東海の議論

ゼロ戦展示で論議「戦争美化になる」「史実を隠すな」 愛知県が苦肉の暫定展示 

【東海の議論】ゼロ戦展示で論議「戦争美化になる」「史実を隠すな」 愛知県が苦肉の暫定展示 
【東海の議論】ゼロ戦展示で論議「戦争美化になる」「史実を隠すな」 愛知県が苦肉の暫定展示 
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 国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の開発をきっかけに航空産業の発展を期して愛知県が昨年11月、豊山町にオープンした航空博物館「あいち航空ミュージアム」に、第二次大戦時の戦闘機「ゼロ戦」の復元機が展示された。展示に際しては「戦争賛美につながる」などと反対の声が出るなど議論もあったが、かつて世界の航空界をリードした技術の結晶として暫定公開にこぎ着けた。現代の若者にも人気を集める「ゼロ戦」。訪れた人からは「史実を隠してはならない」「公開で戦争は絶対あってはならないと訴えることも大切」といった声が聞かれた。

当時の最先端技術に関心

 国産初のプロペラ旅客機「YS11」や国産技術で開発したヘリコプター「MH-2000」など6機が並ぶ博物館1階の実機スペース。ゼロ戦は、その片隅の壁で区切られた場所に静かに置かれている。

 濃い緑の機体に先端の黒いエンジンフードがついた外観、高速を実現させるために引き込み式にした車輪、当時の戦闘機では最強の武装だった20ミリ機関砲…。展示された機体は南太平洋を飛び回った往時の姿を彷彿(ほうふつ)とさせ、つぶさに観察する来館者や、立ち止まって瞑目(めいもく)するお年寄りの姿も。

 展示機の制式名称は「零式艦上戦闘機52型甲」。昭和19(1944)年に名古屋市の三菱重工大江工場で生産され、最大時速565キロ、航続距離3000キロを超える優れた運動性能と耐久力で知られる。硬度と軽さを兼ね備えた「超々ジュラルミン」により高強度化、軽量化を追求した機体で、空気抵抗を軽減するために、頭の平らな鋲(びょう)を打ち込み内側から留めた「沈頭(ちんとう)鋲」は航空界で先駆けの技術として注目された。

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