野の百合、空の鳥

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2024ベストアニメ

2024ベストアニメを発表したい。

今年は基本的に、すべてのクールで1話だけは全部のアニメ見ようと心がけていたので、ふつうの配信にはないアニメや長いあいだやり続けているアニメなどを除けば、TVシリーズはだいたいのアニメに眼を通したと思う。

ただし、結局完走できるのは毎クール30本前後で、1話で止めるアニメがかなり多かった。逆に言えば半分くらい見られればそのまま完走していた。それからアニメ映画はそこまで見られなかった。

「ベスト」と銘打ってはいるが、その意味合いは、取り沙汰したいアニメ、あるいは人に見てもらいたいアニメとなる。

以下、各クール毎に「客観的5選」と「主観的5選」を発表する。今年の途中からTwitterで用いていた区分だが、この区分が意外と便利で、要するに、ふだんそれほどアニメを見ない人などに「いまおすすめのアニメって何ですか?」と聞かれたときに答えるのが「客観的5選」で、比較的アニメを見慣れている人に「今期って何見てます?」と聞かれたときに答えるのが「主観的5選」である。

なお、各アニメの詳細は「話数単位で選ぶ~」のほうに気合いを入れて書いたのでぜひそちらをお読みいただきたい。

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2024冬アニメ

各クール毎に、まずはオススメ作品を羅列する。

『葬送のフリーレン』(2クール目)、『悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~』、『俺だけレベルアップな件』、『愚かな天使は悪魔と踊る』、『最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。』、『佐々木とピーちゃん』、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』、『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』、『ダンジョン飯』、『治癒魔法の間違った使い方』、『望まぬ不死の冒険者』、『HIGH CARD season2』、『姫様“拷問”の時間です』、『ぶっちぎり?!』、『ぽんのみち』、『メタリックルージュ』、『ゆびさきと恋々』、『ようこそ実力至上主義の教室へ 3rd Season』、『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』

このクールはコンパクトだった。

 

客観的5選

第5話 おやつ/ソルベ

第5話 おやつ/ソルベ

  • 『葬送のフリーレン』
  • 『ダンジョン飯』

このクールは客観的に薦められるものが『フリーレン』と『ダンジョン飯』以外にない。

『ダンジョン飯』はとりわけ五十嵐海や菅野一期の活躍を楽しく見た。

 

主観的5選

episode.4 曲者は隠し味に

episode.4 曲者は隠し味に

  • 『悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~』
  • 『最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。』
  • 『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』
  • 『ようこそ実力至上主義の教室へ 3rd Season』
  • 『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』

お気に入りは『ループ7回目』。

特徴的な髪の塗分け方や背景美術などをとくに楽しんだ。

 

 

 

2024春アニメ

『Unnamed Memory』、『ヴァンパイア男子寮』、『WIND BREAKER』、『オーイ!とんぼ』、『ガールズバンドクライ』、『怪異と乙女と神隠し』、『神は遊戯に飢えている。』、『烏は主を選ばない』、『喧嘩独学』、『この素晴らしい世界に祝福を!3』、『ザ・ファブル』、『時光代理人 -LINK CLICK-Ⅱ』、『シャドウバース F アーク編』、『声優ラジオのウラオモテ』、『T・Pぼん』、『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる』、『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』、『バーテンダー 神のグラス』、『HIGHSPEED Étoile』、『花野井くんと恋の病』、『響け!ユーフォニアム3』、『変人のサラダボウル』、『忘却バッテリー』、『魔王学院の不適合者 Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ 第2クール』、『魔法科高校の劣等生 第3シーズン』、『無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール』、『ゆるキャン△ SEASON3』、『夜桜さんちの大作戦』、『夜のクラゲは泳げない』、『リンカイ!』、『Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ』、『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』

このクールは多すぎるかも……

 

客観的5選

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  • 『ガールズバンドクライ』
  • 『烏は主を選ばない』
  • 『T・Pぼん』
  • 『響け!ユーフォニアム3』
  • 『忘却バッテリー』

『T・Pぼん』は、ネトフリオリジナルということもあり、あまり話題になっていないのだけれど、とてももったいないと思う。原作は言わずと知れた藤子不二雄(藤本弘)。

 

主観的5選

第12話 幸せ

第12話 幸せ

  • 『Unnamed Memory』
  • 『喧嘩独学』
  • 『時光代理人 -LINK CLICK-Ⅱ』
  • 『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』
  • 『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』

このクールは、『オーイ!とんぼ』や『怪異と乙女と神隠し』、『変人のサラダボウル』など、アニメを見慣れている層からも支持が熱いアニメがたくさんあり、どれも捨てがたい。

個人的には、『第七王子』がベストで、その詳細は「話数単位で選ぶ~」のほうに書いたのでここでは割愛する。

代わりに『喧嘩独学』をオススメしておきたい。明らかに変なアニメだからである。原作からして奇妙奇天烈にちがいないが、 菱田正和監督によって、その強みがより際立っていると思う。

 菱田正和監督は、近年では『プリリズ』や『キンプリ』、『あんスタ』の監督を務めている。この前のクールの『即死チート』も菱田正和監督でとてもオススメ。

 

 

 

2024夏アニメ

『ATRI -My Dear Moments-』、『異世界失格』、『【推しの子】第2期』、『俺は全てを【パリイ】する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~』、『神之塔 -Tower of God- 王子の帰還』、『疑似ハーレム』、『義妹生活』、『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 Season II』、『恋は双子で割り切れない』、『しかのこのこのここしたんたん』、『SHY 東京奪還編』、『小市民シリーズ』、『戦国妖狐 千魔混沌編』、『黄昏アウトフォーカス』、『杖と剣のウィストリア』、『デリコズ・ナーサリー』、『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』、『なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?』、『菜なれ花なれ』、『2.5次元の誘惑』、『逃げ上手の若君』、『NINJA KAMUI』、『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで』、『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』、『負けヒロインが多すぎる!』、『魔導具師ダリヤはうつむかない』、『真夜中ぱんチ』、『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン』 

個人的にはこのクールが一番充実していた。「話数単位~」に選出したものも多い。

 

客観的5選

第6話 いわゆるひとつの間接キス

第6話 いわゆるひとつの間接キス

  • 『【推しの子】第2期』
  • 『逃げ上手の若君』
  • 『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』
  • 『負けヒロインが多すぎる!』
  • 『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン』

『小市民シリーズ』についてはいくつか記事を書いたし、『負けヒロイン』や『物語』についても「話数単位~」に書いたのでそちらを見ていただければと思う。

自分が『アーリャさん』の原作ファンだとしたら、ああいうふうにアニメ化されたら心底嬉しいと思われ、そういうふうに世界は回っていると感じた。

 

主観的5選

第十二話 杖と剣

第十二話 杖と剣

  • 『小市民シリーズ』
  • 『義妹生活』
  • 『杖と剣のウィストリア』
  • 『デリコズ・ナーサリー』
  • 『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』

このへんについては言及しまくっているので、もういいかという感じもあるが、『ウィストリア』だけはどうか見てほしい……

 

 

 

2024秋アニメ

『アオのハコ』、『アクロトリップ』、『甘神さんちの縁結び』、『ありふれた職業で世界最強 season 3』、『オーイ!とんぼ 第2期』、『株式会社マジルミエ』、『きのこいぬ』、『君は冥土様。』、『結婚するって、本当ですか』、『合コンに行ったら女がいなかった話』、『最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える』、『新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP SEMIFINAL』、『精霊幻想記2』、『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインⅡ』、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅤ 豊穣の女神篇』、『ダンダダン』、『チ。―地球の運動について―』、『凍牌~裏レート麻雀闘牌録~』、『トリリオンゲーム』、『嘆きの亡霊は引退したい』、『ネガポジアングラー』、『パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき』、『ハミダシクリエイティブ』、『ぷにるはかわいいスライム』、『BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-』、『ブルーロック VS. U-20 JAPAN』、『魔王2099』、『村井の恋』、『やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中』、『来世は他人がいい』、『ラブライブ!スーパースター!! 第3期』、『Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season』、『歴史に残る悪女になるぞ』、『BEASTARS(第3期)』

昔のシリーズのつづきもまた、けっこうおもしろかった印象。

 

客観的5選

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  • 『アオのハコ』
  • 『ダンダダン』
  • 『チ。―地球の運動について―』
  • 『トリリオンゲーム』
  • 『BEASTARS(第3期)』

『BEASTARS』ってめっちゃ良いアニメ。絶対見た方がいい。

 

主観的5選

第13話 何が何でも落札したい

第13話 何が何でも落札したい

  • 『最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える』
  • 『精霊幻想記2』
  • 『嘆きの亡霊は引退したい』
  • 『ネガポジアングラー』
  • 『ラブライブ!スーパースター!! 第3期』

個人的に、『嘆きの亡霊』が好きすぎて……。必ずナレーションから入るOPって様式美ですよね。

監督は『冰剣の魔術師が世界を統べる』で話題になった、たかたまさひろ。『冰剣』も絶対見てほしいですね。

animestore.docomo.ne.jp

ほかも全部良いです。『話術士』は、要するにめちゃくちゃ論破冷笑系なのだけれど、突き抜けていて笑ってしまう。『精霊幻想記2』はみんな可愛いし、『スーパースター』の3期も有終の美を飾ったと思う。『ネガポジ』は今年のオリジナルベスト。

 

 

 

アニメ映画

『傷物語 -こよみヴァンプ-』、『大室家 dear sisters』、『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』、『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』、『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』、『トラペジウム』、『劇場版ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』、『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』、『数分間のエールを』、『大室家 dear friends』、『ルックバック』、『きみの色』、『ふれる。』、『がんばっていきまっしょい』

いろいろ見逃してしまった感。

客観的には『傷物語』や『ルックバック』を見るべき、と思う。

『きみの色』については記事も書いた。

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ただ、それくらい思い入れが深い作品であるからこそ、もっと欲しかったと思うところも正直ある。基本的には奇跡的調和としての音楽の話だったので、アニメーションの話にはなっていなかった。もちろんアニメーションはあるのだが、「色」はアニメのためにあるのでは? と思っていたので少し肩透かしを食らった気分(に勝手になった)。

依田伸隆だけはそんななかでも運動を見出していた。

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ちなみに、ごくごく個人的なベストは『大室家』。

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年間ベスト

がんばって年間ベストを決めてみたい。

客観的5選

迷宮攻略

迷宮攻略

  • 『葬送のフリーレン』
  • 『ダンジョン飯』
  • 『負けヒロインが多すぎる!』
  • 『ダンダダン』
  • 『BEASTARS(第3期)』

あってると思う。

 

主観的5選

第12話 ネガポジアングラー

第12話 ネガポジアングラー

  • 『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』
  • 『義妹生活』
  • 『杖と剣のウィストリア』
  • 『嘆きの亡霊は引退したい』
  • 『ネガポジアングラー』

自分の気持ちに正直に選ぶとこうなる。

めっちゃアニメ!って感じのアニメは、おそらく『第七王子』や『ウィストリア』、『嘆きの亡霊』で、ほんとうに毎週「アニメ」って感じの楽しみがあった。自分の好きなアニメってこれだ。

『義妹生活』については、各所で語りすぎているのでとくに付け加えることはないが、アニメーションでこれをやろうとしたという挑戦をとても評価している。

今年を通して一番印象に残った “プロジェクト” が『ネガポジアングラー』で、やっぱりこういうオリジナルアニメがまだあると知れたことが心強かったと思う。そのような意味で、今年の顔として掲げてみたい。

こうしてふりかえると、今年もたくさんアニメーションを見た。毎年言っているが、たくさん見たからといって、ほんとうに何になるわけでもない。楽しいのかもよく分からない。

それでも、あるときふと、感動するようなアニメーションに出会えたときには、やはり嬉しい。付け加えれば、自分はアニメーションで宝探しをしているので、物語を味わいに出かけているわけではない。だから物語のほうにとくに期待はないのだけれど、それでも物語が在るということに相当意味はあるのだと、今年も味わったのかもしれない。

来年も良いアニメーションに出会えたら嬉しい。

 

昨年のベストアニメ↓

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