日本千思万考

眠れる獅子の尾を踏んだ中国…目覚めたインドがカネと恫喝の冊封態勢を粉砕する

アジアに輝く“未来の星”インド

 新興国経済が停滞し始めて2年目に入ります。膨らむ一方の新興国債務が世界景気回復の障害になっているのは不可避の現実で、ことに中国とロシア経済の減速継続と、大統領の弾劾まで取りざたされるブラジルや、与党が敗北したベネズエラ、政権交代のあったアルゼンチンなど中南米諸国の政治と経済の多重危機は、もはや二番底の深みにはまってしまったようです。

 こんな情勢下にあって、人口ボーナス(人口構成の変化が経済にとってプラスに作用する状態)に恵まれ、比較的経済成長が期待されるのが、ASEAN10カ国とインドではないでしょうか。これら諸国の人口が 合計20億におよび、そのGDPが7兆ドルもあることは、未来への期待を膨らませてくれます。

 中でも、人口の大きさでは、それぞれ13億内外とほぼ同数の人口を競い合う中国とインド(予測では10年以内に、インド人口が中国を抜き世界一になるそうです)ですが、中国がすでに少子高齢化に突入し人口オーナス(人口構成の変化が経済にとってマイナスに作用する状態)に陥り、若年労働力不足に陥っているのに対し、インドは世界最大の若年層を抱え、これからますます人口ボーナスを謳歌しようという状況にあることから、アジアに輝く「未来の星」がインドであることが見えてきます。

インドと中国、どちらが“大国”なのか 「いずれ世界は分かってくる」

 かてて加えるに、アジアの新リーダーを自認してきた中国は、このところ南シナ海の埋め立てによる強引で横暴な軍事拠点化で近隣アジア諸国どころか、ほぼ全世界からの糾弾を受けており、併せて内政面でも独裁政治の野蛮さが次々と露呈し、世界の不信感と警戒感をなお一層増幅させ始めております。

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