闇営業問題での対応をめぐり、所属の吉本興業の上層部と対立していた「極楽とんぼ」加藤浩次(50)の退社が決定的となった。23日に行われた大崎洋会長との会談については「平行線のまま」で結論は出ていないとしたが、加藤の意思は固く、退社は避けられない状況で、「雨上がり決死隊」宮迫博之と「ロンドンブーツ1号2号」田村亮との合流も視野に入れていることがわかった。また、退社後も日本テレビ系「スッキリ」など、レギュラー番組も継続して出演できる見込みだ。

 闇営業問題により吉本興業から契約解除された宮迫とロンブー亮が20日に行った謝罪会見で、岡本昭彦社長の“パワハラ”を赤裸々に告白。特に「会見したら全員クビにする」と言われたと明かし、世間を驚かせた。

 これに対し、上層部への怒りをあらわにしたのが加藤だ。22日放送の「スッキリ」で「今の社長、会長の体制が続くのだったら、僕は吉本興業を辞める」と、覚悟を決めて言い放った。

 さらに23日の同番組内で、同日夕に大崎会長と会談することを告白。午後6時から3時間以上も話し合ったが、ここでは結論が出なかったとしていた。本紙でも昨報したが、24日の「スッキリ」では「ずっと平行線で3時間話すことになって、大崎会長が『一回持ち帰らせてくれ』となって、まだ平行線のまま」と話していた。

 この言葉の通りだとすると「退社は保留」という形で終わったと捉えられるが…その後の取材で、裏側が見えてきた。

 テレビ局関係者は「やっぱり加藤の退社は決定的。テレビで『社長、会長の体制が続くなら辞める』と断言し、そのうえで大崎会長が説得しても結論が出なかったわけだから。それくらい本人の意思は固い」と指摘した。

 加藤は22、23日の「スッキリ」では、実に1時間以上にわたってこの問題について激白。23日の放送では、前日に行われ“グダグダ会見”とやゆされた岡本社長の記者会見について「こういった笑いもあるのかな」と皮肉交じりに話していた。

 さらに「令和になった時代でこういう会見が行われるんだって、正直ビックリして悲しくもなりました。こういう社長のところに僕はいたんだって。ちょっとつらくなりました」とも話したのだ。

 だが、会談翌日の24日の放送では打って変わって、わずか3分ほどでこの話題を終えた。その前の2日間に比べると明らかにトーンダウンしたが「大崎会長との会談で辞めることで合意しても、すぐに退社とは発表できない。『スッキリ』だけでなく多くのレギュラー番組があるから、退社するにはテレビ局とも話し合わなきゃならない。会談後、トーンダウンしたのはそのため」(同)。

 また、退社したら現在のレギュラー番組を即降板、となるわけでもないようだ。芸能界では先日、ジャニーズ事務所がSMAPの元メンバー3人をテレビ各局に出演させないよう圧力をかけた疑いがあり、独占禁止法違反につながる恐れがあると公正取引委員会から注意を受けた。

 くしくも24日には、公正取引委員会の山田昭典事務総長が定例記者会見で、吉本が所属する多くの芸人と契約書を交わしていないことを念頭に「競争政策上、問題だ」と述べた。

「退社して『スッキリ』をすぐに降板したら、公取委から吉本も注意を受けかねない。吉本を退社してもすぐにレギュラー番組を降板とはならない。加藤にはそういう計算もあるのでは」(同)

 本紙で既報した通り、加藤が退社すると多くの芸人が追随し大量流出となる可能性もあるが「退社した加藤が、宮迫と亮の2人と合流するのは間違いない。それに極楽とんぼの相方である山本圭壱は恩もあるし、加藤についていくだろう。『スッキリ』で共演するハリセンボンの近藤春菜に箕輪はるか、亮の相方である淳も一緒に出る可能性もあるのでは」(お笑い関係者)。

 大崎会長、岡本社長が辞任しない以上、もはや加藤が吉本に残留する可能性はないのか?

「『大崎会長が辞めたら自分も辞める』と明言する松本人志さんが説得に乗り出したら翻意する可能性はないとは言えないが、個人の自由を尊重する松本さんがそこまでやるとは思えない」(同)

 25日朝、テレビの取材に対して「もう少し時間がかかる」と今後について語った加藤。もはや退社は避けられない状況のようだ。