黒門市場のブランド守れ! 中国投資家らが〝侵蝕〟空き店舗を購入し貸し出し…商店街も〝自衛策〟!外国人客向け無料休憩所に

外国人観光客のために黒門市場内に開かれた観光案内所兼休憩所=16日、大阪市中央区(村本聡撮影)
外国人観光客のために黒門市場内に開かれた観光案内所兼休憩所=16日、大阪市中央区(村本聡撮影)

 「大阪の台所」として知られ、訪日外国人客(インバウンド)でにぎわう大阪市中央区の黒門市場で、中国など海外の投資家が空き店舗物件を購入し、テナントとして貸し出すケースが増えている。こうした店舗は商店主らの組合に加入しないことが多く、トラブルも懸念されるという。危機感を募らせる黒門市場商店街振興組合は空き店舗を購入し、外国人向けの無料休憩所として9月にオープンさせるなど、自衛策に乗り出した。(井上浩平)

中国人女性店員が呼び込み

 「ハイ、神戸牛。おいしいよー」。16日午前10時すぎ、食べ歩きを楽しむ中国や韓国などからの観光客でごった返す黒門市場。牛肉専門店を思わせる看板を掲げた店では、中国人の女性店員が流暢(りゅうちょう)な日本語で呼び込んでいた。この店では、くし焼きやどんぶりなど数千円から高いものでは5000円以上で販売。一方、周辺の鮮魚店や総菜店は数百円程度の商品が中心だ。この店以外にも1玉1000円近いモモや数千円のブドウなどを販売する青果店もある。

 「ほかの店に合わせてリーズナブルな価格で提供してくれるようお願いしても、なかなか聞いてもらえない。『高級な商品を扱っているから』と言われてしまうと返しようがない」と同組合の関係者はいう。背景には近年、黒門市場のインバウンド人気に目を付けた中国などの不動産投資家の影があるとみている。

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