税務調査にかかる税理士費用はいくら?実際のケースをもとに相場を解説
税務調査を行う調査官は、その道のプロです。何かあった際に、税務の素人である私たちが1人で対応するのはなかなか難しいでしょう。
やはり、税務調査の際には、同じく税務のプロである「税理士」に立会いを依頼するのが安心ですが、その際の費用は気になるところです。
そこでこのページでは、一般的な税理士費用の相場はもちろん、税理士ドットコムを利用し税理士と契約されたお客様の実際の料金例を紹介します。
目次
税務調査にかかる税理士費用の相場は?
税務調査にかかる税理士費用は、主に調査前の必要書類の確認や書類の不備の指摘・是正などの「事前準備」、調査当日に税務職員から質疑応答に対応する「税務調査の立会い」が挙げられます。
「事前準備」として、税務調査前に書類の準備をしたり、税務相談した場合は、3万円〜5万円程度の費用がかかります。
「税務調査の立会い」は、「税理士が調査に立ち会った日数分だけ、日当として発生するケース」または「立ち会った時間で算出するケース」のどちらかで算出されます。
税務調査は1日がかりになることが多いため、日当制を採用している事務所のほうが多く、「1日3〜5万円 ✕ 調査日数」が報酬の相場となります。つまり、調査が長引けば、それだけ支払う報酬も増えていきます。
なお、税務調査後に修正申告が必要になった場合には、修正申告の分として申告料も追加で発生します。
その際の税理士費用は、修正の内容や量にもよりますが、10万円〜20万円ほどが追加でかかるケースが多くなっています。
費用の実例を紹介!税務調査対応を税理士に依頼したお客様例
税理士ドットコムの「税理士紹介サービス」では、税務調査の対応を税理士に依頼したい方々からのお問い合わせも多く頂いています。
その中から、実際に寄せられたご相談内容と税理士費用の実例をご紹介します。
case1 ブリーダーのYさん(東京都)
2週間後に控えた税務調査に向けて、税理士に対応を依頼したいというお客様からのご相談です。
税理士ドットコムが紹介したA税理士事務所と面談を実施したところ、「非常に良い人柄という印象を受けた」とのことで、対応を依頼することをお決めになりました。
その後、調査自体は1日で終えられましたが、修正申告が必要となったようです。かかった税理士費用は、「事前準備+当日の立会い」でおよそ5万円、「修正申告」の申告書作成で10万円の合計15万円で終えられました。
case2 一人親方のMさん(大阪府)
税務署から税務調査を行う旨の通知があったものの、ご自身おひとりで対応するのが不安とのことで、税理士紹介サービスにお申し込みいただきました。特に、以前受け取った給付金の処理や、領収書の管理について懸念があったようです。
「同市内だから安心」ということで、ご紹介したB税理士事務所とご契約されました。
3日間にわたった調査の立会い費用が15万円、さらに3期分の修正申告が必要だったため、申告書の作成費用が6万円となり、税理士費用はトータル21万円となりました。
case3 副業でアパート経営を行うKさん(福岡県)
会社員のKさんは、副業で不動産賃貸業を営んでおり、その申告内容(売上400万円程度)について税務調査の通知が来たそうです。調査の準備や当日の対応の仕方がわからないとのことで、税理士をお探しでした。
国税局に勤めた経験もあるC事務所を紹介したところ、面談後すぐにご契約。
調査は3日間続き、修正申告が必要となったようで、税理士費用は調査立会いの日当3万円×3日分に加え、修正申告の申告書作成料として1万円の、合計7万円となりました。
税務調査に税理士が立会う3つのメリット
税務のプロである税理士に税務調査の立会いを依頼すると、以下の3つのメリットがあります。
調査が長引かない
ご自身で対応した場合は、税務調査官との折り合いがつかず、何度も調査を繰り返し、1~2日で終わる予定が1か月近くかかるなど、思いの外時間がかかってしまうケースもあります。
その点税理士に依頼した場合は、たとえば書類の不備を調査中に指摘されても、専門家が側にいてサポートしてくれるため、すぐに対応することが可能です。
不要な追徴課税を回避できる
税務調査の目的は、正しい税金を申告してもらうための指導となっていますので、税務調査ではたくさんの質問をされます。
例えば、計上した経費が、経費に該当する目的で使われたかどうか、本当に支払った事実があるかなど、かなり細かくみられます。ですから、きちんと説明できないと、経費として否認される可能性が高くなります。
経費として認められないとなると、必然的に所得(利益)が増えることになり、その分追加で税金を納めなければならなくなります。
こういった場合にも税理士に依頼することで、税法に則って経費の正当性を説明できるため、否認される可能性も低くすることができます。
税務署とのやり取り・交渉を一任できる
通常、顧問税理士がいる場合は、税務調査を始める前に税理士に連絡が行くことになります。その後の日程の調整や調査当日の税務調査官とのやり取りは、原則税理士自身が行うことになるので、経営者(事業主)の負担は大きく軽減されます。
「対応にかかる時間の削減」も大きなメリットですが、何よりも「心理的な負担を軽減できる」ことが経営者の期待することでもあります。
また、顧問税理士であれば、自分が作成した書類に対する質疑応答なので、その申告書の内情は把握できており、自信をもって回答することができます。
専門的な知識がある税務調査官には、やはり専門的な知識を持ち合わせる税理士が最も適した対応役といえるでしょう。税務調査官からの細かい指摘にも、根拠となる経緯や交渉で、可能な限り税負担を軽くするよう働きかけてくれます。
税務調査を税理士に依頼するときの注意点
以上のように、税理士を味方につけることで税務調査への不安は低減されますが、実際に契約する前にいくつか気をつけておくべきポイントがあります。
税務調査の経験が少ない税理士もいる
税理士にも、得手不得手があるため、すべての税理士が税務調査に強いわけではありません。税理士になるために、税法は勉強をしますが、税務調査に関する試験はないため、経験の差も影響します。
一方で、もともと調査をする側だった税務調査官出身の税理士もおり、その場合はやはり税務当局とのやりとりも慣れたものです
税務調査が来る場合は、原則として税務署から事前連絡があります。事前連絡が来たら調査当日までに、税理士と対応方針などのすり合わせをしておくのが良いでしょう。
税理士以外も同席できるが陳述等は不可
税理士に立ち会いを依頼したとはいえ、不安な気持ちから、他の従業員などの第三者を調査当日に同席させたくなる人もいるでしょう。
ですが、第三者が納税者に代わって陳述したり、主張をするなどすると、その行為は「税務代理行為」とみなされ、「税理士法違反」になる可能性があります。
税理士資格を持たない第三者の場合は、同席は許されても、一般論ではない法律的な発言や主張はできないということです。この場合、報酬の有無は関係ないのでご注意ください。
顧問契約の有無で税理士費用が異なる場合も
一般的に通常の顧問契約内容には、税務調査への立会いは含まれていないことがほとんどです。
そのため、税務調査の立会いを依頼した際には、顧問料とは別途、税務調査にかかった日数分の税理士報酬を支払うことになります。
ただし、顧問契約を結んでいる場合は、「事前準備」にかかる業務内容は顧問契約の中に含まれていることが多く、税務調査の立会い費用のみで済むことが多いようです。
なお、税理士事務所や依頼内容によっても税理士費用は異なるので、顧問税理士がいる場合には、税務調査の立会いが顧問契約に含まれるか、別途費用はかかるかを確認しておきましょう。
税務調査の立会いを税理士に依頼したい方へ
「税務調査に強い税理士を探している」「修正申告だけでもお願いしたい」など、税理士選びでお困りの方は、税理士ドットコムの<税理士紹介サービス>までお問い合わせください。あなたのご要望に合う税理士をご提案します。
税理士選びでお悩みなら税理士ドットコムにご相談ください
※ゼネラルリサーチ調べ