EUはサマータイム「廃止目指す」 欧州委トップが表明 意見公募も8割超が「廃止」

 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)が採用中のサマータイム(夏時間)制度の是非をめぐり、EUのユンケル欧州委員長は31日、独公共テレビZDFとのインタビューで制度の廃止を目指す意向を表明した。欧州委が域内市民らを対象に行った意見公募で、圧倒的な多数が廃止を支持したとされることを受けた判断。

 EUでは3月の最終日曜から時計の針を1時間進め、10月の最後日曜に戻すサマータイム制度を採用。だが、省エネ効果が薄い一方、健康への悪影響も指摘され、フィンランドなど欧州北部の加盟国や欧州議会で廃止を求める声が高まっていた。

 欧州委はこのため8月半ばまでの約1カ月間、意見公募を行い、過去最大の460万件以上の回答が寄せられた。正式な結果はまだ発表されていないが、独メディアは関係筋の話として8割以上がサマータイム廃止を支持したと伝えた。

 意見公募の結果に拘束力はないが、ユンケル氏はインタビューで「意見を求めながら、何もしないわけにはいかない」と強調。廃止に向け欧州委内の意見集約を図り、欧州議会などと協議を進める考えを示した。

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