感染防止のキーワードは“しゅうきんぺい”?
新型コロナウイルスの感染者数が急速に増加する中、SNS上で拡散されたある言葉が、政府の見解や小池百合子都知事の説明よりも「分かりやすい」と注目を集めている。
現在、最も感染リスクが高い場所のキーワードは「3密」だ。政府の専門家会議でも、感染リスクが高い環境として「換気の悪い密閉空間」「多くの人が密集」「近距離での会話や発声」。この3つの条件が重なる場を挙げている。
そんな中、SNS上には「やってはいけないのは3密というより集近閉(しゅうきんぺい)。集=人が集まる所を避けよ、近=近くでの会話や交流を避けよ、閉=閉鎖や密閉、換気の悪い環境を避けよ」という内容が書かれたツイートが投稿された。
この「集近閉」は、新型コロナウイルスの発生地とされ、いまだ世界に向けて“おわびのひと言もない”中国の習近平国家主席の名をもじったもの。ネット住民たちからは「3密よりもわかりやすい」「習近平とかけているのはユーモアがある」など、おおむね好意的な声が上がっている。
中国へのヘイトスピーチは当然良くないことだが、笑いを交えた若い世代への感染防止の注意喚起は、重症化しやすい高齢者を守るためにも重要だ。
若い世代へ向けてはSNSで、世界中の著名人が「#家にいよう」「#うちで過ごそう」とのハッシュタグで外出自粛を呼びかけている。
IT関係者は「若い世代の行動を変えないと感染拡大は止められない。『3密』でも『集近閉』でもいいので、言葉が広がることで、当事者意識の低い人々の行動を変えることが重要。人との距離を2メートルほど離す『ソーシャルディスタンス(社会的距離)』という取り組みも広がっています」と話している。