COP21

大国と途上国の顔、便利に使い分け 中国の習近平国家主席、新興国リーダー気取り ムガベ大統領とも会談

 【北京=川越一】中国国営新華社通信は2日、パリ郊外で国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に出席した習近平国家主席が1日、ジンバブエを訪れて首都ハラレでムガベ大統領と会談し、インフラ整備支援などを約束したと伝えた。COP21でのぞかせた発展途上国を束ねようという意思を、アフリカ歴訪でも示す狙いがうかがえる。

 北京が「今年最悪の大気汚染」(中国紙)に見舞われていた11月30日、習氏はオバマ米大統領との会談で、温室効果ガスの排出量削減のために「二大排出国の中国と米国が協力すべきだ」と呼びかけた。

 「大国」を演じたこの首脳会談とは打って変わり、COP21での演説では途上国の立場を強調。習氏は「貧困を脱し、生活水準を向上させるという途上国の合理的な要求をとめてはならない」とし、地球温暖化を招いた責任を先進国に求める途上国側に同調した。

 習氏はさらに、中国が途上国支援のため、9月に表明した200億元(約4千億円)の金融支援「気候変動南南協力基金」に言及。先進国側にも、途上国支援の履行と、2020年以降の資金援助と技術提供の継続を促した。

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