警察の下半身“忖度”はあったのか――。元TBSワシントン支局長でジャーナリストの山口敬之氏(51)に「昏睡レイプされた」と主張するジャーナリストの詩織さん(28=実名だが、姓は非公表)が29日、都内で異例の“顔出し会見”を行った。詩織さんは「(同氏が)不起訴なのは納得がいかない」と検察審査会に不服を申し立てた。山口氏は安倍晋三首相(62)に近いフリー記者のために、捜査の過程で「何らかの忖度が働いた?」との見方が出ている。本人は「悪いことはしていない」と明言しているが、ネット上では「レイパー山口」と評されてしまっている。

 森友学園問題真っ盛りの3月、テレビに頻繁に登場して「露骨なまでに官邸寄りの発言をしていた」(ある視聴者)のが山口氏だ。

 いわく「安倍首相に最も近い男」。TBS報道局ワシントン支局長まで務めるも、昨年5月に同局を退社した。事情を知る関係者によると「局に無断で週刊誌に記名記事を書いたことが問題になった」というが、実はもう1つの理由と目されているのが今回の“昏睡レイプ疑惑”だ。

 最初に詳細を報じたのは今月10日発売の「週刊新潮」だった。そしてこの日、被害者の詩織さんが都内で会見を行い、心情をブチまけた。

 身長160センチ超のスレンダー美女で、どことなく「嵐」櫻井翔(35)の恋人・小川彩佳アナウンサー(32)や、TBSの加藤シルビアアナ(31)に似ている。

 配られた資料によると、詩織さんは2015年4月に山口氏と会食途中に記憶を失い、目が覚めると、ホテルのベッドにいたという。あおむけの彼女の上に全裸の山口氏がまたがり、その瞬間「レイプされていた」と確信。ベッド際にはパソコンが開かれており、ハメ撮りされた可能性もある。

 詩織さんは警視庁高輪署に被害届を提出。酒にめっぽう強い彼女が記憶をなくした原因については、山口氏による「デートレイプドラッグ」の使用が疑われるという。

 ところが同年6月、逮捕秒読みだった山口氏の捜査が突如打ち切りに…。指示をしたのは当時の警視庁刑事部長で、山口氏は準強姦の疑いで書類送検されたものの、昨年7月に嫌疑不十分で不起訴処分となった。

 森友学園しかり、加計学園しかり、安倍首相の“お友達”には、お上の意向への忖度が働くのでは?と疑惑を招いているのは事実。

 詩織さんは会見で「逮捕状まで出たのに、執行されませんでした。捜査には不審な点もあり、不起訴は受け入れられません」と訴え、検察審査会に不服申し立てを行った。有権者からくじで選ばれた11人の検察審査員による検察審査会が起訴相当の議決をすれば強制起訴となる。

 また、異例の顔出し&実名で告発に至った経緯については「性犯罪の被害者が隠れなければいけない現状に疑問を持ちました。それでは何も変わらないと思い、今回こうしてお話しさせていただこうと思いました」と明かした。

 現在、山口氏とは一切連絡を取っておらず、顔を思い出すだけでも体に変調をきたすという。

 代理人の村田智子弁護士は「強烈な嫌悪感。よく今日の会見をこなしましたよ。寝れなかったり、食事もノドを通らない日もありましたから」と語る。

 かたや当の山口氏はどうか。ジャーナリストを名乗りながら、主張はすべて自身のフェイスブック。「官邸サイドにも今回の件を相談。『ほとぼりが冷めるまで海外にいればいい』とアドバイスされたとか」(関係者)。米国に身を潜めているという情報もある。

 TBS時代の悪評も次々と噴出。同局関係者が明かす。

「スクープばかりが話題になるけど、ガセネタもあった。上司にも食ってかかるし、アクの強い人。人脈をひけらかすのが好きで、説教の時も『俺ならあの人に電話1本だ』と自分を上げてから、相手を落とすイヤ~な感じのやつだった」

 女性絡みのトラブルも今回が初めてではなく「社内不倫の噂は1つや2つではなかった」(同)とも…。

 ネット上では「レイパー山口」と呼ばれる始末で、完全に権威は失墜。重用してきたテレビ局も一斉に手を引いた。

 一方、官邸サイドが恐れているのは、不可解な捜査が安倍首相の“お友達”山口氏への“下半身忖度”として伝わり、政権のさらなるイメージダウンにつながること。

「そのため、詩織さんが会見を行うと分かったこの日の午後、首相を守る側の組織から詩織さんのイメージをダウンさせる情報が流れた」と関係者。

 山口氏は逃げも隠れもせずに疑惑を晴らす必要がありそうだが…。