合同会社に税理士は必要?顧問をつけるメリットや費用相場をご紹介します
(監修:AAG新井綜合会計事務所 新井佑介 税理士)
合同会社でも税理士が必要なのか、悩まれている方もいるのではないでしょうか?設立当初は資金繰りの関係もあり、税理士費用などの出費を避けたいと思われることもあるでしょう。
実際には、合同会社も顧問税理士をつけることで、経営が円滑に行われるなどさまざまなメリットがあります。そこで税理士と顧問契約をするとどのようなメリットがあるか、費用についても解説します。
目次
合同会社に顧問税理士は必要。その理由は

結論としては、合同会社も株式会社も基本的な会計処理や税務処理は同じなので、できれば税理士と顧問契約を結ぶことをおすすめします。
費用負担がネックに思われがちですが、顧問契約をして税理士に税務会計業務を依頼することで、費用対効果を考えるとメリットのほうが上回るケースも多いのです。
合同会社が顧問税理士をつける4つのメリットとは?
税理士と顧問契約することで得られるメリットは、主に以下の4つです。
- 日々の税務会計業務から解放される
- 決算申告のミスを回避できる
- 適切な節税対策ができる
- 資金調達のサポートが受けられる
ではそれぞれについて詳しくみていきましょう。
日々の税務会計業務から解放される
税理士と顧問契約を結んでおけば、日々の記帳代行など、会社の税務会計業務そのものを依頼することができます。
また、合同会社は株式会社と同じく、決算日の翌日から2か月以内に「法人税、法人住民税、法人事業税」などの税金について申告と納税が必要です。
決算書は会計ソフトで作成できますが、法人税等の確定申告書は会計ソフトでは対応していないケースもあるなど、個人事業主の確定申告と比べて作業量が多く煩雑になります。
その点、顧問税理士をつけておけば、経営者が本業以外の業務に時間を割く必要がなくなるので、円滑な事業運営に向けた大きなアドバンテージになるでしょう。
決算申告のミスを回避できる
決算申告や納税は、原則として法定期限までに行わなければなりません。
期限を過ぎてしまったり、申告内容に間違いがあったりしてしまうと、延滞税や加算税が課せられる可能性もあります。
その点、税務の専門家である税理士に依頼することで、決算申告をミスなく期限通りに行うことができます。
また、万が一税務調査が入ったとしても、顧問税理士が窓口となって対応してくれるので安心です。
- 法人税の申告期限はいつ?決算申告が間に合わなかったときのデメリットとは
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適切な節税対策ができる
顧問税理士は顧問先の経営状態や税務状況を常に把握しています。
そのため、節税対策についても自社の状況に応じた効果的なアドバイスが期待できます。
顧問期間が長くなればなるほど、会社の利益の流れや傾向を税理士自身が把握でき、先を予測して対策が打てるようになるので、事業を運営していくうえで顧問税理士との信頼関係はとても大切です。
資金調達のサポートが受けられる
まとまった資金が必要なときには、助成金の申請や融資を検討することもあるでしょう。
その際、顧問税理士がいれば手続きのサポートを受けられるほか、付き合いのある金融機関を紹介してもらうこともできます。
資金調達の支援を税理士に依頼した場合、通常は着手金が必要だったり成功報酬が発生しますが、顧問契約があればそれらが顧問料に含まれるケースも多いです。
合同会社でも顧問税理士が不要なケース
合同会社を設立する人の中には、事業目的ではなく自身の資産管理会社としての目的で設立する方も多いようです。
そのような方のうち、税務や経理を自前で行える方であれば、必ずしも顧問税理士がいなくてもよいでしょう。継続的な顧問契約ではなく、決算や確定申告だけを依頼するという方法もあります。
顧問契約の報酬相場
税理士に支払う顧問料の金額は、法人の規模や売上高、依頼する業務の種類等によって決まるのが一般的です。
たとえば、売上1000万〜3000万円未満の小規模企業の場合、「顧問料:月額2〜3万円、決算料:12万円〜程度」が相場となります。
税理士をつけるタイミングは「合同会社設立時」がベスト
税理士をつけるタイミングはさまざまですが、たとえば、設立時に顧問契約することで、会社設立にかかる手数料や初年度にかかる顧問報酬を優遇してくれる税理士事務所もあります。
一方、決算申告の直前のタイミングだと税理士報酬が割高になったり、そもそも依頼できる税理士を探すのが難しいという可能性があります。
そのため、さまざまな面でメリットがある「会社設立時」が、税理士と顧問契約を結ぶベストタイミングといえるでしょう。
失敗しない顧問税理士の選び方
前述したとおり、会社設立時は顧問税理士を雇う絶好のタイミングですが、どんな税理士でも大丈夫、というわけではありません。
顧問税理士を選ぶ際は以下のポイントを抑えておきましょう。
創業支援に長けている
創業支援に強い税理士であれば、当面の資金繰りなど、創業期ならではの困りごとについて的確なアドバイスを受けることが期待できます。
また、会社を設立すると、原則として社会保険へ加入しなくてはなりませんが、創業支援を得意とする税理士は社会保険労務士と提携しているケースも多く、そのような労務関係の手続きもサポートしてくれます。
業種に関する専門知識がある
業種によって税務会計にも特徴があります。
そのため、これから設立する合同会社の事業について、専門知識がある税理士に依頼することも重要なポイントです。
※業種別の税理士選びについては、下記のリンク先で詳しく解説しています
飲食店|運送業|教育・学習支援業|小売業|建設業|製造業|農業|宿泊業|IT関連|不動産|美容関連|病院・クリニック|
税理士との相性も重視する
顧問税理士とは長く付き合うことになるため、自身との相性も考慮して選びましょう。
レスポンスが悪い、コミュニケーションが取りづらい、といったようではせっかく顧問契約を結んでも費用対効果を得られません。
そのため、複数の税理士と面談をしてみて、金額はもちろんのこと、自分と相性がよさそうかなども確認することをおすすめします。
税理士選びでお悩みの方へ
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また、予算が気になる場合は<税理士の費用・料金相場>を参考に、おおよその料金を把握しておくとよいでしょう。
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※ゼネラルリサーチ調べ