シャープが28日発表した平成29年4〜6月期連結決算は、最終損益が144億円の黒字(前年同期は274億円の赤字)に転換し、3四半期連続で最終黒字となった。4〜6月期での最終黒字は7年ぶり。主力の液晶パネルやテレビ関連事業が堅調に推移した。業績の回復基調が鮮明となる中、超高精細の8Kなどの成長分野に注力する。
売上高は前年同期比19・6%増の5064億円で、増収は4〜6月期として3年ぶり。液晶テレビ事業で中国で親会社の鴻海(ホンハイ)精密工業の販路を活用したことが奏功したほか、自動車やスマートフォン向け中小型液晶パネルの販売も伸びた。
鴻海との協業を通じて、原材料の調達や物流などでコスト削減を進め、本業のもうけを示す営業損益は171億円の黒字(前年同期は25億円の赤字)を確保。家電やカメラ部品などを含めた主力4部門全てで営業黒字となった。
東京都内で記者会見した野村勝明副社長は「全ての領域で業績を伸ばす準備が整ってきた」と語った。8Kの液晶パネル事業で32年度に売上高3千億円超を目指す方針も表明した。