「日本の持続的な発展に貢献できるような人間になりたいです」と語る経済学部経済学科4年の荒井ひかりさん。この将来像を描く過程で、彼女が自ら探し求めた成長の機会とは?
経営も同時に学んで知識の基盤を作り上げる
私が経済学部を選択した理由として、高校時代に日本史を勉強していたことがあります。日本史を読み解く中で、いつの時代も経済的な動向が文化や政治、外交などの全ての分野に影響を与えていたことに気がつきました。そこで経済学に興味を持ち、大学では経済学を専攻し、この先どんな進路を選んでも通用する知識の基盤を作りたいと思いました。
上智大学は、私立大学の中では比較的小規模です。私が所属する経済学科は200名ほどであり、経営学科を合わせても全学部で400名程度なので、少人数の授業やグループワーク、ディスカッションの機会も多いです。経済学科は1クラス40名ほどのクラス制なので、他の学生と早い段階で交流を深めることができました。また、経済学科と経営学科は学科間の垣根がとても低く、授業だけでなく、ゼミも自分の興味関心に合わせて2つの学科から自由に選ぶことができます。私が所属する国際経済学のゼミにも経営学科の学生がいますね。
印象に残っている授業は、「バンキング基礎演習」というあおぞら銀行と上智大学の連携講座です。あおぞら銀行の行員の方が講師を務め、銀行の業務内容や専門的で高度なバンキング手法について学ぶ講座で、学生同士のディスカッションを通じてアウトプットする過程がとても面白かったです。理論については授業で学んだことがありましたが、この講座を通じてビジネスの現場で理論がどのように活かされているのかを自分の中に落とし込むことができました。
座学で得た知識を”知識”として終わらせず、実務に活かすという経験は、この先も必ず役立つと思っています。また、銀行は変革期にあると言われていますが、実際に変化するために銀行が行っていることを学ぶ中で、金融業界は将来の選択肢としてとても面白いと思うようになりましたね。
さまざまな学部が1つのキャンパスに集う上智大学の利点を生かして、心理学科や教育学科の授業も履修しました。他学科の授業を通じて知り合った学生と仲良くなって、今も交流が続いています。強い意志を持ちながらも穏やかな学生が多いというのも、私が思う上智大学の魅力ですね。授業の外では、喜びや悩みを分かち合える友人たちと上智ならではのイベントに参加して、学生生活を目いっぱい楽しんでいます。
学部や学年を超えた活動で思考力と発信力を磨く
私が力を入れて取り組んでいるのは、ピア・カフェという活動です。学生と教職員が共同で“交流の場づくり”をするというもので、新入生歓迎イベントや、オープンキャンパスでのトークイベントの企画運営を行いました。これは後日談ですが、私が企画したイベントに参加した高校生が実際に上智に入学して、「あの時に話を聞いて上智大学に入りたいと思いました」「あのイベントすごく良かったです」と学内で話しかけてくれたんです。本当に嬉しかったですね。
ピア・カフェの活動では、所属も学部も年齢も異なるメンバーと協力しながら、今までなかったものを創り出したり、今あるものをさらに良くしたりという経験をすることができました。この経験を通じ、自分で考えて意見を発信する力が磨かれたと思います。入学前の自分と比べても、「こういうことをやりたい」「こういう風に考えている」ということを、友人にも年長者にも伝えられるようになりました。
また、英語の授業で留学生にインタビューする動画を撮ってくるというチャレンジングな課題も印象に残っています。上智の食堂では、多様な国の留学生に出会うことができます。最初は勇気が必要でしたが、自分から積極的に留学生に話しかけてインタビューさせてもらったり、おしゃべりを楽しんだりすることも多かったですね。
上智大学には、交換豊富な留学プログラム、国内外の専門家の方を招いた講演会などのイベント、インターンシップ科目といった数多くの学びや体験の機会があります。小規模だからこそ、自分から積極的に行動すれば、自身の夢に繋がるチャンスを掴みやすいです。ピア・カフェの活動や多様な授業など機会を掴み真摯に取り組む中で、思考力や発信力をはじめとした多種多様な能力を磨くことができました。
模擬国連と経済学の授業を通して見えてきた将来の自分像
私は高校時代から大学にかけて、「模擬国連」という活動に6年間尽力してきました。世の中の課題に対し、自分事として疑問や関心を持ち続けたいと考えており、国の立場や私個人の視点から国際問題について考え、議論等を通じて知見を深めています。
今、特に関心を持っているのは、日本の人口減少や労働環境に関する問題です。そのため、バラエティに富む授業の中でも社会課題の解決に繋がるような分野に重きを置いて、労働経済学や都市と地域の経済学などを受講しています。
4年間、多様なことにチャレンジしてきましたが、将来は日本の持続的な発展に貢献できるような人間になりたいです。4年間の学びで経済学の理論的な部分の魅力、それを実務に落とし込んだ際の魅力にも気付くことができたので、やはり経済的な側面から、この国の成長を後押しするような活動に取り組んでいきたいですね。
※この記事の内容は、2021年5月時点のものです