競馬予想のホネ【坂路ビシビシの日々〜 重賞予想と追い切り注目馬&レース回顧】

“競馬予想の再生 〜Re:Bone を目指して” 競馬予想の骨組みを、しっかりと組み立て、振り返るーー それを目的とした半自分向けノート(備忘録)として綴っています。重賞展望、調教評価、回顧記事、平場予想などを掲載中。穴馬探しに、人気馬の取捨検討に、あなたの予想の“最後のスパイス”としてお役立てください。

【菊花賞 2023 レース回顧・結果】ザ・ステイヤー

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――ゴールした瞬間、馬に、そして鞍上に、その6文字が強く浮かびました。

菊花賞 2023 レース結果

 

 

着順 馬名 タイム 上3F
1 ドゥレッツァ 3:03.1 34.6
2 タスティエーラ 3:03.7 34.8
3 ソールオリエンス 3:04.0 35.1
4 リビアングラス 3:04.1 35.9
5 サヴォーナ 3:04.1 35.6

 

 

ホネ的! レース回顧 / レース分析 菊花賞 2023

 

10/22 菊花賞 ▲不的中

 

レース全体のふり返り

 

①馬場は、通年平均比-1.0秒/1000mを超えだしたあたりで高速モード、ただしラチ沿い一辺倒ではなく中伸びの状態で行われる

 

②全体3分03秒1なら、額面としては十分平均上の淀版良馬場菊花賞だが、この日の馬場状態を思うとこの時計でも少なくとも平均レベルには到達しなかった一戦との判定に

 

③後半は、11.6 - 11.7 - 11.4 - 11.8の平坦戦で持久力勝負度合いの濃い、あまり上りスピード要求度の高くないラップで決まった


菊花賞 2023  各馬ふり返り 予想と結果

 

 

 

ドゥレッツァ

予想➡➡➡抜

結果➡➡➡1着

人気勢の中では警戒していた部類にいた一頭だが、「あの予想だったもので……」というやつで印は回らず。

とにかく、あの前半1分00秒4のハイペースで逃げて、中間もそう大きく落とさず(6~10F区間は1分04秒1)、行きたい馬にはいかせて一旦3番手すら譲りそうなところまで下げてから、直線でもう一度先頭に立って追随を許さず3馬身半差圧勝。

逃げさせたことやら、その形をあっさり放棄してから差し返して結果を出したことなど、とにかく鞍上のステイヤー能力の高さと、馬にもその力が備わっていたことを強く感じるゴールだった。

結末自体は、「やっぱり、この世代の『最も強い馬が勝つ』一戦では、ソールでもタスティでもないのね」ということで至極納得する部分だったのだが、その勝ちっぷりがちょっと凄かったという印象。

ただ、ここでは抜けていた本馬も、決して刻んだ菊花賞V水準としては高くないもので、これは世代牡馬全体的に見てもそうだが、とにかく古馬とG1で当たった際の通用度合いには疑問が残る。

強いのは“井の中の蛙”だったから、となる可能性もある中で、カギはここからの成長力でしかないと思われる。

これでもう買うにはこの馬は成績が派手過ぎるだろうし、G1に関してどこに出てくるにせよC.ルメール騎手以外がしばらく続きそうなこともあって、それ(騎手選定)自体がレースでの評価を判定するものさしになってくるか。

それでもあえて最後に記しておく、今日の17頭の中では「あの競馬」をしてぶっちぎるんだからちょっと抜け過ぎていた、ことを。

 

 

マイネルラウレア

予想➡➡➡◎

結果➡➡➡7着

ラストで内に潜り込んでの意地の伸び(上りは3位を記録)は示してくれたが、「まだ緩い」だった前走からさらに馬体重が増えてしまっていたように、この馬の集大成を拝むにはまず自身の未完成が前面に出過ぎていたか。

それでも、この日の馬場で(おそらく)苦渋の選択だったであろうラチ沿いを通して伸びたことはなかなか。

新馬戦の時から、「素質が開くか、未完のまま終わるか」のリスクは感じていた馬だし、まだその途中にあるという意味で、将来への期待値は結構大きい馬。

「いつ完成すんねん」のまま終わるリスクも同居中ではあるが。

 

 

ウインオーディン

予想➡➡➡◯

結果➡➡➡13着

こちらは、パドックからチャカついていたように、まず初の関西輸送なども相まってか長距離G1に向かうにあたって落ち着きを欠いた点が大きかった。

それもあって、さすがに無理な競馬になってしまった中でも直線前半にかけてこの日も「オッ」と思わせるところを見せながら、さすがに最後は止まって終わった。

いずれ訪れるであろう、ビシバシしごかれる鞍上への乗り替わりシーンを待ちたい。

今や、自然体で流れに身を任せて運ばせると「序盤にレースに参加しなくてもいいんだ」と馬が覚えてしまっている印象すらある。

 

 

リビアングラス

予想➡➡➡▲

結果➡➡➡4着

◯ウインオーディンこそああいう競馬で大敗を喫したが、指名の理由でもあった阿賀野川特別組から上位進出を果たした。

積極策で4角先頭というのも、狙いを定める際にイメージしていた通りの形だったし、満足のいく内容だったが、いかんせん後ろからアッサリ交わされ過ぎたのが痛かった。

余談だが、あれだけ一瞬にしてドゥレッツァに追い抜かれて、もうズルズル下がっていくだけかと思いきや最後まで3着争いに顔を出していたあたりこそ、勝ち馬ドゥレッツァが際立つ伸びだったことを示している。

 

 

☆サヴォーナ / タスティエーラ / ソールオリエンス 他

☆サヴォーナ(5着)は、この日の前半の流れに後方からになったこと、それを挽回しようとして向こう正面で捲る形になったこと(走破距離ロス)で終いもうひと伸びを欠いた格好。

それでも、あの形になっても4番手まで強気に押し上げる競馬を見せていたこと自体が、長距離戦線で戦っていける手応えを鞍上が認めていることの証左だろう。

もとから前付けが叶っていたらどれだけやれたかというワクワク感を残した一戦。

 

2着したタスティエーラだが、良くも悪くも安定感と器用さが前面に出た銀メダル内容。

ただし、たしかに3着ソールオリエンスよりは器用に立ち回っていたと思うが、今日はこの馬のいつもの形とはちょっと違って完全差しでの上位進出だった。

直線の見た目と馬自身のスタイルイメージから、直線映像を見ていると先行2着とつい錯覚してしまう自分がいるが、通過順の通りソールオリエンスとはほぼ横並びでの立ち上げから直線勝負で同馬に差をつけていたことがポイントだろう。

同世代の牡馬の中ではやはり強いが、同時に器用貧乏感もあって、何か突き抜けるところが今後欲しくなってくる印象は強い。

そもそも世代レベル的にここからどうなのか……ではあるが、仮に成長力や晩成化が顕著な世代だったとしても、この馬はその器用さがアダになって常に好走止まり、勝ち味に遅くなる懸念があるイメージ。

 

ソールオリエンス(3着)は、1人気の支持を集めた馬にしてはそう大したロスもなく、そして爆発力もなくということで、さらに小ぢんまりしてしまった印象の3着。

あれで、ゴール前鈍ることのない急追(前週のマスクトディーヴァが見せたような)でも見せていればまあ良いが、むしろ終いは鈍ってサヴォーナあたりとの差を広げられなかった。

鞍上も言っての通り、この馬は距離が長かった様子。

 

ほかでは、◎マイネルラウレアの次に評価したい競馬だったのがナイトインロンドン。

直線でベストのところを通ってきているとはいえ、ノーチャンスの競馬からよく詰めてきたと思うし、ラスト300m過ぎ地点でみせたキレもなかなかだった。

今後の活躍場は長距離一択だろうが、天皇賞(春)戦線で頭角を現すことがあっても良さそう。

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