【ロンドン=岡部伸】英国で20年ぶりとなる新規原子力発電所の建設計画について、英政府が最終決定を延期したのは、中国企業の参加にメイ首相が安全保障上の懸念を示し計画の再検討を命じたためであることが、1日までにわかった。英メディアなどが報じた。キャメロン前政権による親中政策の見直しが今後進む可能性もありそうだ。
建設を主導するフランス電力公社(EDF)は先月28日、英南西部サマセット州ヒンクリーポイントに新規原発を建設する計画を承認。約180億ポンド(約2兆5千億円)の建設費の3分の1を中国国営企業が出資することになっている。完成すれば英国内の電力需要の7%を賄う見通し。
英紙ガーディアンに首相府高官が明らかにしたところでは、新原発計画の最終決定が延びたのは、新首相が新政権として重要な決定を下したためで、複雑な契約に時間をかけて検討することは当然としている。ロイター通信は、メイ首相が国家安全保障に死活的に重要なエネルギー事業に中国企業が参加することに懸念を表し延期したと伝えた。