“伝説の名車”が見るも無残な姿に…。富山県南砺市五箇山で8日、国道156号沿いの斜面に生えていた高さ30メートルのブナの木が倒れ、通行中のスポーツカー「トヨタ2000GT」が大破する事故が起こった。
南砺署によると、ブナは根元から倒れ、ボンネットを直撃。幹や枝に押し潰され、車が大破してしまった。不幸中の幸いで、運転していた男性会社員(28)は手や足などに切り傷や打撲の軽傷。車の名義人は前を走行していた車に乗っていた男性で、友人3人で2台に分かれて、世界遺産に登録されている五箇山の合掌造り集落の観光に訪れていたという。地元の人は「(ブナの木は)もうすぐ倒れそうに見えた」と話している。
2000GTは“幻の名車”と言われるマニア垂ぜんのクラシック・スポーツカー。オリジナルは1967年から70年までにわずか337台だけの生産で、国内には100台程度しかないと言われる。昨年、オークションで、日本車史上最高値となる1億2000万円で落札したことで話題になった。車の所有者にとっては、精神的ダメージが大きすぎる事故だ。
当然、倒れた木の管理者への賠償請求という流れになるだろうが、捜査関係者は「あの辺りは入り組んでいて、管理者が国なのか、森林組合なのか確認できていない。これから登記を確認して精査することになる」と語る。
車両保険では、償却期間の終わった古い車は最大でも新車価格の1割しか支払われない。
ある法曹関係者は「倒木なら管理者に賠償請求できるでしょうが、どんな名車でも裁判で徹底的に争わないとプレミアム価格までの対応はないでしょう。希少な車に乗る人は、こうした事故のリスクも考えておかなければなりません」と話している。
倒木で大破した「トヨタ2000GT」気になる賠償請求の行方
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