九州新幹線・長崎フリーゲージトレイン「事実上困難」 与党検討委

 九州新幹線長崎ルートの整備手法を巡り、与党検討委員会は30日、フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の導入は「事実上困難」との認識でおおむね一致した。国土交通省が検討委に示した試算結果で、全線フル規格で整備した場合の費用対効果が投資に見合う水準を大幅に上回り、委員からFGTは困難との見解が相次いだためだ。

 検討委終了後、山本幸三委員長(自民党衆院議員)は平成31年度予算の概算要求前の今年夏ごろまでに結論を出したいとの考えを示した。検討委は4月中にも佐賀、長崎両県知事やJR九州などから意見聴取する。

 試算は、山陽新幹線に乗り入れて新大阪駅に至るケースを前提とした。費用対効果は利用者の便益や事業者の収益を建設費などの総費用で割った数値で、「1」を上回れば投資に見合うとされる。フル規格が「3・3」で最も高く、ミニ新幹線で上下線を改良する場合は「2・6」、片側のみの改良では「3・1」だった。FGTは山陽新幹線への乗り入れが困難として、算出しなかった。

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