読了。

 

χの悲劇 (講談社ノベルス)

χの悲劇 (講談社ノベルス)

 

 

実は最近惰性で読んでいて、そろそろ止めようか…と思っていたGシリーズ。
今作で大きな動きがあり、俄然面白くなってきました。

 

作品全体に隠し玉が仕込まれているから、つい全部読破したくなる森博嗣ワールド。

 

作品ごとのクオリティが高いS&Mシリーズが一番好きですが、真賀田という名前を聞いたら他シリーズもやっぱり読みたくなってしまいますよね。

 

あの夏、真賀田研究所でプログラマとして働いていた島田文子は幾つかの職を経て、香港を拠点とする会社で働いていた。人工知能に関するエキシビションの初日、島田は遠田長通という男に以前愛知で起きた飛行機事故について質問される。トラムという動く密室で起きた殺人事件。その背後で感じられる陰謀。静かだった島田の生活が大きく動き始める。

Gシリーズ転換点。後期三部作開幕!

 

本の後ろ書きはこんな感じ。

 

「すべてがFになる」に登場した島田文子さんが今回の主人公。

真賀田研究所が閉鎖になった後、さまざまな職場を転々としてきた彼女は香港の企業で高い地位にいる様子。

 

とあるイベントの最中、見知らぬ男に話しかけられた島田。彼はかつて愛知で起きた飛行機事故を知っているか、と彼女に問う。

しかしその男はトラムという路面電車の中で殺されてしまう。死んだ男の手にはχの文字が…。

 

何を書いてもネタバレになりそうなので説明が難しいのですが、香港、東京、他にも様々な都市が舞台になる所も面白かったです。

 

Gシリーズ未読の方でも「すべてがFになる」を読んでいれば登場人物はだいだい把握できるかと。
ただ最後のオチでうおお、と完璧に感嘆するためにはGシリーズを何作か読む必要があると思われます。

 私はこう来たか、と感嘆させられたラストでした。
何となく伏線は感じられたものの、そうかー、そういう訳か!とまんまと騙される快感。

 

後期三部作の第1弾、ということだったので今後の刊行が楽しみです。
次作はこの物語の先の話になるのか、それとも過去の時列系に戻るのか。

 

タイガで始まったばかりのWシリーズも気になってるんですが、読むのが追いつかない…。

  

彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ)

彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ)

 

 

こちらはタイトル通り、ウォーカロンが登場する未来を舞台にしたSF。

 最近始まったばかりの新シリーズなのに、もう3作目まで刊行されてるんですが、財布も時間も追いつきません森先生!

 

さてこの後、Gシリーズはどう転がって行くのでしょうか。

真賀田四季、萌絵はちょこちょこ登場しているので、犀川先生の活躍を期待したいものです…。

ではでは、今日はちょっと短いですがこの辺で。