あえてお気に入りを整理するということ〜情報過多になる前に

はてブのお気に入り機能をめぐって、熱い議論が繰り広げられているようである。
この機会に、自分自身はてブのお気に入り機能をどう使ってきたか、経験に即して書き留めておきたい。

安心感を得るために「大旦那」をお気に入りに入れる

はてブを始めて間もない頃は、お気に入りの機能をどう使ったらいいか皆目見当もつかず、ひとまず有名どころのユーザを登録しておけばいいかと思ってはてブ界では名の通ったユーザ、いわゆる「大旦那」をとにかくお気に入りに放り込んだものだった。
しばらくは「ああ、この人はこういう情報に興味があるのか」と興味津々だったものの、ある時点からマウスのホイールを退屈に回している時間が増えていくことを虚しく感じ始めた。そのユーザを自分がお気に入りに入れたトリガーは単に「はてブ界で大手」であることだけ。自分の興味とどの程度シンクロするかまで計算などしていななかったし、実際大旦那が自分の求めている情報をいつも拾ってきてくれるわけでもなかった。
また大旦那はブックマークする数も他のユーザに比べて桁違いに多い。ネット断ちを数日間したら最後、ブックマークをチェックすることもままならず消化不良で追うのを諦めたこともあった。
結局、そのユーザをブックマークを通してウオッチしたいのか、そのユーザがブックマークする記事を参考にしたいのか、わからなくなってしまったのだ。

大旦那をお気に入りに入れる動機には「見栄」もあるのではないだろうか

はてブユーザの悲哀を面白おかしく綴ったこの記事を読んでいて僕自身身につまされるところがあったのだけど、いわゆる大旦那をお気に入りに入れる動機には、「ファッション性」を自分のブックマークに持たせたい、悪く言えば見栄を張りたいとの思いが少なからずあるんじゃないかと思った。
たとえば、はてブの産みの親であるnaoyaさんのブックマークを抑えておくことは、ある意味では「常識の範疇」なのだろう。しかし僕のようにプログラミングとは縁のないごく一般のネットユーザが、naoyaさんのブックマークをコメントを含めて意味を理解するのは、はっきりいって難しい。
naoyaさんが普段何を考えているかを知りたければnaoyaの日記ã‚„naoyaのはてなダイアリーを読んだ方が、アウトプットが整理されている点ではよほど有用だろう。冷静に考えてみれば、自分にとってnaoyaさんのブックマークは関心の分野が明らかに違う。

あえて大旦那から距離を置く選択肢もあるかもしれない

単純に考えれば、数百人がお気に入りに登録している「大旦那」は、数百人のブックマーク行動に影響を与えうる存在ともいえる。
大旦那のブックマークした記事で、たとえばプログラマーでなくても理解できそうな汎用的な情報は、その他大勢のユーザがフィルタしてホッテントリに仕立て上げてくれる可能性は高い。
逆説的に考えれば、多くのユーザにお気に入りに登録されているからこそ、大旦那をお気に入りから外してもよい、と考えれば、少しは楽になれないだろうか。
無理して背伸びしてまで、自分が数百人いるうちの一人になる必要は、必ずしもないのではないだろうか。

自分にとって有用なお気に入りって、何だろう。

じゃあ、どんなユーザならしっくりと馴染むのだろうか。自分の場合だと下記のような感じだろうか。

  • ブックマークする頻度がそれほどなくても、時折目の覚めるような記事をブックマークしてくれるユーザ…自分の趣味(山登りや鉄道)に関係するユーザに多い気がする。
  • コメントを含めて味わい深く、ブックマークそのものがコンテンツになっているユーザ…こうしたユーザのコメントを読めることがはてブの大きな魅力だとも思う。
  • 「自分自身興味はあるけど、弱い」分野の情報をブックマークしてくれるユーザ…いつもありがとう、の気持ちを込めてリンク先をクリックしている。
  • 鮮度の高い情報をブックマークしてくれるユーザ…どこからこんなネタを拾ってくるのか感心してばかり。この分野のユーザを選ぶのに一番試行錯誤して、いまではだいぶ落ち着いた。

お気に入りを選ぶことに関して、過去に書いた記事

結局有名なユーザよりも自分にとって役に立つユーザを見つけるのがはてブを長く使い続けるコツみたいなものなんだろうか、と落ち着きそうなんだけど、はてブにどっぷり浸かっていない限りアンテナを高く張り続けるのはなかなか難しいんじゃないかと思う。
お気に入りユーザをサジェストしてくれるサービスも上手く使いつつ、どうすれば自分の求めているお気に入りに出会えるのだろうか、これまで書いた記事を振り返ってみた。

はてブのお気に入りを鍛えるということ
4月の記事。同じ分野のユーザが被るのはあまりよくない、と書きました。
はてブの海を泳ぐ奥義〜羽生善治氏のインタビューから
6月の記事。はてブを使いこなすにはお気に入りがキモになるのではないかと、羽生善治氏のインタビューを真似て書きました。
はてブお気に入りホイホイを仕掛けてみよう〜はてブ+RSSリーダーで同好の士を探そう
7月の記事。自分にとって有用なお気に入りユーザをどうやって見つければいいか、RSSリーダーとタグを使った方法を考えてみました。