【ビートたけし本紙客員編集長の激白】所属事務所「オフィス北野」を今月いっぱいで退社し、4月から新事務所に移るビートたけし本紙客員編集長(71)が、独立を決めた真意を大いに語った。残留となる弟子のたけし軍団への思いと、その間の経緯、やりとりを初告白。また、今後の活動予定、自身が審査委員長を務める本社制定の東京スポーツ映画大賞の行方についても明言した――。

 今月末でオフィス北野を退社し独立するんだけど、事務所を抜けるのがこんだけ大騒ぎされるとは思わなかったなあ。ほかのタレントの独立うんぬんはたいして騒がれないのに、オレだけ何でこんなにいろいろ言われるんだよ。

 たけし軍団はオフィス北野に所属のまま。軍団や役者はオレの新事務所に来たいのかもしれないけど、もしオレが引っ張っちゃったらタレントがいなくなって、結果としてオフィス北野への造反みたいな形になっちゃうから、軍団には「事務所にいてやってくれよ」って言ったんだ。ただ「オフィスたけし軍団」って名前だったらいいけど、オレがいないのにオフィス北野って名前のままじゃ困るから、「事務所の名前を変えてくれ」とは言ったけど。

 当面の事務所を回す運転資金は置いてきた。辞めるスタッフの退職金を払うと結構な額になるうえ、置いてきた分で軍団が「ちゃんとやる」って言ってくれた。それでやれなきゃ、オレの責任じゃないだろってことで独立させてもらった。トータル40年近くも軍団の面倒みて、売れたヤツも売れないヤツもいるんだから、あとは自分の努力だろ。

 タレントが増える一方で、仕事を取ってこれないマネジャーもいたしな。それで、軍団や役者には「こっち(新事務所)が落ち着いたら、来てもいいよ。そのかわり、自分でマネジャーを見つけてこい」とは伝えた。

 オレに関しては、基本的に今の仕事はそのまま続ける。東スポ映画大賞もオレが生きている間は続けるよ。そういや、今年の授賞式には香取慎吾が来たけど、面白かったな。彼は天然ものなんだね。意外に正直者だった。でも、SMAPを解散してジャニーズ事務所から独立した3人は大変だろうな。もう彼らも若くないし。そういやキムタク(木村拓哉)は急に老けたな。顔色はドス黒いし、頭髪もちょっと不自然だし。SMAPも年とともにダメになっていくんだな。

 それで、東スポ映画大賞に話を戻すと、今後は辛口映画評論家の町山智浩とか新しい審査員も加えたいね。あとはオレの小説「アナログ」の映画化権は是枝裕和監督にあげようかと思って。是枝さん、やってくんないかな。

 そういや独立っていう報道が出た時、作家の伊集院静さんから電話来て「でかした! たけちゃん、やったね」だって。何を喜んでんだか分からないけど。あの人、前から仲いいんだ。でも「今度、付いてこなかった軍団を集めて文句言ってやる」って言うから「いや、オレが置いていったんだ」。そしたら「何だ、みんな『付いて行かない』って言ったのかと思った」だって。

 面白かったのは、独立ってマスコミが騒いだ2日後に映画プロデューサーの奥山和由がオレん家に来たらしいんだ。オレはいなかったけど、郵便受けに奥山の名刺が入ってて、「たけしさん、ソナチネのプロデューサーの奥山です。覚えていますか。ソナチネの続編を作りましょう」って書いてあった。なんだ、あいつは。

 そういや一部では、仕事の数が多すぎてオレが疲れたんじゃないかって話も出てたけど、仕事が多かったから事務所を辞めるわけじゃない。別に精神的に疲れるわけじゃないし。こないだ金沢にロケに行った時、島田洋七と一緒でさ。「疲れた」ってグチこぼしたけど、あれは歩くのが疲れただけ。肉体的に面倒くさくなった。兼六園なんて入り口で帰ってきちゃったよ。

 それにしてもさ、なんで金沢の回転ずしってあんなにうめーんだろ。普通のすし屋よりうまい。回転ずしっていっても、すしがグルグル回ってるんじゃなくて、目の前に握ってくれるオヤジがいるから、頼んだらすぐに出てくる。それでノドグロだのトラフグも出てくるし、みそ汁もえらくうまい。そんで安いんだから、ありゃー普通のすし屋潰れるわな。5人で1万3000円だったもん。思わず「なんだ、この値段。東京だったら1人も食えないじゃん」って言っちゃったよ。