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【漫画】「復讐チャンネル ウラミン~公開処刑ナマ配信中~(分冊版) (1)」彼女の復讐の正当性が明らかになるか?

※当然のことながらネタバレを含むので、未読の場合には閲覧に注意されたい

 

 

確かだいぶ前にWebコミックのサイトで見たのが初見だった気がする。

 

よくある「復讐モノ」に見えるのだけど、復讐する側が無敵の超有能タイプというわけではないあたり、ちょっと独自の要素があったり。

 

ざっくりしたあらすじとしては…

 

一部の界隈で有名なバーチャルアイドル「うらみん(吉浦みのり、以下「うらみん」)」が主人公。動画サイトでチャンネル登録者300万人を持つ、まぁ現代風にいえばVtuberみたいなものだろうか。300万人という多数の登録者だが、チャンネルの「うらみんTV」の登録は認可制で、うらみんが認可しなければ見られない。

 

そんな「うらみんTV」の動画内容は…

 

1巻で取り上げられたのは、連続女子わいせつ事件の容疑者で、女児にたいするわいせつ行為をしようとしていたところを「うらみんTV」の協力者によってリンチされ、「うらみんTV」の動画のネタにされ晒し上げられたというわけだ。

 

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「うらみん」がこのような動画配信活動をしている原因と思われるのが、冒頭と末尾に描かれているうらみんの小学生時代の記憶。

 

小学5年の授業中、うらみんは授業中に腹痛に襲われ、大便を漏らしてしまう。

 

担任の男性教師は本来はすぐにフォローするべきだったのだろうが、先に他の児童たちが気づいたため、教室中の児童がうらみんの失禁を知るところとなってしまった。

 

さらに悪いことに、汚れた下着を着替えさせるためトイレに連れて行った担任は、うらみんの着替え姿を盗撮するという外道だった。

 

これをきっかけに、他の児童はうらみんをいじめるようになったようだ。

 

8年後、1巻で取り上げられた連続女子わいせつ事件の容疑者…つまり今回うらみんTVで襲撃された男は、このときの担任「望月」であったという寸法だ。

 

うらみんとしては、望月への復讐は完了したかに思えるのだが、モノローグでは「晒し上げられるのはこれから」と語っている。

 

また、1巻の最後では、「吉浦みのり(うらみん)を地獄のどん底に突き落とした張本人」とモノローグのある「竹宮京香」という人物をチャンネル登録希望者のリストから発見する。

 

ここで1巻は終わりとなる。

 

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…のだが。

 

 

まぁ分冊版なので、1巻あたりのボリュームが少なく、ストーリー的に明らかになる部分が少ないというのはやむを得ないところだろう。

 

とはいえ前提として、小学生ぐらいだと(まぁ高学年ともなるとあまりいないが)授業中に小であれ大であれ、おもらししちゃう子どもってそこまで珍しいもんでもないよなぁ、と思ったり。

 

もちろんそれが本人にとって一生モノのトラウマとなることは間違いないだろう。特に、小学生ぐらいだと他の児童も、フォローに回るよりそれを理由としていじめる側に回るほうが多いものかもしれない。

 

…まぁそれはちょっと本題から逸れるんだけど、ここまでのエピソードが完全に「私怨」であるということ。

 

タイトルが「復讐チャンネル」なのだから、私怨であることそのものはおかしくはないんだけど、この私怨に果たして300万人ものチャンネル登録者数が集まるだろうか?

 

他人の復讐、それも有名人でもなんでもない相手への制裁って、そんなに多くの人が興味を持つものだろうか?

 

望月の場合には女性への犯罪があるから、社会正義という観点から興味を持つ人がいるかもしれないが、その実現方法がリンチして動画を晒し上げるという方法だとすれば、そういう倫理的な視聴者はこれを支持しないような気がする。

 

あくまで私的な暴力を是とし、私怨からの復讐を面白がって見る層というのは、むしろ「うらみんをいじめていた側」のクラスタに近いんじゃないのかなと思ったりした。ちょっとちぐはぐ感が…というのはフィクションに対して細かすぎるだろうか?

 

授業中の失態はまぁ、トラウマはトラウマだし黒歴史は黒歴史でいいんだけど、8年もの歳月をかけてそれに対しての復讐をしようという正当性が、2巻以降で明らかになればもっとのめりこめるかもしれないなぁと思った1巻だった。

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