将棋の最年少プロ棋士・藤井聡太四段(14)が15日、大阪市の関西将棋会館で行われた順位戦C級2組で、瀬川晶司五段(47)と対局して勝利。プロデビューからの公式戦連勝記録を「26」に伸ばし、全体の連勝記録でも史上最多の「28」にあと2連勝と迫った。
対局相手の瀬川五段は、プロの登竜門である奨励会を退会後、アマチュアとしてプロを破り、プロ編入制度を切り開いた人物。今泉健司四段(43)ら後続に道を開いた。
そんな瀬川五段を相手に76分間、長考する場面も見られた藤井四段だったが、108手で熱戦にピリオドを打った。
対局を終えた藤井四段は「仕掛けが遅れ、少しずつ苦しい展開でした。うっかりしていて、負けにしてしまったのかなと思い、最後の最後までわからなかった」と振り返った。
この日の終局時間は午後10時53分、持ち時間6時間。13時間(2度の食事休憩を含む)に及んだ長丁場に「深夜の対局になると、体力勝負という面も出てくるので、初めての経験でした。ところどころ、集中力を欠いてしまったのもあると思うので、そこはしっかり反省したい」と気を引き締めたが、さすがに疲れもあったようだ。
そこで気になるのが、14歳の藤井四段の深夜対局が問題にならないかという点。周知の通り、労働基準法では18歳未満の午後10時~午前5時の就労が禁止されており、インターネット上ではこの日「こんな時間に対局してていいの?」などの声があふれた。
結論から言うとセーフのようだ。そもそも棋士は個人事業主で雇用された労働者ではなく「代替が効かない」などの例外規定も満たしている。これまでにも18歳未満の棋士が深夜対局に臨んできたが、将棋連盟関係者は「労基署から指摘を受けたことはない。何かお話があれば、きちんと対応いたします」とした。
さらに、藤井四段が勝ち続ける限り、対局数は増え続けるため「学校の出席はどうなの?」という疑問も出てくるが「学校ときちんとやりとりして了解を得ている。こちらも現在、どういった形がいいのか検討しております」(同)という。
次回は17日の朝日杯将棋オープン戦一次予選で、藤岡隼太アマ(19)と対戦する。