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SONYの4K有機ELテレビ BRAVIA XRJ-65A80Kを買ってはいけない(とことん追い込んで性能を引き出す気がなければ)

BRAVIA XRJ-65A80K パーフェクトモード

前回のエントリにも書いた通り先日SONYの4K有機ELモデルBRAVIA XRJ-65A80Kを購入し、それから1ヶ月かけて満足いく状態まで持ってこれたのだが、この1ヶ月のことを考えるとおいそれとオススメはできないなと感じている。

もちろん性能は非常に高いのだが、それを引き出すには金と時間がどうしてもかかるし、予期せぬ事態も待ってるかもしれない。それでも購入を検討している、BRAVIAが気になるという人に向けてメリットデメリットを書いてみる。

 

メリット

  • とにかく映像がデカくてきれい

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もうこの一言に尽きる。デカくてきれいな画面は正義。長年30インチの液晶テレビと向き合ってきた身からするともう別次元で、テレビというかもう向こうに別世界が広がってるんじゃないかと錯覚することさえある。

ただ注意は必要で、地上波デジタル放送だとどうしても映像がぼやっとしてしまう。これは地上波の画素数が1440×1080しかなく、3840×2160の4Kテレビはそれをアップコンバートして表示してるから。とはいえBRAVIAのアップコンバート性能は他社に比べて優秀らしいし、画面から離れればそこまで気にならない。

本領を発揮するのはやはり4K配信映像や4K UHD再生時。『シン・エヴァンゲリオン』も『シン・ウルトラマン』も最高の画質で楽しめるのでその点は文句なしだ。

 

デメリット

  • 初期設定がめちゃくちゃ

はじめて映像を映した時に感じたのが「色味キツくない?」「動き変じゃない?」ってことで、正直けっこうがっかりした。設定項目を触りまくってようやく理解したのが、初期設定の画質モード「スタンダード」は全然スタンダードじゃないということだ。「ダイナミック」は問題外。誰に向けてこんな設定を用意したのだろうか。

1ヶ月付き合ってみて納得いったのが以下の設定だ。

 画質モード:シネマ
 色温度:エキスパート1
 モーションフロー:OFF
 シネマドライブ:OFF

他の項目は個人の好みにもよると思うが、この4点はマストで変えるべき。画質モードと色温度で適正な色味になり、モーションフローとシネマドライブを切ることで余計な映像補完がなくなる。映像に違和感がある方はぜひ試してみてもらいたい。

 

  • 音がしょぼい

買う前からわかっていたことではあるが、テレビ本体の音がしょぼい。改善できるだろうとサウンドバーHT-A5000を購入したがまだ音がこもり気味。サブウーファーSA-SW3を付けたらようやくマシになって、リアスピーカーSA-RS5で完璧になった。元々追加機器を買うつもりではあったが、とはいえいきなりかなりの出費に……。
サウンドバー1本買えば済むなどとは思ってはいけないと肝に銘じることにした。

 

設定も音も時間となんとかなるが、初期不良が一番痛かった。起こり得るというのはわかっていてもどこか他人事に考えていたのが、自分の身に振ってきてようやく実感した。本当にある。保証書は絶対に大事に保管すべき。

私の場合2つも初期不良に当たったので解決までにかなりの時間を要してしまったし、メーカーとのコミュニケーションストレスはかなりのものだった。これがあるからオススメできないと言っていい。

 

・初期不良①:センタースピーカー機能を使うとノイズが載る

BRAVIAはサウンドバーとBluetoothで接続するのだが、更に音声ケーブルを接続するとTV本体のスピーカーから声のみ出力できるという機能がある。これの不良でケーブル接続した途端に音声にノイズが載ってしまい、到底聞けるものではない音声になってしまった。同様の不具合は私以外でも発生しているようだ。

bbs.kakaku.com

こちらについては修理サポートの方を呼び、基板交換をしてもらって解決した。

 

・初期不良②:画面に黒い影が出る

BRAVIAの映像に概ね満足していたのだが、『ヱヴァンゲリヲンQ』の4K UHD再生時、冒頭のブースター点火のシーンで画面に黒い影が出て非常に気になる。同じ色味をPCのペイント機能で出力してみたところ、グレー(RGB100:90:100)で再現することがわかった。

この辺に黒い影が見える

これについてもやはり修理サポートの方にモニタを交換してもらったのだが、完全には解決しなかったので(別の位置にやはり影が出る)、結局別の新品と交換してもらうことになった。

モニタ交換後。左手の影は消えたが3本縦線が見える

新品交換後。影がない‼

モニタ製造元のLGが悪いのかSONYが悪いのか自分の運が悪いだけなのかわからないが、残念ながらBRAVIA…というか有機ELテレビ全般を信用できなくなってしまった。

なお新品と交換しても問題がないわけではなく、真っ白の画面だと輝度の違いがはっきりと出てしまい、中心と外縁で色味が変わってしまう。地上波放送を見ているとそういった画面が出ることは稀なのだが、ゲームや映画だとちょいちょい出くわすのでその度に気になってしまう。いずれ慣れるとは思うのだが……。

ポケモンスカーレット起動画面。中央は明るいが、画面端に行くほど暗くなってしまう

「有機ELは黒が得意だが白が苦手」と聞いたことはあったので、目で見てようやく仕様として理解することが出来た(納得はしてないが……)。

昨今台頭してきたMini LEDはもしかしたらこの点が解決しているのかもしれないので、将来買い替え時には検討してみたい(黒が青みがかると聞いて今回はスルーしてしまったが)。

www.sony.jp

 

まとめ

というわけで長々と書いたが、BRAVIA XRJ-65A80Kは良いところと悪いところがある。概ね金と時間をかければ解決するが、仕様上どうしようもないところもある。高価だから買えば全部揃ってる最上のもの、というわけではないので、もし買う場合はその点を考慮して買うべきだ(これはSONY製品に限らずだろうが)。

自分の親が買うと言ったら全力で止めるか、初期設定につきっきりになるしかないが、親世代が安心して買えるTVは今もあるのだろうか。こんな心配させないで欲しいので、TVメーカー各社は初期設定を改めてほしい。あとサウンドバーとサブウーファーはセット売りすべき。TV単体で買うもんじゃない。