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相続に強い税理士の選び方

相続に強い税理士の選び方は?5つのチェックポイントや注意点を解説

(監修:税理士法人シグマパートナーズ 堀内 太郎 税理士)

はじめて相続税申告を税理士にお願いする際には、「どんな税理士を選べばいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか?

結論から言うと、相続税申告の際は「相続に強い税理士」に依頼しなければ、申告内容が適切でなかったり、トータルで費用が高くなってしまうことがあるので注意が必要です。

そこで、相続に強い税理士を選ぶための5つの見極めポイントや、気になる費用についてご紹介します。

目次

相続に強い税理士の選び方・5つの見極めポイント

相続に強い税理士を選ぶときには、以下の5つのポイントをおさえておく必要があります。

  1. 相続税の対応実績が豊富か
  2. 依頼できる業務範囲が幅広いか
  3. 書面添付制度を利用できるか
  4. 報酬金額が適切か
  5. 自身との相性も考慮する

point1 相続税の対応実績が豊富か

最も大切なのは、相続税申告の対応実績が豊富な税理士に依頼することです。

具体的には月に5件程度、年間で50〜60件以上の申告を継続して行っていれば十分な実績があるといえます。

ただし税理士事務所全体で年間数十件請け負っていたとしても、それが20人の税理士が所属する事務所か、1人しかいない事務所なのかで経験値は大きく異なります。そのため一人あたりの申告件数に着目することも大事です。

相続税の申告実績が豊富な税理士は、料金体系をホームページ上で細かく明示しているケースも多いので、目安のひとつとなるでしょう。

point2 依頼できる業務範囲が幅広いか

業務を依頼することになった場合に、以下の業務のうちどこまでの範囲を請け負ってくれるのかを確認しましょう。

  • 財産の評価額算定
  • 遺産分割スキームの構築
  • 特例制度活用の考察
  • 相続税申告書の作成
  • 書面添付制度の対応
  • 税務調査対応

依頼したあとに範囲外である業務が発生し、加算報酬が発生するということもあります。最初に取った見積りより最終的な請求金額が大幅に高くなってしまった、というトラブルを防ぐために、依頼する際には事前に業務範囲を確認しておくことが重要です。

point3 書面添付制度を利用できるか

「書面添付制度」とは、税理士が作成した相続税申告書に「どんなことを調査したのかについて記載した書面」を添付する制度です。

簡単にいえば、内容が正しいことを示した「保証書」をつけて申告するというイメージです。

これにより、「税理士が税務当局の調査目線で被相続人の財産を厳しく精査し、相続税申告を行ったこと」を示すため、税務調査の対象となる可能性が格段に低くなることが期待できます。

point4 報酬金額が適切か

一般的に相続税申告における税理士の基本報酬は、相続財産の0.5%から1%程度の金額が相場です。

税理士報酬は安いほどありがたいですが、安さだけで決めてしまうと、「使えるはずの特例を適用せず、相続税が高くなってしまった」「申告内容にミスがあった」など、最終的にコストが高くなってしまうということにもなりかねません。

一方で多少報酬が高額であっても、相続に強い税理士であれば、支払う報酬額以上の節税効果によってトータルで安く済むこともあります

そのため、税理士報酬の金額だけで安いかどうかを判断しないようにしましょう。

相続税の申告期限まで余裕があるのであれば、複数人の税理士に見積もりをとって比較検討することをおすすめします。

point5 自身との相性も考慮する

税理士選びでは、相続税申告に限らず、税理士と自身との相性も重要なポイントです。

相続税申告となると、遺産や親族の内情などのデリケートな話題を税理士に伝えることもあります。

そのため可能であれば実際に会ってみて、「この税理士なら信頼できる」と思えるかどうかを確認するほうが望ましいでしょう。

相続に強い税理士を選ぶ必要があるのはなぜ?

なぜ相続税申告では、相続税に強い税理士を選ぶ必要があるのでしょうか?

実は、相続税申告を依頼する税理士によって、相続税の納税額に数百万円〜数千万円もの差が生じることもあり得るのです。

というのも、「相続税法」は税理士試験において必修科目ではないため、相続税について深い専門知識を持たない税理士もいるからです。

そこで「相続税に強い税理士」を選ぶことが重要となってくるのです。

依頼した税理士が、決算業務や法人税申告などが専門で、あまり相続に強くなかった場合、本来適用できる特例制度を見落としてしまったり、不動産の評価額を高く算出してしまうということも起こり得ます。

医者に専門分野があるように、税理士にも専門分野や得意分野があるということを覚えておくとよいでしょう。

相続の相談を税理士にすべきケース

相続が発生した際でも、必ずしも税理士に依頼する必要はありません。ただし、以下のようなケースに該当する場合は、税理士に相談するといいでしょう。

  1. 相続財産が基礎控除額(3,000万円+法定相続人の人数✕600万円)を超えている
  2. 相続人が複数人いる
  3. 相続財産に土地や非上場株式が含まれる

相続に強い税理士に依頼する3つのメリット

相続に強い税理士に依頼すると、主に次のようなメリットがあります。

適正に節税ができる

相続税申告では、「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減」など、適用できる特例制度を見落としてしまうと、納税額が大きく増加する可能性があります。

また、「非上場株式や土地が相続財産に含まれている」場合も、評価額の算出の仕方によって納税額が左右されます。

とくに土地は、形状によって評価額が大きく変動しうる財産です。たとえば「線路沿いや傾斜地に位置している」「いびつな形(不整形地)である」といった土地は、減額の対象となります。

相続に詳しい税理士であれば、これらを踏まえたうえで正しく評価額の算出を行うことができ、適切に節税することができます。

二次相続の相談ができる

二次相続」とは、被相続人の相続人が亡くなったときの相続のことをいいます。 たとえば父親が亡くなり、母親と子どもで相続する、これが「一次相続」です。その後母親が亡くなり子どもが相続する、これが「二次相続」です。

一次相続での相続税を安くすることだけにとらわれてしまうと、将来起こる二次相続での相続税の負担が大きくなり、トータルで納税額が増えてしまうリスクがあります。

相続に強い税理士であれば、二次相続を踏まえた総合的なアドバイスを受けることができます。

税務調査に対応できる

相続税申告は、5人に1人程度の割合で税務調査が実施されるといわれています。

その点、相続に詳しい税理士であれば、申告の正確性が保たれるため税務調査が来る確率が下がるのはもちろん、万が一税務調査が来た際にも対応をまかせられるので安心です。

相続税の税理士費用はどのくらい?

「相続税に強い税理士は費用も高いのでは?」と思う方もいるかもしれません。では実際どれだけ費用がかかるのでしょうか?

前述のとおり、​​相続税申告における税理士の基本報酬は、相続財産の0.5%から1%程度の金額が相場です。ただし、相続税の計算が複雑になる場合は、基本報酬に「加算(追加)報酬」が上乗せされることもあるため、実際の費用はケースバイケースとなります。

税理士ドットコムでは、相続税申告を依頼できる税理士をお探しの方からのご相談も多くお受けしています。

ご相談の一例として、埼玉県にお住まいで相続財産4000〜5000万円の方のケースでは、税理士報酬は約41万円でのご契約となっています。

そのほかの実例や税理士報酬については、以下のページで詳しく解説しているので参考にしてください。

相続に強い税理士を探すには?

相続について相談できる税理士を探すには、まずはインターネットで検索してみるとよいでしょう。

税理士ドットコムの<税理士検索>ページでは、エリアごとに税理士を絞り込み、得意分野や料金事例などで比較検討することができます

そのほか、知り合いに紹介してもらったり、税理士紹介サービスを利用したりという方法もありますが、いずれにせよベストな税理士を選べるよう、上記のポイントをおさえておきましょう。

税理士への相談はなるべく早い段階で

相続税の申告期限は「相続が発生したことを知った日の翌日から10か月以内」です。

期限を過ぎてしまうと延滞税や加算税が課せられ、税負担軽減のための各種特例も使えなくなってしまう恐れがあります。

そのため税理士への相談はなるべく早いタイミングが望ましいでしょう。

そのほかにも相続税については以下のように手続きごとに期限が設けられています。

相続放棄 3か月以内
限定承認 3か月以内
準確定申告 4か月以内
遺留分侵害額請求 1年以内
相続税の特例適用のための分割期限 3年10か月以内
還付申告 申告後5年以内

ですので、四十九日法要が終わったころであれば気持ちも少し落ち着いているでしょうし、上記の期日のすべてに十分に間に合わせることができるため、税理士を探すにはちょうど良いタイミングかもしれません。

税理士選びでお悩みの方へ

相続税申告は税理士選びがとても重要です。

税理士の探し方はさまざまですが、「相続について相談できる税理士を探している」など税理士選びでお困りの方は、税理士ドットコムの<税理士紹介サービス>までお問い合わせください。経験・実績豊富なコーディネーターがご要望に合う税理士をご提案します。

また、予算が気になる場合は<税理士の費用・料金相場>を参考に、おおよその料金を把握しておくとよいでしょう。

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