yashiganiの英傑になるまで死ねない日記

週末はマスターバイクでハイラルを走り回ります

副業&リモートワークやってみた

photo by Paul Mayne

ひょんなことから,知人より「アプリ作ってくんない?」とオファーがあったので,しばらくほいほいとやってました. 副業というやつです. しかも,開発は基本リモートでっていうんで,ちょうど流行に乗っちゃったりしちゃった感じです. リモートワークは,Rebuild.fmでも話題になってたし,副業ってのもあんまりしてる人はいないと思うし,興味ある人はいると思うので体験談を共有しておきます.

背景

作ったもの

photo by Sean MacEntee

新しいサービスを始めたい,というのでそれのクライアントアプリを開発しました. アプリとは別にサーバのバックエンドも同時開発しましたが,そっちは別に担当する人がいました. 規模感は要件が決まっていれば,フルタイムだと1ヶ月くらいで完成させて,ブラッシュアップまでさせられるくらいの規模です. しかし,今回のプロジェクトではアイディアから詰めていったので,実際にはもっと時間がかかりました.

チーム

photo by spieri_sf

主にクライアントと仕様を調整したり,プロジェクトをリードしていく所謂プロジェクトマネージャがひとり,サーバサイド開発エンジニアがひとり,デザイナが2人(途中で交代した),最後にアプリ担当の自分の計5人(実質4人)チームでした. サーバサイドエンジニアだけは東京に住んでいて,あとのメンバーは関西圏でした. 全員がこのプロジェクトだけにコミットしているわけではなく,他にも仕事をしながらだったので時間が合うことはほぼ無かったです. チーム内のコミュニケーションは基本ChatWorkとBacklogで,少し込み入ったことは適宜SkypeやFace to Faceでやるといった感じです. チームはこのプロジェクトのために作られたチームでした(つまり練度が低い).

軽く背景が共有できたところで,副業/リモートワークはどうだったのか,ということをまとめていきます.

副業してみて

photo by Sheila in Moonducks

副業といえばまずフィードテイラーさんが思い浮かびます. フィードテイラーさんはiOSアプリ開発界隈では有名な会社で,色々おもしろい取り組みをされています. その中に「副業推奨」ってのがあります.

これに影響されて,前から自分もやってみようかなとか思ってました. 個人アプリ開発者として活動してみようと思っていたんですが,自分だけでやるとアプリのレベルまで洗練させるまでに飽きちゃうので,どうしても副業まで昇華させられていませんでした. 今回はたまたまオファーをもらえたので,ほいほい乗っかるだけで副業体験ができ,大変良い機会になりました.

メリットだと感じたこと

当然だけど副業するとそのぶん収入が増えます. 個人アプリ開発者とかだと収入を予想できないぶん,リスクがどうしても上がりますが,受託開発だとそれがありません. 反面,営業活動しないと仕事が無いというそもそも論はあります. (今回はオファーを頂いて,という感じだったのでその辺はすっ飛ばしてメリットだけ残ったという感じです.)

収入が増えるってのは別に本業一本でも実現できます. しかし,本業以外の柱ができることを経験すると,文字通り自分の力だけで収入が得られていますので,給料もらってるから生活できてる,みたいな感覚が薄れます. これは「会社と自分が対等な立場である」という意識を守る上ですごくよいと思いました.

また,副業は自分を試すチャンスとして捉えることもできます. エンジニアとして自分の力量や市場価値を測る良い機会になると感じました.

デメリット(つらい)と感じたこと

フルタイムで別の仕事を持っていると当然ですが,常にオーバーワーク気味になります. 普段から朝に活動していたので,その時間や通勤時間(結構まとまった時間がある)を使えば結構な時間が稼げると思っていたんですが,甘かったです. どうしても作業時間が細切れになるので,コンスタントに3h/dayくらい作業時間を確保しないといいペースが出ませんでした. となると,本業の残業と重なって体力的にしんどかったり,副業によって今まで好きなことをしていた時間が削られたので,それがストレスになることもありました.

また,隙間時間で作業するようになると,精神的スイッチの切り替えが難しくなります. 本業以外の時間が全て副業の時間みたいな精神状態になってしまって,落ち着けるヒマが無くなりました. これは自分のマネジメントが悪かったなあと思います. (慣れたらスムーズにスイッチできるようになるのかもしれない.) たぶん「副業」という括りの問題ではなく,フリーでやってる人とかだと既にぶつかってる問題なんでしょうが,本業を別に持っていると顕在化しやすいと思います.


リモートワークしてみて

photo by Balaji.B

前述のとおり,リモートワークは@さんのRebuild.fmでも度々取り上げられていて,最近よく話題になります. 以前受託開発を担当していたときには,拠点が東京と大阪に分かれていたので,リモートでの共同作業を経験をしたことはありました. ただし,そのときはメンバーが完全にリモートというわけでなく,チームが分断されているという状態だったので,必要なのはチーム間のコミュニケーションでした. また,同期的に作業していたということが今回のプロジェクトとの大きな違いでした.

メリット

好きな時間に好きなところで好きなだけ働けます. 副業だと,空き時間がプラスアルファの収入に変わるので,コスト意識が変わります. それだけで時間のマネジメントについて考えるようになりました. だらだらインターネットするにも,「そうする」と決めているのと「たまたま」そうなるのでは,時間の使い方という観点からは大きく意味が異なります. 前者はリフレッシュになりますが,後者は浪費しているだけです. ヒマを潰すにも「今しかできないこと」と「いつでもできること」のどちらを選ぶのか,なぜその選択をするのかという意識をするようになり,有意義な時間の使い方ができるようになった気がします.

デメリット

非同期的なコミュニケーションでは小さいストレスがたまりがちです. リモートなんで密なコミュニケーションが必要なんですが,ストレスがたまりすぎると一気にコミュニケーションとりたくなくなるのが問題だと感じました. その状態になると,普段は受け入れられること(変なインデントが残ってるとかそういう瑣末なこと)が許容できなくなったりして,仲間に対する猜疑心がたまりまくります.

そうなると,チーム/プロジェクトへの貢献どころか,生活に支障をきたすレベルに精神を病んでしまって最悪の状態になります. 同期的な手段(Skypeとか)に切り替えると途端に解決したりするので,やばいなと思ったら同期的コミュニケーションを求めるように心がけたりして回復するようにしました.

これに関しては,最初に空気感を共有できていると,問題ある状態になるまでの猶予が長くなるのかもしれません. 「はい,リモートワークどうぞー」と投げっぱなすのではなく,共同作業したことのあるメンバーを中心にするとか,最初の数日は一箇所に集まって作業するようにするとか少しでもチームの練度を上げてからスタートできるほうがいいと感じました. とにかく,今回の体験を通して「リモートワークができる状態」というのは,チームの成熟度が高い状態なのではないかと強く感じました.

まとめ

photo by JD Hancock

個人の感想レベルですが,副業とリモートワークについて書きました.

おそらく別のプロジェクトだと全然違う経験になるんでしょうが,概ね良い経験だったと言えます. しかし,普段から現場でバリバリ開発しているのに,同じことを副業にするのはまあまあしんどいな,と思いました. それでも,副業という働き方は「エンジニアにとって良い影響がある」のではないか,ということも同時に感じました.

普段特定の組織に閉じてエンジニアリング活動をしていると,どうしても自分のスキルが市場で通用するのか気になることがあります. いつもと違う環境で仕事をするのはかなりしんどいですが,良い刺激を得られますし,仕事へのフィードバックもあります. 興味があってチャンスもあるなら,挑戦してみるのがオススメできます.

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」

雑談

こちらのエントリを参考にflickr貼り付け機能を使ってみたのですが,無駄に意識の高まりを演出できました.

オススメです!