母親が生後4カ月の男児を暴行死させた平成25年8月の事件など、大阪市住吉区で発生した虐待死3件について、市児童福祉審議会の検証部会が4日、報告書を公表した。いずれの加害者にも精神科の受診歴があり、「主治医と行政機関との連携が必要だった」と指摘した。
報告書は25年の事件での母親の精神疾患について、医療機関から市に情報提供があった経緯を検証。主治医と協力したリスク判断をすべきだったとした。30年に母親が2歳の長女をマンション5階から投げ落として殺害した事件でも、市は受診歴を把握していたが、具体的な支援に生かせていなかったと記載した。
検証部会長を務める津崎哲郎・児童虐待防止協会理事長は「児童福祉は小児科だけでなく、精神科との連携体制が必要だ」と強調。市は今後、医師会を通じて医療機関とのネットワーク構築を検討するとした。