不登校の原因はいじめよりも親子関係や家庭環境の変化!

両親が不仲で困る男の子-min.png

平成25年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について(文部科学省初等中等教育局児童生徒課)によると、平成10年以降、全国の小・中学校における不登校児童生徒の総数は、ずっと12万人前後で推移していることが分かります

中学校では、1クラスに1人 不登校または保健室登校 の生徒がいてもおかしくない時代になりました。

あなたは、子どもが不登校になる原因は何だと思いますか
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不登校の主な原因はいじめではない!


意外かもしれませんが、いじめが原因で不登校になる児童生徒は非常に少ない です。いじめが原因による不登校は、全体のわずか1.6%(平成25年度)です。

それでは、不登校の主な原因は何でしょうか

実は、不登校の原因のほとんどが「無気力」と「不安や情緒不安定」によるものです。全体の半数以上が、この2つが原因によるものとなっています。この2つは、共に思春期の子どもの特徴をそのまま表しています。


私が今回皆さんに注目してもらいたいのは、不登校と「家庭」の関係です。

あなたは、親子関係や家庭環境の変化が不登校とどれくらい関係あると思いますか

親子関係や家庭環境の変化が原因の不登校はいじめの10倍以上


同じく、平成25年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について(文部科学省初等中等教育局児童生徒課)を見てみます。

すると、「家庭環境の急激な変化」が5.5%、「親子関係をめぐる問題」が10.9%、「家庭内の不和」が3.8%となっています。この3つを合わせると、20.2%となり、なんといじめによる不登校の10倍以上になるのです。

つまり、不登校児童生徒の5人に1人は、親子関係や家庭環境が原因になっているということです。

いかがでしょうか。驚いた方も多くいらっしゃるのと思います。

私の教員時代にも親子関係や家庭環境が原因で不登校になる生徒が数多くいました。学校によっては、各学年に1人以上いたこともあります。

子どもにとって家族とは


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本来、子どもにとって家や家族とは安らぎの場です。日常生活の疲れやストレスを癒す場が、家や家族なのです。

以前は、子どもが悪いことをすれば親が学校の先生と共に子どもを叱り、良いことがあれば褒めるといった様子がよく見られました。家族でコミュニケーションを取ったり、どこかに出かけたりということも多かったですね。

しかし、近年子どもを取り巻く環境が大きく変わっています

今は、若者や子育てをしている家庭に厳しい時代です。両親共働きで、子どもが家に帰ってきても親がいないという家庭がかなり多くなっています。

夜遅くまで仕事だったり、土日も仕事で家にいなかったりすることも多いです。親が家にいても、仕事で疲れてしまっていることも多く、満足に子どもとコミュニケーションを取れていないケースもあります。

仕事で疲れてイライラしてしまい、子どもにキツくあたってしまっている なんてこともありますね。

子どもは親を必要としています。小学生の子どもはもちろんですが、思春期である中学生の子どもにとっても親は大切な存在です。

思春期でどれだけ反抗的な子どもでも、親を必要としていないなんてことはないのです。

子どもが「うるさい。」「うざい。」などと反抗しているということは、親の愛情を確認している ということです。

たとえ親と不仲の子どもであっても、尊敬する人に「お母さん(お父さん)」と答える子どもはたくさんいます。私は、これまでそのような生徒をたくさん見てきました。

今は、若者や子育てをしている家庭に厳しい時代です。毎日仕事で大変だと思います。

しかし、子どもは親や家庭を必要としています。可能な限り、子どもに目を向けてあげてください。仕事や子育てに追われている方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。


今回は、不登校と親や家庭の関係について見てみました。

不登校の主な原因は「無気力」と「不安や情緒不安定」です。この2つだけで50%を超えています。また、他にも様々なことが原因になっています。

しかし、「いじめ」による不登校よりも、「家庭環境の急激な変化」や「親子関係をめぐる問題」、「家庭内の不和」が原因によるものの方が多いのも事実です

10年以上同じような結果が出ているので、今後もこのような状態が続く、または家庭が原因による不登校の割合が増えていくと予想されます。

仕事や子育てを両立させることは、とても大変です。自分の時間を持ったりリフレッシュしたりしながら、可能な限り子どもとコミュニケーションを取ってあげてください。

子どもはあなたを必要としています。

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まとめ
・不登校の原因は、「いじめ」よりも「家庭」の方が10倍以上高い。
・子どもはあなたを必要としている。
・子どもとかかわる時間を大切にし、安心感と安らぎを与える。