絶対SIMPLE主義

Switch/PS4のダウンロード専用ソフトを中心に全方位でゲーム紹介するブログ。SIMPLEシリーズも応援中。

【レビュー】真島ヒロと虚無のカクテル『FARMAGIA(ファーマギア)』【PS5/Switch/PC】

 

『FARMAGIA(ファーマギア)』公式サイト

 

『FARMAGIA(ファーマギア)』のレビュー行くぜ!俺がプレイしたのはPS5版ね。

 


パブリッシャー:マーベラス

機種:PS5/Switch/PC

ジャンル:モンスターファーミングアクション

発売日:2024/11/1

価格:6930円


 

マーベラスが送る完全新作のアクションRPGで、キャラデザは『FAIRY TAIL』の真島ヒロ。2025年1月からはアニメ放送も予定されている作品だ。開発はスリーリングスが担当している。

 

畑から収穫したモンスターを使役できる「ファーマギア」が主役のゲームで、大量のモンスターをワラワラ引き連れて戦うシステム。「少年マンガ×農業ゲー×アクションRPG」みたいな作りなんだが、あらゆる部分が中途半端。特に戦闘の単調さが超しんどかったよ……。


「フルプライスの完全新作は応援したいけど、マーベラスだとどうかなぁ」

という気持ちで買ってみたが、どうにもなってなかったぜ!

 

人とモンスターが共存する魔界が舞台


舞台となっているのは人間そっくりな魔界人が暮らし、モンスターを育成・使役できるファーマギアが存在する魔界フェリシダ。

魔王とその配下である竜顎六柱将(オラシオンセイス)の統治の元、人とモンスターが共存する平和な世界が続いていた。しかし、魔王の崩御により竜顎六柱将は分裂。新魔王グラーザによって巻き起こる戦乱に、若きファーマギアである主人公のテンは巻き込まれていく……というストーリーだ。

 


魔界は5つの大陸で構成されており、大陸そのものがデカいモンスターという設定。ハッタリ効いてて良し!

 

 

でも住人がどんな生活してるのか想像つかない……!うねったムカデの背中から建物が生えてるぞ!生活の描写がゼロなのでアニメでの補間を待つ。

農業×モンスター育成×ダンジョン探索で構成されたゲーム

 

拠点となるのは中央都市セントベルト。

ここから農場と牧場に行ってモンスターを集めての育成、ショップで育成用のアイテム購入、酒場でのサブクエストを受注、ダンジョン攻略などを行う。メインミッションに沿って仲間と会話したり、指定されたいダンジョンをクリアすることでストーリーが進んでいく。

モンスターの育成には日数経過が必要となるが、特に時間制限とかはないのでバンバン時間を進めて良し。

 

そういう構成になっているが、農業パートも戦闘もダンジョン探索も全部ダメだ……!

「我々は牧場物語でのし上がったから」という義務感で入れたような農業パート

 

農業パートは狭っ苦しいスペースにモンスターの種を植えて水やって待つだけ。

数日経過すると収穫可能となり、戦闘で仲間として使えるモンスターと、スキルを伸ばすポイントが得られる研究用モンスターなどが存在する。

 

ゲームが進むとスペースを少し広げられるし、水やりなどを自動化するアイテムなども登場するものの、日数制限も時間経過で発生するイベントも無いから計画的にやる必要がまったく無く、作業感だけが募る。この農業パートいる?

長押しでまとめて収穫や水やりが行えるなど、UI周りはまあ悪くないが……。

 

 

牧場でのモンスターの訓練はレベルアップ用のアイテムを用意して、伸ばすステータスを選ぶだけ。

訓練するとモンスターのやる気が下がり、おやつアイテムでやる気をMAXにしておかないと、ステータスの伸びが悪くなる。手間が掛かるだけで何も面白くない要素が入ってる。おやつアイテムはショップで簡単に買えるので、本当に一手間掛かるだけだ。

 

マーベラスが「我々は牧場物語でのし上がったんだから、こういう要素入れなきゃ!」という、義務感だけで入れたような無味乾燥な農業&牧場パート……。この畑、死んでるぞ!

 

 

畑からモンスターを雑にジャンジャン収穫して余ったら売却して金にするゲームなのに、シナリオ上だと「モンスターとの絆が!」みたいな話を唐突にするから違和感がスゴい。アニメだとこの辺どうするんだろ。

 

 

普通に人間タイプのモンスターも畑から収穫できるから世界観ヤベーって!

 

 

畑からクールそうなメガネレオタードハーピーがザクザク収穫できるゲーム。

ひたすら同じ動きをするしかない虚無戦闘パート

 

ダンジョン攻略は4種類のモンスターを数十体率いて挑む。構造はランダムで、とりあえずモンスターを倒して次のエリアに進むゲートに入る作りだ。最深部にいるボスを倒せばクリア。

 

 

フェアリースキルというランダムに登場する3択のパワーアップを取得したり、次に進むゲートが「アイテムが出るエリア」「フェアリースキルが出るエリア」「モンスターが多いけどアイテムもスキルも全部出るエリア」などに分かれていたりと、ややローグライクっぽい要素も含まれている。

 

 

戦闘は細かいフォーメーションの切り替えなど一切できず、ボタンの長押しで4種類いるモンスターを雑に突撃させるのが基本。ゲージを溜めると強力な合体攻撃や、全モンスターを融合させて全画面攻撃を行う融合召喚を繰り出せる。敵の攻撃に合わせてタイミング良くガードしたり、特定の攻撃を合体攻撃でカウンターすることでダウンゲージを削り、ダウンさせたら大ダメージの追い打ちが可能だ。

 

しかしシステムが単純な上にエフェクトで画面がごちゃごちゃしていて敵が全然見えないので、何も考えずに仲間モンスターを雑に突撃させて、敵が出す攻撃の前兆エフェクトだけ見逃さないようにしてジャストガードorカウンター。最初から最後までこの動きを繰り返すだけのゲーム!これ以外の戦い方は出来ない!

 

クリアまでに23時間掛かったが、本当に最初から最後までこの動きを繰り返すだけだったぞ……!ジャスガとカウンターの判定がゆるいから適当にやっても返せる。

 

ダンジョンも代り映えせず、同じような構造の似たような森の背景を延々と進むだけなので眩暈がしてくる。敵の拠点に攻め込むぞー!って流れでも似たような場所だからな!

 

 

仲間として使えるモンスターの種類が非常に少なく、その上で色違いだらけというのもかなりひどい。PVで味方側のキャラが多彩なモンスターを率いてるシーンがあるが、こんな戦い方できねーぞ!デカいモンスターは合体演出でしか出てこない!畑から収穫したハーピーも研究用モンスターなので戦闘には使えない!

 

 

牧場で研究用モンスターを収穫すると溜まるポイントを消費して、研究用ノートを開放することで新しいモンスターやスキルが開放されていく作りだが、特定のアイテムを持っていないと開放されないマスが非常に多く、アンロックがだるい。

 

まあ、戦闘と育成が面白いゲームなら「楽しく戦いながらアイテム探すぜ!」というノリで気にならない点なんだが、本作は戦闘と育成が一番面白くないゲームなので……。

シナリオは悪くない。真島ヒロによるキャラデザは魅力的。

 

シナリオに関しては悪くなかった。

「人間そっくりな住人が暮らす魔界」という舞台で人間自体は出てこないとか、序盤はよく知らないキャラが次々加入して「いつもの4人が揃った」とか言われて困惑したが、キャラが分かってくると面白くなってくる。

 

前向きな主人公が仲間と共に苦難を乗り越える王道の少年マンガ的なストーリーで、敵幹部とのやり取りでギャグを挟みつつも、殺伐とした展開が続く。敵側の動向も含めて、情勢が二転三転するので遊んでいて続きが気になる構成だ。ラスボス周りの描写や最終決戦の展開も胸に残る。

 

 

敵である「竜顎六柱将(オラシオンセイス)」を筆頭にキャラデザも良し!真島ヒロ、さすがの仕事っぷり。カッコいいキャラはカッコいいし、えっちなキャラはえっち!

 

 

メインキャラであるアルシェもデザイン完成度高い。すごい重量感だぜ……!

 

 

各所にいる精霊と交流を深めるサブイベントがあり、出てくる精霊が濃いキャラ揃いなのが面白い。楽しくなると体から強い光を出して周りを焼く体質で、そのせいで「煉獄の光」と呼ばれて敬遠されてる光の精霊ウィルミーナとか。

自分で「煉獄の光」って何回も言うから割と気に入ってるのかな……。

 

 

母性を暴走させがちな精霊に、やたら筋肉に興味があってすぐ筋トレに繋げる精霊などいるがみんな人懐っこく、主人公であるテンと、相棒であるルクロがボケとツッコミをかましながら交流を深めていくのが微笑ましくていいね。

 

 

シナリオはそういう感じで見所はあるんだが、メインストーリーは途中から「頑張ってキャラの過去話を小出しにするぞ編」が始まってテンポが壊滅的に悪くなる。ダンジョンを1個クリアする度にちょっとずつ過去話!サーチしてくれる相棒のルクロが体力を使い果たしたので帰還!この繰り返し!

ちゃんとキャラの掘り下げになってはいるんだが、とにかくテンポが悪くて疲れる。

 

メインストーリーもエンディングできっちりケリは付けているものの、続編を匂わせる要素が沢山あるのでアニメでやりそう~~!

総評:キャラデザとシナリオと音楽以外ボロボロ!アニメに期待!

 

クリアまで23時間ほど。

23時間同じ動きを繰り返すだけの戦闘、つまらなすぎて気絶するかと思った!

シナリオとキャラデザは長所と言えるし、音楽も良し。しかしそれ以外の構成要素すべてが中途半端。どういうゲームにしたかったのか見えない作りだ。畑から作業感が無限に収穫される。畑に塩をまきたくなる。

シナリオも中盤以降の中だるみが酷過ぎたり、最終決戦は盛り上がるけどバトル自体は同じ動きでペチペチ殴るだけだし……。

 

来年1月に放送されるアニメはどうなるだろう。

シナリオやキャラはアニメだと映えそうで、ゲームで全然分からなかった各国の様子も見れそう。脚本・シリーズ構成はウルトラマンデッカーなども手掛けた根元歳三が担当している。割と期待できそうかな。最終決戦は普通にアニメで見たいから注目。

 

でもアニメが面白くてもこのゲームを買ったらダメだぞ!ファーマギアとの約束だ!

Â