社会の独房から

映画やゲーム、漫画など。

【ネタバレ】『劇場版忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』感想

映画を観る前の僕「なるほどですね(眼鏡クイッ!)土井先生には天鬼というムウ・ラ・フラガとラウ・ル・クルーゼのような光の関 俊彦と闇の関 俊彦の対立関係のキャラクターがいると…最後は土井先生がきり丸を身を呈して守り「そうだよなあ…きり丸…寂しかったんだよなあ…苦しかったんだようなあ…ごめんなァ…きり丸 オレがもっとしっかりしてりゃこんな思いさせずに済んだのによ」と言いながら忍び装束の中で爆散しそうですね…。

子供は感動して泣くかもしれませんが、大人になった私が…忍たまもそんなに詳しくもない私が、そんな展開で感涙にむせぶとでも?フッ…初恋キラー土井先生の実力見せてもらいましょうか」

 

 

 

 

映画を観た後の僕「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁきり丸よかったねぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇ(号泣)からの

お、お兄ちゃん…だと(放心状態」

f:id:Shachiku:20241225132105j:image
f:id:Shachiku:20241225132101j:image
f:id:Shachiku:20241225132703j:image

頭の中お兄ちゃんで一杯になって

寝れないんだが

 

 

僕は小学生の頃、きり丸とユキちゃんが好きで2人の今でいうカップリング小説をジャポニカ学習帳に書き綴っては1人でニヤニヤしていたのだが、世間(小学校(うちのクラス))の中では乱太郎×ユキちゃん派と何よりも土井先生×自分が圧倒的だった。

そもそも金!金!煩いきり丸が人気がなかった。それでも、僕はきり丸が1番好きだった。僕自身も団地生まれの貧乏だったのもあったのだと思う。同世代ながら忍術学園通いながらアルバイトに励むきり丸の姿に感動して応援していた。

同世代だったきり丸。

気が付けば僕はきり丸ぐらいの子供がいてもおかしくない腐敗堕落始まる年齢になり老けてしまった。勇者ヒンメルから見たフリーレンか?

友達だった一年は組のみんなも同じ歳の仲間っていうより頑張っている子供って感覚である。これが老い。

 

 

ここから映画の話だが、きり丸に涙流させるのは反則なのよ。

普段は平和なギャグ空間にいるキャラクターによる泣き笑い以外での涙はダイヤモンドより価値がある。

一年は組のみんなが一生懸命頑張る姿にも感動するし、風鬼からひそかに流れる1粒の涙にも感動しちゃう。主題歌がなにわ男子の新曲だと聞いていたのでOPで例のあの曲が流れなかった時点で「映画だと空気が違うから流れないのか…」と思ってた所でのあのタイミング、日常に戻るあのタイミングで流れるのもズルくて泣いちゃう。

というかみんな土井先生が大好き!の気持ちを隠せてないのが可愛いね。6年生の「もしかして土井先生死んだかもしれん…」の時の絶望感ね。よくよく考えると土井先生なんてキャラ知らんって人はいても逆張りクソ野郎以外で土井先生嫌い!って人見たことない。圧倒的好感度、歩く好感度の土井先生みんな好きだろ!!ってなるから作品と観客で感情の齟齬なくて見易い。

 

そして「素人質問で恐縮ですが」を連発する雑渡昆奈門。なに…雑渡昆奈門はオタクの妄想を具現化させたの…?なに…あの高い高い昇竜拳?なに…あの世界一かっこいい「もっと頑張りましょう」ちょっとpixiv漁るね…。

 

 

本作が真面目に良いの、1年は組の生徒が大人たちから庇護されるべき幼い子供と描写されている所だろう。クライマックスも1年は組の生徒たちがもっと戦闘面でも活躍させようと思えば出来たけど、そうはさせない。あくまでも守られる存在として徹底している。逆に子供が大人たちの足を引っ張る昔のスピルバーグ映画みたいな展開ってイライラするものだけど、1年は組の行動によって物語が良い方向に進展していくので全然イライラしない。このバランスも良い。

5,6年生だって子供では!?と思うけど、室町時代(あってるよね!?)というシビア時代において子供が子供として存在できる期間って本当に短そうである。というか「子供は親の所要物」という一般的な常識とかありそうだから、そんな中で自分達の生活を世話させるのではなく学園に通わせる親たちが偉いよ…。自分…親たちに涙流していいですか…。

 

 

そしてやっぱりきり丸である。終始「土井先生に会いたい」って言ってるのが切実過ぎる。というか土井先生がいなくなった後、きり丸が泣き叫ぶでもなくただただ静かにじっと耐えるの、雪が降る中天井がない場所でじっと耐えていた幼少期と全く同じじゃん、そういう処世術で生きてきた彼の境遇がそうさせるんじゃん!そんな哀しい境遇がってたまるかーーーー!!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!ボゴォ゙!!!!!!

もう少しきり丸辛い展開が長ければスクリーンに向かって「どけ!!!俺はお兄ちゃんだぞ!!!」と叫ぶ異常者が生まれる所だった…。

きり丸って本当に逞しくていつもカッコ良くてムードメーカーでつらい過去があったけどそれを感じさせない明るい子なんですよね。そんな子が普段通りの日常を過ごすことすらできない現実が憎い…破壊してやりたい…。オイラにもっと…力があれば…!!!今なら戸愚呂が妖怪になった理由がよくわかる…。

 

そんなきり丸がようやく素直な気持ちを1年は組のメンバーに言って、みんなで土井先生を救うために頑張るの、もうね、100000000000000点です。ありがとうございました。初めてのおつかいレベル10000みたいな場面、そりゃ泣く。最近ではレベル1でも泣いてるのに。これが老い。

そしてみんなで帰る道でいつもの日常のあの曲が流れるんですよ。完璧…!!!

 

 

細かな所

・上級生組って平滝夜叉丸しか覚えてなかったんですが、あんな良いキャラ揃っていたんですね…というか成田剣さんとか保志総一朗さんとか神奈延年さんとか置鮎龍太郎さんとか等々そんな豪華な布陣だったのか…

・不運が発動している…?

・天鬼と6年生組のアクション良すぎる。アニメーションは凄いけど何やってるのかイマイチ分からないアクションじゃなくて一つ一つの挙動がちゃんと理解できるアクション本当に好き。

・「全員かすり傷です!」←かっけー

・利吉さん、山田先生に「ここからは親子ではなく一対一の忍として」と言ってからカマを掛けるのも良いし、「天鬼の正体を知っていればお前が冷静でいられるはずがない」と山田先生に看破されるのも良い。土井先生と利吉さんの関係黒部峡谷ぐらい深そうで怖い。

山田先生から利吉さんみたいなイケメンが生まれるの、謎だがまぁでも山田先生イケメンだしな。

・子供の頃は学園長、鼻息がすごいただのギャグ要因ジジィだと思っていたが、大人になってみると滅茶苦茶カッコイイジジィである。

・ヘムヘムは結局犬と猫どっちなんだ

・5年生に全く同じ姿の忍者がいる。

・しかも、なんか名前が違うので双子ではないっぽい。そんな事ある!?

・あ~~子供の頃、ナメクジ大好き山村も大好きだった事思い出して感涙。クラスメイトに山村好きって言ったら「ええ~~」って引かれたけど、めっちゃ良い奴なんすよ山村。

・「らんきりしん」性格も育ちも何もかも違う3人組だけど、そんなの関係ないとばかりに仲が良いこの3人組。最高に好き。

・しんべヱが規格外過ぎる。

・タソガレドキの顔に紙貼ってる忍者好き

↑好き

 

最後に

忍たまの映画、真っ当に出来が良くてびっくりした。人気キャラ出しまくって展開が破綻する訳でも、ショッキングな展開やればいいやん!みたいな話題先行型でもなく、ちゃんと真面目に出来が良い。子供が観ても楽しめるし、忍たまミリしらのおっさんおばさんでも楽しめるし、忍たま好きの人でも楽しめる。つまり、国民全員がこれから永久的に楽しめる国民的映画ってことだーーーーーー!!!!!

 

それはそうと、利吉さんが土井先生のこと「お兄ちゃん」って呼ぶなに!?

幻術か?

 

 

Â